2013年度 国内・海外出張旅費調査

人事

国内・海外出張旅費に関する調査
掲載している雑誌:労務事情

民間のシンクタンク機関である産労総合研究所(東京都千代田区、代表 平盛之)が発行する定期刊行誌「労務事情」(編集長 日野啓介)では、本年7月に、これまでほぼ3年おきに実施してきた「国内・海外出張旅費調査」を実施しました。このほど、最新の調査結果がまとまりましたので、ご報告いたします。

2015年版がリリースされています。

 

印刷用PDFのダウンロード

2013年度 国内・海外出張旅費調査
印刷用PDFのダウンロード

 

調査結果のポイント

(1)国内宿泊出張における日当の支給状況

  • 規模、業種を問わず、9割以上が日当を支給。大半が「一律同額」

(2)国内宿泊出張の場合の日当、宿泊料

  • 役職別にみた日当の平均額は、社長4,892円、部長2,944円、一般2,410円
  • 宿泊料の上限は、社長16,276円、部長10,961円、一般社員9,840円

(3)役職別にみた新幹線グリーン車の利用許可状況

  • 何らかの形でグリーン車利用を認める割合は、役員54.5%、部長26.0%、課長19.0%で、いずれも前回調査より増加

(4)海外出張における地域別の日当、宿泊料

  • 円建て企業では、課長クラスで日当5,000円台、宿泊料13,000円台から15,000円台

(5)海外旅行傷害保険の付保(加入)状況

  • 4社に3社が、海外出張する社員に海外旅行傷害保険を付保

(6)役職別にみた傷害保険の平均付保金額

  • 死亡・後遺障害の場合の保険金は、役員クラスが7,000万円強、部・課長クラスが6,000万円弱で、前回調査から大幅に増額

(7)不測時の安否確認・緊急連絡体制の構築

  • 海外出張時の安否確認・緊急連絡の手段は「携帯電話」が半数(複数回答)

(8)国内・海外出張旅費の削減策

  • 出張旅費の削減策は、国内出張では「テレビ会議やウェブツールによる代替」、海外出張では「ディスカウントチケットや旅行パックの利用」がトップに(複数回答)

 

調査要領

【調査対象】 当社の会員企業および上場企業約3,000社
【調査時期】 2013年7月
【集計対象】 締切日までに回答のあった169社

図表

 

調査結果の概要

(1)国内宿泊出張における日当の支給状況

規模、業種を問わず、9割以上が日当を支給。大半が「一律同額」

まず、国内出張に関する調査結果を紹介する。国内の宿泊出張の場合、日当と宿泊料が支給されることが多い。企業によってはこの他に食事代を支給するところもあり、また日当に宿泊料を含めるケースもある。

本調査結果によれば、早朝出発や時間外(深夜)帰着などを除く通常の宿泊出張について、日当を「支給している」企業は全体の92.9%。「支給しない」と答えた企業は4.1%にとどまった。企業の規模や業種を問わず、同様の結果となった。

支給方法については、地域等による区分を設けず「一律同額」とする企業が78.3%と大半を占めた。一律同額の割合は規模の大きさに比例しており、大企業(1,000人以上)では約9割となっている(図表1)。

図表1 国内出張における日当の支給状況

図表

 

(2)国内宿泊出張の場合の日当、宿泊料

役職別にみた日当の平均額は、社長4,892円、部長2,944円、一般2,410円
宿泊料の上限は、社長16,276円、部長10,961円、一般社員9,840円

国内宿泊出張の日当額(一律同額の場合)を役職別にみると、図表2-1のようになる。これを、一般社員を100とした指数でみると、部長122、取締役156、社長203などとなっている。

一方、宿泊料については、地域間で金額に差がある場合の最高地の支給額をみたものが図表2-2である。指数でみると、一般社員100に対し、部長111、取締役130、社長165などとなり、日当に比べると役職による金額差は小さい。
なお、宿泊料の支給方法に関しては、「定額払い」59.8%、「実費支給」10.7%、「一定額を上限にした実費支給」26.6%などとなっている。

図表2-1 国内宿泊出張における日当の平均支給額(全国一律同額の場合)

図表

図表2-2 国内宿泊出張における宿泊料の上限額(地域格差を設けている場合の最高地の金額)

図表

 

(3)役職別にみた新幹線グリーン車の利用許可状況

何らかの形でグリーン車利用を認める割合は、役員54.5%、部長26.0%、課長19.0%で、いずれも前回調査より増加

アベノミクスによる経営環境の改善が進んでいるが、近年の経費節減強化の流れに変化はみられるのだろうか。
本調査では、継続的に国内出張時の新幹線グリーン車の利用許可状況について調べている。今回の調査では、「何らかの形で利用を認めている」(「認める」+「条件付きで認める」)割合は、役員(平取締役)で54.5%、部長クラスで26.0%、課長クラスで19.0%となった(図表3-1)。

この割合を、時系列にみたものが図表3-2である。「何らかの形で認める」割合は以前から漸減傾向にあったものの、2008年度まではおおむね役員で6割前後、部長クラスで3割前後にとどまっていた。それが東日本大震災後の2011年度調査時に大きく落ち込み、今回調査で再び上向いてきたという結果になっている。

図表3-1 役職別にみた新幹線グリーン車の利用許可状況

図表

図表3-2 新幹線グリーン車の利用許可状況の推移(何らかの形で利用を認めている企業の割合)

図表

 

