七転び八起きの創造的看護管理

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七転び八起きの創造的看護管理
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看護管理の「いろは」も知らない著者が、いきなり管理職という仕事を請け負うことになり、遭遇してきた苦難をその時々に考察し乗り越えてきたプロセスを書きあらわしたものです。物事がうまくいかなかったことが失敗ではなく、それを辞めてしまったときが失敗であり、次ぎに改善すべき事柄を明確にしてくれる「宝の山」と考え行動した具体的事例を紹介し、結果とプロセスが自分はもちろん周囲も共に納得のいく、「自分流の看護管理」を解説しています。

■小宮美恵子 著
■A5判/298頁
■本体価格 2,000円
■ISBN 978-4-86326-201-0 C3047
■発行日 2015年8月30日

目次

  • はじめに
  • 第1章 中小規模病院の看護管理の現状と背景
    • 1 民間病院の看護現状スケッチ
    • 2 変化を嫌う看護師たち
    • 3 看護が見えない・看護が語れない
    • 4 組織は人なり
  • 第2章 「自分流」看護管理の礎―いしずえ―
    • 1 私を支えたノウハウ
    • 2 イノベーション・プロセス
    • 3 社会的組織人へのナビケーションが組織を変える
    • 4 人を育て、私を成長させた目標管理
    • 5 私の必須アイテム
  • 第3章 「七転び八起き」の諦めない挑戦
    • 1 「リアル感」を高める現場教育の魅力
    • 2 民間病院の教育文化をつくるために
    • 3 企業の戦略術から教えられた創造的看護管理~その1~
    • 4 企業の戦略術から教えられた創造的看護管理~その2~
    • 5 患者を守るため、職員を守るための危機管理
    • 6 患者と向き合う文化「医療メディエーション」
    • 7 看護現場のストレス・マネジメント
    • 8 看護師長のワーク・ライフ・バランス
    • 9 「管理職いろいろ」課題はどこにあるのか
    • 10 「チーム連携」看護師が担う役割とは
    • 11 医療従事者間の苦情・クレーム
    • 12 院内研修の効果に期待するもの
    • 13 会議運営のブラッシュアップ
    • 14 第三者病院機能評価Ver.6.0更新
    • 15 「組織づくり・人づくり」のモットー
    • 16 医療法第25条「立ち入り検査」のマンネリ化が払拭された!
    • 17 適正な医療提供と正しい法令の解釈
    • 18 企画・提案・チーム行動することに自己の価値を見いだして
    • 19 組織づくり・人づくりへの思い
  • 看護管理で困ったときはここを見てください
    • 改革はなぜ必要
    • 意識改革を促すには
    • セクト主義を打ち破るには
    • 「たたき上げ」を強みに変えるには
    • 組織風土を変えるには
    • 小規模を強みにした効率的組織運営とは
    • 目標管理で人を成長させるには
    • 「報・連・相」をうまく機能させるには
    • 現場実践を通じて教育を行うには
    • 納得のいくオリエンテーションとは
    • 一般企業の経営戦略を病院として学ぶとは
    • 「医療安全マニュアル」を使われるファイルにするためには
    • 患者と信頼関係をつくるには
    • 看護師のストレスを解放するには
    • ワークとライフの質の高い共存を目指すには
    • 成功する看護管理者になるためには
    • 本当のチーム連携とは
    • 看護師の専門性向上とローテーションを両立させるには
    • 院内教育で知的生産性を向上させるには
    • 「長い」、「決まらない」会議にさせないためには
    • 病院機能評価受診で「組織づくり・人づくり」を行うには
    • 看護現場と看護管理の距離を縮めるには
    • 「立ち入り検査」を職場活性化に結び付けるには
    • 「適時調査」を良い意味で緊張感を高めるために活用するには
    • 目標管理で改善を「見える化」させるには
    • 「武勇伝」を課題解決に活かすには

はじめに

本書は、看護管理の「いろは」も知らない私が、いきなり管理職という仕事を請け負うことになり、遭遇してきた苦難をその時々に考察し、乗り越えてきたプロセスを書き記したものです。書籍化に当たり、『師長主任業務実践(現『看護のチカラ』)』(産労総合研究所)で連載をした「中小規模病院の組織づくり・人づくり」、「おせっかい看護部長の腕まくり」を加筆、修正し、再構成いたしました。連載は「いろいろな看護管理」がある中で、自分流の看護管理を書きおろしたものです。
中小民間病院の看護部長の日常に焦点を当て、民間病院ならではの問題を、実話をとおして描きました。理論や原理は少し棚上げして、身近な問題に「人と人がどのように関係し合っているのか」を少し深く考えて行動した自分流の看護管理は、幸運にも皆さんから共鳴を受け、連載をきっかけに組織改革や組織運営に悩みを抱える管理職の方々との交流が始まり、思いがけない人脈という財産を得ました。
あらためて看護管理職に就いてからの15年を回想してみますと、過去も現在も波乱万丈、一難去ってまた一難の、「看護管理者修行」に尽きるものでした。
私の看護管理者としてのキャリアは、踏み入れたことのなかった民間病院で幕が上がりました。育ってきた看護現場の環境とは風土も習慣も大きく異なる空気の中で、「異色の人間」として扱われることも多々ありました。しかし、看護職としての気品や品格など無縁とも思える群れの中から逃げ出すこともせず、良くも悪くも人間らしさをむき出しにした人間模様とその成り立ちをくみ取りながら、誇り高くあるべき看護職の姿や姿勢について考え続けてきました。これは、私にとって貴重な経験です。
社会の一つのくくりである組織の一人として、そして専門職と呼ばれる看護職の一人として、人が人を看ること、人が人を育てることに対する厄介な関係性に大きな不安を抱き、それでもその厄介な人に助けられ、支えられて自分自身の成長と成果をつかんできたことは、私自身が「生きた証」と言い換えられるほどの、誇りとやりがいを授かることとなりました。
「継続は力なり」のことわざに習い、「昨日より今日、今日より明日」と一歩一歩の進歩に賭けてきたことが、今の私を築いたと思うのです。たくさんの失敗がありましたが、物事がうまくいかなかったことが失敗ではなく、それを辞めてしまったときが失敗というべきなのだと、自分に言い聞かせてきました。失敗というのは、次に改善すべき事柄を明確にしてくれる「宝の山」と考えたことが、ポジティブな発想を生みだしてきたと思うのです。
本書は誰にでもできる、ごくごく当たり前の取り組みばかりを掲載していますが、私が皆さんに最も伝えたいことは、「取り組んだ結果は、自分はもちろん、周囲も共に納得のいくものであるべきであり、さらにはプロセスを通じで受け止めることが最も大切だということ」です。それが私にとって看護管理の全てに心掛けてきた「自分流の看護管理」であることを申し添えておきたいと思います。
第3章の実践事例においては、まだまだ未熟な経緯や結果でもありますし、着手できていない課題もありますが、今後も泣いて笑って、さまざまな人と人の良好な関係にこだわり続ける看護管理を実践していきたいと考えています。
どの章からでも読めるように構成しましたので、時間を貴重なアイテムとしている忙しい皆さまにとって、少しでも日常の一助となれば幸いです。

小宮 美恵子

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