2022年度 教育研修費用の実態調査

人事

教育研修費用の実態調査
掲載している雑誌:企業と人材

この調査は「産労レポート」として詳細版を販売しています

2021年度教育研修費は1人あたり2万9,904円
前年比5,063円増も、コロナ禍以前には戻らず

人事労務分野の情報機関である産労総合研究所(代表・平盛之)は、このたび「2022年度(第46回)教育研修費用の実態調査」を実施しました。本調査は1976(昭和51)年より実施しており、今回で46回目となります。

 

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2022年度(第46回) 教育研修費用の実態調査
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本調査は、企業の教育研修費総額と正社員1人あたりの教育研修費用を調査している。2022年度調査では、2021年度の予算と実績額、および2022年度の予算額、それを従業員数で除した1人あたりの教育研修費用額を回答してもらった。それによると、2021年度の1人あたりの教育研修費用実績額は29,904円で、前回調査に比べて5,063円、率にして20.4%増加したが、コロナ禍以前の水準には戻っていない。
なお、本調査の詳細データは、『企業と人材』2022年10月号(No.1116)に掲載している。

主なポイント

(1)教育研修費用総額と従業員1人あたりの教育研修費用

  • 教育研修費用総額の2021年度実績額は5,221万円、前回調査と比較すると、596万円の増加。
  • 従業員1人あたりの教育研修費用の2021年度実績額は29,904円で、前回調査より5,063円の増加。

(2)外部講師・教育機関への支払総額

  • 2021年度の外部講師・研修機関への支払総額は平均で2,644 万円、前回調査とほぼ同額。
  • 研修費用総額に占める支払い割合の平均は60.9%

(3)予算を策定する際の優先基準

  • 教育予算を策定する際に最も優先する基準は 「前年度の実績額」が4割、「ゼロベース」が2割。
  • 「毎年の必要額をゼロベースで積み上げる」は大企業で31.6%と他の規模より高かった。

(4)教育予算の増減状況と今後1~3年の方向性

  • 2021年度と2022年度で予算額を比較すると、「増加」49.3%、「減少」35.3%で、4年ぶりに増加が減少を上回る。
  • 教育研修費用総額の今後1~3年の見通しは、「増加」とする企業(かなり増加+やや増加)が55.8%と半数を上回る。

(5)選抜型リーダー育成の取組み状況

  • 選抜型リーダー育成制度を導入している企業は30.4%。
  • 選抜型リーダー育成制度の選抜対象者を3年前と比較すると、選抜対象者の年齢層・対象者・育成期間どれも「変わらない」とする企業が多かった。

 

調査要領

グラフ

 

用語の定義について

本調査でいう「教育研修費用(総額)」とは、次に掲げる各費用の合計額である。

①正規従業員を対象とした自社主催研修の会場費・宿泊費・飲食費
②外部講師費
③教材費
④外部教育機関への研修委託費およびセミナー・講座参加費
⑤eラーニング・通信教育費
⑥公的資格取得援助費
⑦研修受講者・社内講師の日当・手当・交通費
⑧事務局費
⑨その他これら以外の教育研修に必要な費用
(ただし、研修受講者・教育スタッフの人件費は含まない)

なお、厚生労働省が実施する「能力開発基本調査(企業調査)」では、「教育訓練に支出した労働者1人あたり平均額」として、正社員と正社員以外を合わせた「Off-JTに支出した費用の1人あたり額」と「自己啓発支援に支出した費用の1人あたり額」が算出されており、2021年度調査はそれぞれ1.2万円、0.3万円となっている。

 

教育研修費用の実態調査 結果概要

[1]教育研修費用総額と従業員1人あたりの教育研修費用

(1)1社あたりの教育研修費用総額

1社あたりの教育研修費用総額は、2021年度は予算額6,821万円(前回調査6,934万円)、同実績額5,221万円(同4,625万円)であり、2022年度は予算額7,083万円(同6,603万円)である(図表1)。