(4)海外出張における地域別の日当、宿泊料

円建て企業では、課長クラスで日当5,000円台、宿泊料13,000円台から15,000円台

まず、海外出張における日当、宿泊費等を、どの国の通貨で支給しているかをたずねると、「円建て」52.1%、「ドル建て」25.4%、「各国通貨」7.7%などとなった。

このうち、円建て企業について、地域別に日当および宿泊料(定額支給の場合)の平均額をみたものが図表4である。棒グラフは地域ごとに、上から役員(平取締役)クラス、課長クラス、一般社員の平均額を表している。例えば、東南アジア地域では、役員クラスで日当7,054円、宿泊料16,074円、課長クラスで同5,137円、13,248円、一般社員で同4,543円、12,127円であった。

図表4 地域別にみた海外出張の日当および宿泊料の平均支給額(円建て企業)

図表

(5)海外旅行傷害保険の付保(加入)状況

4社に3社が、海外出張する社員に海外旅行傷害保険を付保

社員の海外出張中の病気や負傷に備えて、海外旅行傷害保険に加入している企業の割合は全体の75.7%。大企業では8割を超える結果となった。業種別にみると、製造業の91.4%に対し、非製造業は64.6%とやや低い。

付保する項目としては、「傷害」、「疾病」が8割前後。次いで「携行品損害」、「救援者費用」、「賠償責任」がそれぞれ5割前後となっている(図表5)。

図表5 海外旅行傷害保険の付保(加入)状況

図表

 

(6)役職別にみた傷害保険の平均付保金額

死亡・後遺障害の場合の保険金は、役員クラスが7,000万円強、部・課長クラスが6,000万円弱で、前回調査から大幅に増額

海外旅行傷害保険は、付保金額が傷害と疾病とに区分され、設定されている。このうち、傷害に対する治療費および死亡・後遺障害の付保金額(7泊8日程度の場合)をみたものが図表6である。いずれの役職区分でも、前回2011年調査に比べて、相当に金額水準が上がっている。海外出張・駐在のリスクに対する認識が高まってきている証左だろうか。
ただし、全体的に、大企業(1,000人以上)および中堅企業(300~999人)と中小企業(299人以下)とで、保険金額にかなりの開きがある点に注意が必要である。

なお、風土病や紛争・テロ等の危険度の高い国・地域に出張する場合に特別な保険を付保しているかについては、特別な保険を「付保している」と回答した企業は3.0%(前回調査4.0%)とごく一部であり、大半(75.7%)が「付保していない」と答えている。

図表6 海外旅行傷害保険の平均付保金額

図表

 

(7)不測時の安否確認・緊急連絡体制の構築

海外出張時の安否確認・緊急連絡の手段は「携帯電話」が半数(複数回答)

海外出張時には、災害や紛争に巻き込まれる可能性もある。本年1月、アルジェリアで発生したガス・パイプライン襲撃事件は記憶に新しい。不測時の安否確認・緊急連絡体制については、「携帯電話を会社負担で携行」が49.1%で最も多く、次いで「社内イントラネットによる緊急連絡体制整備」11.2%。「民間の危機管理サービスを会社負担で利用」は3.6%にとどまっている(図表7、複数回答)。

 なお、危険地域への出張時に「日当とは別に危険手当を支給している」企業は3.6%、「日当を増額している」は0.6%であり、「特に対応していない」が80.5%であった。

表7 海外出張における不測時の安否確認・緊急連絡体制の構築(複数回答)

図表

 

(8)国内・海外出張旅費の削減策

出張旅費の削減策は、国内出張では「テレビ会議やウェブツールによる代替」、海外出張では「ディスカウントチケットや旅行パックの利用」がトップに(複数回答)

最後に、出張旅費の削減策について聞くと、国内出張に関しては、「テレビ会議やウェブツールによる代替」36.7%が最も多くなり、次いで、「ディスカウントチケットや旅行パックの利用」33.7%、「出張回数・人数の削減」28.4%などとなっている(図表8-1、複数回答)。

一方、海外出張に関しては、「ディスカウントチケットや旅行パックの利用」36.7%が最多となり、「会社による一括管理(予約・手配等)」30.2%、「ビジネスクラスの利用制限」23.7%などの順になっている(図表8-2、複数回答)。

図表8-1 国内出張旅費の削減策(複数回答)

図表

図表8-2 海外出張旅費の削減策(複数回答)

図表

 

印刷用PDFのダウンロード

2013年度 国内・海外出張旅費調査
印刷用PDFのダウンロード

※ 詳細データは「労務事情」2013年11/1号、11/15号に掲載しています。

 

本リリースに関する取材などのお問い合わせ

株式会社産労総合研究所「労務事情」編集部   担当:日野、綿貫
TEL 03(3237)1604  MAIL edt-b@sanro.co.jp

※上記以前の調査結果については、「労務事情」編集部 までお問い合せ下さい。

労務管理の理論と実践を繋ぐ! こんな方に
  • 企業・団体等の
    経営層
  • 企業・団体等の
    人事労務担当者
  • 労働組合
  • 弁護士
  • 社労士
  • 企業コンサルタント
    (中小企業診断士等)
  1. 法改正の動向をタイムリーにフォローし、わかりやすいQ&A形式で紹介
  2. 豊富な関連判例の紹介により、より深い理解を醸成
  3. 企業の人事部門に加え、専任者を置けない中小企業の顧客を持つ士業の方にもオススメ
労務事情 詳細を見る

ページトップへ