2017年度 教育研修費用の実態調査

人事

教育研修費用の実態調査
掲載している雑誌:企業と人材

教育予算、実績額が前年度と比べ
いずれも2年連続で増加

人事労務分野の情報機関である産労総合研究所(代表・平盛之)は、このたび「2017年度(第41回)教育研修費用の実態調査」を実施しました。本調査は1976(昭和51)年より実施しており、今回で41回目となります。

 

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2017年度(第41回) 教育研修費用の実態調査
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調査回答企業における教育研修費用総額は、2016年度の予算額6,014万円、実績額5,273万円、2017年度の予算額が6,177万円で、前回の2016年度調査と比較するといずれも2年連続で増加した。1人当たりの教育研修費用では、2016年度実績額が37,177円となり、前回調査に比べて約1,500円アップした。
また、今回初めて調査を行った「マネジメント層の海外駐在員の教育・フォロー施策」では、海外駐在員を派遣している企業のうち、派遣前教育を実施している割合は、トップ層に対しては64.6%、ミドル層に対しては72.7%であった。

主なポイント

(1)教育研修費用総額と従業員1人当たりの教育研修費用

  • 教育研修費用総額の2016年度の予算額は6,014万円、実績額は5,273万円、2017年度の予算額は6,177万円で、前回調査と比較すると、いずれも2年連続で増加。
  • 従業員1人当たりの2016年度実績額は37,177円で、前回調査より約1,500円アップ。2017年度予算額は45,310円。

(2)教育予算の増減状況

  • 教育予算の対前年比をみると、「増加」したとする企業が50.4%で前回よりも4.2ポイント減少。平均増加率は20.7%。

(3)各種教育研修の実施状況

  • 「階層別研修」での実施率のトップは、例年どおり「新入社員教育」で93.2%。次いで、「新入社員フォロー教育」78.8%、「初級管理者教育」74.2%。
  • 「職種別・目的別研修」では、「OJT指導員教育」の実施率が最多で49.2%。次いで、「CSR・コンプライアンス教育」40.9%、「メンタルヘルス・ハラスメント教育」39.4%。

(4)マネジメント層の海外駐在員の教育・フォロー施策

  • 海外駐在員を「派遣している」企業は52.7%。その割合を規模別にみると、大企業の割合が最多の78.2%。業種別では、製造業が75.5%、非製造業が37.2%。
  • 海外駐在員を派遣している企業のうち、派遣前教育を実施している割合は、トップ層に対しては64.6%、ミドル層に対しては72.7%。

 

調査要領

上場企業および当社会員企業から任意に抽出した約3,000社に対して、2017年6月に調査票を郵送で依頼し、135社の回答を得た。

グラフ

 

用語の定義について

本調査でいう「教育研修費用(総額)」とは、次に掲げる各費用の合計額である。
[1]正社員を対象とした自社主催研修の会場費・宿泊費・飲食費
[2]外部講師費
[3]教材費
[4]外部教育機関への研修委託費およびセミナー・講座参加費
[5]eラーニング・通信教育受講費
[6]公的資格取得援助費
[7]研修受講者・社内講師の日当・手当・交通費
[8]事務局費
[9]その他これら以外の教育研修に必要な費用
   (ただし、研修受講者・教育スタッフの人件費は含まない)

ちなみに、厚生労働省が実施する「能力開発基本調査(企業調査)」では「教育訓練に支出した労働者1人当たり平均額」として、「Off-JTに支出した費用の1人当たり額」と「自己啓発支援に支出した費用の1人当たり額」が算出されており、2016年度調査はそれぞれ2.1万円、0.5万円となっている。

 

教育研修費用の実態調査 結果概要

[1]教育研修費用総額と従業員1人当たりの教育研修費用

(1)1社当たりの教育研修費用総額

1社当たりの教育研修費用総額は、2016年度は予算額6,014万円(前回調査5,548万円)、同実績額5,273万円(同4,944万円)であり、2017年度は予算額6,177万円(同5,786万円)である。調査対象が異なるため、前回調査と厳密な比較はできないが、いずれも2年連続で増加している。全体的に、企業規模による差が大きい(図表1)。
なお、前回調査から自社研修施設の保有の有無別の教育研修費用についても調査・集計している。2016年度実績額をみると「保有している」企業は6,972万円、「保有していない」企業は3,208万円と、2倍以上の開きがあった。

(2)従業員1人当たりの教育研修費用

従業員1人当たりの教育研修費用は、2016年度の予算額43,805円(前回調査41,839円)、同実績額37,177円(同35,662円)、2017年度予算額45,310円(同44,892円)で、予算、実績ともに前回調査を若干上回った。2016年度実績額を規模別にみると、1,000人以上企業(以下、大企業)39,837円(同40,679円)、300~999人企業(以下、中堅企業)36,180円(同37,326円)、299人以下企業(以下、中小企業)33,520円(同24,613円)となり、大企業、中堅企業は減少したものの、中小企業の増加の伸びは大きかった。(図表1)。