(2)従業員1人あたりの教育研修費用

従業員1人あたりの教育研修費用は、2021年度の予算額40,896円(前回調査42,446円)、同実績額29,904円(同24,841円)、2022年度予算額43,261円(同39,682円)だった。2021年度実績額でみると、前回調査から5,063円、率にして20.4%増加しているものの、コロナ禍以前の水準には戻っていない。
2021年度実績額を規模別にみると、大企業(1,000人以上)29,629円(同24,329円)、中堅企業(300~999人)31,323円(同24,790円)、中小企業(299人以下)28,682円(同26,583円)となり、いずれも増加している。また、製造・非製造業別にみると、製造業は27,886円(同22,933円)、非製造業31,155円(同26,585円)となった(図表1)。

図表1 教育研修費用総額と従業員1人あたりの額(実績と予算)

グラフ

参考表 教育研修費用総額および従業員1人あたり額の推移(実績額)

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[2]外部講師・教育機関への支払総額・割合

教育研修費用総額(実績額)のうち、2021年度の外部講師・教育機関への支払総額は平均で2,644万円と、前回調査(2,439万円)とほぼ同額だった。支払い割合の平均は60.9%で、近年は6割前後で推移しており、企業規模別にみても大きな差はない(図表2)。

図表2 2021年度の外部講師・教育機関への支払総額とその研修費用総額に占める割合

グラフ

 

[3]予算を策定する際の優先基準

教育予算を策定する際に最も優先する基準としては、「前年度の実績額」が43.0%(前回調査44.1%)で最も多かった。次いで、「毎年の必要額をゼロベースで積み上げる」が23.8%(同25.1%)、「前年度の予算額」15.7%(同17.1%)など。規模別でみると、大企業で「毎年の必要額をゼロベースで積み上げる」が31.6%と他の規模より高く、業種別では非製造業が29.0%と製造業より高くなっている(図表3)。

図表3 教育研修費用予算を策定する際に最も優先する基準

グラフ

 

[4]教育予算の増減状況と今後1~3年の方向性

(1)2021年度/2022年度予算額の増減状況

回答企業の2021年度と2022年度の予算額を比較してみると、予算が増加した企業は49.3%(前回調査35.4%)、減少した企業は35.3%(同50.3%)、増減なしの企業は15.4%(14.4%)と、4年ぶりに「増加」企業が「減少」企業を上回った。企業別規模でみると、大企業では6割以上が「増加」となっている(図表4)。

図表4 2021年度予算と2022年度予算の比較

グラフ

(2)教育研修費用の今後の方向性

教育研修費用総額の今後1~3年の見通しについては、「かなり増加」が9.3%(前回調査6.6%)、「やや増加」が46.5%(同36.5%)に対し、「現状維持」が40.1%(同39.3%)、「やや減少」4.1%(同12.8%)となっている。
これを「増加計」(「かなり増加」+「やや増加」)、「減少計」(「かなり減少」+「やや減少」)で前回調査と比較すると、増加計55.8%(同43.1%)、減少計4.1%(同17.5%)となり、「増加」とする企業が半数を上回った(図表5)。

図表5 教育研修費用総額の今後(1~3年)の方向性

グラフ

 

[5]選抜型リーダー育成の取組み状況

今回の調査では、選抜型リーダー育成の取組み状況についても聞いている。選抜型リーダー育成制度(研修)を「導入している」企業は30.4%、「導入を予定、または検討中である」企業は21.6%だった。「導入しておらず、今後導入の予定もない」とする企業は4割だった。
3年前と比較した選抜型リーダー育成制度の選抜対象者の年齢層、対象層、育成期間はどれも「変わらない」とする企業が多かったが、大企業では年齢層が「下がった」、対象層を「広げた」割合が他の規模より多くなっていた(図表6)。

図表6 選抜型リーダー育成の取組み状況

グラフ

 

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※ 詳細データは 「企業と人材」2022年10月号(No.1116)にて掲載しています。

 

本リリースに関する取材などのお問い合わせ

株式会社産労総合研究所「企業と人材」編集部   担当:片上、原、片岡
TEL 03(5860)9795  MAIL edt-e@sanro.co.jp

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