2013年度 教育研修費用の実態調査

人事

教育研修費用の実態調査
掲載している雑誌:企業と人材

民間のシンクタンク機関である産労総合研究所(東京都千代田区、代表 平盛之)が発行する定期刊行誌「企業と人材」(編集長 伊関久美子)では、1976年以来ほぼ毎年「教育研修費用の実態調査」を行っており、このほど2013年度調査(第37回)の結果がまとまりましたのでご報告します。

 

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調査結果のポイント

(1)従業員1人当たりの教育研修費用

  • 2012年度の実績額は1人当たり3万6,054円。規模間格差は縮小
  • 2013年度の予算額は1人当たり4万2,462円

(2)教育研修費用(総額)の今後の方向性

  • 教育投資の見通しについては、「現状維持」49.1%、「今後は増加」37.7%

(3)各種教育研修の実施状況

  • 実施率が高い教育研修は、階層別教育では新入社員、初級管理者が8割超、中堅社員教育も8割弱。 職種・目的別教育では選抜型幹部候補者教育が4割強で最多に

(4)グローバル人材育成に向けた施策

  • 約半数の企業が外国語習得に取り組む。内容は「自己啓発援助」のほか、 「社内講座の開講」、「語学資格取得奨励金」など

 

調査要領

【調査名】 「2013年度 教育研修費用の実態調査」
【調査対象】「企業と人材」誌読者から任意抽出した3,066社
【調査時期】2013年7月
【調査方法】郵送によるアンケート方式
【集計対象】締切日までに回答のあった107社

グラフ

 

用語の定義について

本調査でいう「教育研修費用(総額)」とは、次に掲げる各費用の合計額である。
[1]正社員を対象とした自社主催研修の会場費・宿泊費・飲食費
[2]外部講師費
[3]教材費
[4]外部教育機関への研修委託費およびセミナー・講座参加費
[5]eラーニング・通信教育受講費
[6]公的資格取得援助費
[7]研修受講者・社内講師の日当・手当・交通費
[8]事務局費
[9]その他これら以外の教育研修に必要な費用
   (ただし、研修受講者・教育スタッフの人件費は含まない)。

ちなみに、厚労省が実施する能力開発基本調査(企業調査)では「教育訓練に支出した労働者1人当たり平均額」として、「Off-JTに支出した費用の1人当たり額」と「自己啓発支援に支出した費用の1人当たり額」が算出されており、2012年度調査はそれぞれ1.4万円、0.4万円となっている。

 

調査結果の概要

(1)従業員1人当たりの教育研修費用

2012年度の実績額は1人当たり3万6,054円。規模間格差は縮小2013年度の予算額は1人当たり4万2,462円

2012年度の従業員1人当たり教育研修費用の平均額は、調査計で36,054円(前回調査32,034円)、1,000人以上企業で37,109円(同43,063円)、999人以下企業で35,021円(同25,842円)であった。

調査対象が異なるため前回調査との厳密な比較はできないが、今回調査では1,000人以上企業で平均額が下がった一方、999人以下企業で大きく上がり、規模間格差は縮小した。

また、2013年度の予算額は1人当たり42,462円(同39,888円)だった(図表1)。

1人当たり実績額の分布状況については、前回と同様、いずれの区分でも「1~3万円未満」が最多となったが、「3~5万円未満」も2割を超えている(図表2)。

図表1 教育研修費用総額と従業員1人当たりの額(2012年度実績および2013年度予算)

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(注) 1. 2012年度実績と2013年度予算の両方に回答があった企業について集計。ただし、総額が10億円以上および従業員1人当たりの額が3,000円以下と20万円以上の企業を除く。図表2も同じ。
    2. 本社のみあるいは事業所単位での回答企業については、その従業員の規模として集計。以下同じ。
    3. 「実績対予算の倍率」は、「2013年度予算÷2012年度実績」で算出。[ ]内は前回の倍率。
    4. 無回答は集計から除いているため、以下の各表で集計社数が異なることがある。

図表2 従業員1人当たりの教育研修費用の分布と平均額(2012年度実績)

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(2)教育研修費用(総額)の今後の方向性

教育投資の見通しについては、「現状維持」49.1%、「今後は増加」37.7%

教育研修費用(総額)について今後1~3年間の方向性をたずねると、「現状維持」が49.1%、「増加(かなり増加+やや増加)」37.7%、「減少(かなり減少+やや減少)」13.2%という結果であった。前回2012年度調査に比べ少し「増加」の割合が下がっているが、ほぼ同様の傾向といえよう。999人以下企業で増加の割合が高い(今回43.8%、前回47.2%)点も前回と同じであった(図表3)。

図表3 教育研修費用の今後の方向性

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(3)各種教育研修の実施状況

実施率が高い教育研修は、階層別教育では新入社員、初級管理者が8割超、中堅社員教育も8割弱。職種・目的別教育では選抜型幹部候補者教育が4割強で最多に

次に、2013年度に実施する教育研修について主な研修プログラムの実施率をみると、階層別教育では「新入社員教育」、「初級管理者教育」が8割を超える高い実施率となった。また、「中堅社員教育」は前回63.5%から77.4%に大きく上昇している(図表4、複数回答)。

他方、職種・目的別教育では、「選抜型幹部候補者教育」が43.4%で最多となっている(図表5、複数回答)。

図表4 2013年度に実施する階層別教育(複数回答)

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図表5 2013年度に実施する職種・目的別教育(複数回答)〔上位10項目〕

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(4)グローバル人材育成に向けた施策

約半数の企業が外国語習得促進に取り組む。内容は「自己啓発援助」のほか、「社内講座の開講」、「語学資格取得奨励金」など

今回の調査では、グローバル人材の育成に向けた取り組みについてもたずねている。

まず、外国語習得を促進する取り組みを行っている企業は50.5%。製造業では70.2%、非製造業では34.5%と、業種によって開きがある。実施内容としては、「自己啓発への費用援助」が67.9%で最多となったが、1,000人以上企業では有料ないし無料の「社内講座の開講」が、999人以下企業では「語学資格取得への奨励金」が、それぞれ4割を超えている(図表6)。

次に、海外研修については、実施企業は4社に1社(25.0%)にとどまる。ただし、今後実施予定とする企業(14.4%)も合わせると、全体の約4割がグローバル化に向けた海外研修に取り組んでいることとなる(図表7)。

図表6 外国語習得促進の取り組み

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図表7 グローバル人材育成に向けた海外研修

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※ 詳細データは 「企業と人材」2013年10月号にて掲載しています。

 

本リリースに関する取材などのお問い合わせ

株式会社産労総合研究所「企業と人材」編集部   担当:伊関、堀之内、原
TEL 03(3237)1615  MAIL edt-e@sanro.co.jp


※上記電話番号はリリース発表当時のものです。お問い合わせは 03-5860-9795 にお願いします。

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