図表1 教育研修費用総額と従業員1人当たりの額(実績と予算)

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(注)
1.2016年度予算/実績と2017年度予算のすべてに回答があった企業について集計。ただし、総額が10億円以上および従業員1人当たりの額が3,000円以下と20万円以上の企業を除く。
2.本社のみ、あるいは事業所単位での回答企業については、その従業員の規模として集計。以下同じ。
3.「実績対予算の倍率」は、「2017年度予算÷2016年度実績」で算出。[ ]内は前回の倍率。
4.無回答は集計から除いているため、以下の各表で集計社数が異なることがある。

 

[2]教育予算の増減状況

各回答企業の2016年度と2017年度予算を比較してみると、予算が増加した企業は50.4%(前回調査54.6%)、減少した企業は29.6%(同25.5%)、増減なしの企業は20.0%(19.9%)と、増加した企業が前回よりも4.2ポイント減少している(図表2)。

予算が増加したと回答した企業の平均増加率は20.7%(同33.4%)で、分布をみると「60%以上」が5.2%(同15.6%)となるなど、前回と比べて増加率が低く抑えられている。一方、減少率の平均は12.2%(同16.2%)で、分布をみると、「5~10%未満」20.6%(同33.3%)、「60%以上」は皆無(同2.8%)など、減少率も前回より低めとなっている(図表3)。

図表2 2017年度教育予算の対前年度の増減状況

グラフ

(注)
1.2016年度予算/実績および2017年度予算のすべてに回答があった企業のみで集計。図表3も同じ。
2.教育研修費用総額における2016年度予算と2017年度予算の比較である。

図表3 2017年度教育予算の増加率および減少率の分布

グラフ

(注)
1.増加・減少率=[2017年度予算-2016年度予算]÷[2016年度予算]×100
2.図表2において、[増加]、または[減少]と回答した企業の予算増減率について分布をみたものである。

 

[3]各種教育研修の実施状況

2017年度の予算で実施する予定の教育研修についてみると、階層別教育で実施率の高いものとしては、「新入社員教育」が93.2%で例年どおりトップとなった。次いで、「新入社員フォロー教育」78.8%、「初級管理者教育」74.2%、「中堅社員教育」73.5%となっている(図表4、複数回答)。

次に、職種別・目的別教育についてみると、前回と同様「OJT指導員教育」の実施率が最も高く49.2%であった。次いで、「CSR・コンプライアンス教育」40.9%、「メンタルヘルス・ハラスメント教育」39.4%、「選抜型幹部候補者教育」38.6%とつづく(図表5、複数回答)。

図表4 2017年度に実施する階層別教育 (複数回答)

グラフ

図表5 2017年度に実施する職種・目的別教育(上位10項目・複数回答)

グラフ

 

[4]マネジメント層の海外駐在員の教育・フォロー施策

(1)今回の調査では、「マネジメント層の海外駐在員の教育・フォロー施策」についても聞いた。このテーマでの調査は、今回が初めてである。海外駐在員を「派遣している」企業は52.7%、「派遣していない」企業は47.3%であった。「派遣している」企業の割合を規模別にみると、大企業の割合が最多の78.2%。業種別では、製造業が75.5%であり、非製造業37.2%と比べて2倍以上高い(図表6)。

図表6 海外駐在員の派遣状況

グラフ

(2)世界を8つのエリアに分け、エリア別の拠点数および駐在員の人数について聞いたところ、全エリアの合計では、1社当たりの海外拠点数は平均9.9カ所となった。これらをエリア別にみると、海外拠点数がいちばん多いのは「中国以外のアジア、オセアニア」で4.3カ所。また、駐在員の総人数においても、「中国以外のアジア、オセアニア」が最多の18.2人であった。(図表7)。

図表7 エリア別にみた海外拠点数、および駐在員の総人数とトップ層・ミドル層の人数

グラフ

(3)海外駐在員を派遣している企業に「派遣前」、「駐在中」、「帰国後」の教育・フォローについて聞いたところ、教育派遣前の教育・フォローを実施している割合は、トップ層に対しては64.6%、ミドル層に対しては72.7%であった。駐在中については、トップ層43.8%、ミドル層49.1%。帰国後については、トップ層4.2%、ミドル層9.1%であり、派遣前の教育・フォローの実施率は高いが、帰国後の教育・フォローの実施率は著しく低い(図表8)。

図表8 トップ層/ミドル層に対する教育・フォローの実施状況(複数回答)

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※ 詳細データは 「企業と人材」2017年10月号(№1056)にて掲載しています。

 

本リリースに関する取材などのお問い合わせ

株式会社産労総合研究所「企業と人材」編集部   担当:石田、黒田、綿貫
TEL 03(5319)3605  MAIL edt-e@sanro.co.jp

※上記以前の調査結果については、「企業と人材」編集部 までお問い合せ下さい。

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