医療事故緊急対応マニュアル

医療

病院経営・管理
医療事故緊急対応マニュアル

■大江 和郎・著
■四六判・239頁
■税込価格 2,200円
■ISBN 978-4-86326-044-3 C3047
■発行日 2009年5月

目次

第1章 医療行為とは
  1   危機的状況の発生に備えて
  2   医師の医療行為が傷害罪に問われない理由
  3―1 医療はサービス業 ―医療は第三次産業―
  3―2 医療はサービス業 ―サービスの違い―
  4   医師の説明責任の重みを知る
  5   異状死と届出義務

第2章 医療事故と報道機関・報道記者
  6   緊急時における広報対応
  7   記者が来た!さぁ~どうしよう
  8   報道機関・記者の特性
  9―1 報道機関・記者の実態 ―事実を報道しない記者―
  9―2 報道機関・記者の実態 ―他人の不幸は蜜の味―
  9―3 報道機関・記者の実態 ―スポンサーと記事への影響―
  9―4 報道機関・記者の実態 ―偏った報道と謝罪しない新聞社―
  9―5 報道機関・記者の実態 ―謝罪者をいじめるマスコミ―
  9―6 報道機関・記者の実態 ―遂に知り得た報道の実態―
  9―7 報道機関・記者の実態 ―未成年者なのに実名報道―
  10   よく使用される語句と禁句
  11   報道機関配布用資料 ―プレスリリース―
  12   プライバシーの侵害

第3章 記者会見と記者
  13―1 記者会見 ―記者会見は本当に必要か―
  13―2 記者会見 ―会見決定~会見開始直前まで―
  13―3 記者会見 ―記者会見開始~終了まで―
  13―4 記者会見 ―その他の注意事項―
  13―5 記者会見 ―記者会見の司会進行手順例―
  13―6 記者会見 ―記者会見の悪い例―
  14   想定問答集作成のすすめ
  15   マスコミとの付き合い方
  16―1 マスコミ対応の心得 ―文書による回答対応―
  16―2 マスコミ対応の心得 ―対応の諸ポイント―

第4章 情報の漏洩
  17―1 事故の教訓 ―JR西日本脱線事故の場合―
  17―2 事故の教訓 ―NHK不祥事事件続発の場合―
  17―3 事故の教訓 ―エレベーター死亡事故の場合―
  17―4 事故の教訓 ―岐阜県裏金問題事件の場合―
  17―5 事故の教訓 ―日テレ社長辞任の場合―
  18―1 内部告発 ―社会環境の変化―
  18―2 内部告発 ―3人寄れば漏洩の危機―
  19   公益通報者保護法
  20   個人情報保護法に基づくマスコミへの情報提供
  21   ニード・トゥ・ノウ
  22   医療事故に伴う経済的損失 ―1件の医療事故により生ずる損失―

第5章 医療訴訟
  23   訴訟と和解 ―現状と和解―
  24   訴訟の回避 ―訴訟化の回避―
  25   医療訴訟
  26   被告人の立場
  27   起訴・不起訴の分かれ目

第6章 医師および医療機関の務め
  28   講演会での違和感はなぜなのか
  29   一般市民の意識
  30   職員の不祥事と逮捕
  31   コンプライアンスとCSR
  32   新たなビジネスモデル

第7章 医療の原点
  33   医学教育と製造物責任
  34   医の心

第8章 付 録
  35   知っておくと使えるマスコミ対応語句集

はじめに

以前ほど報道されなくなってきましたが、医療事故あるいは医療訴訟のニュースは感心が高いこともあって、ひとたび発生すると大きく取り上げられます。「明日はわが身」という言葉がありますが、本当にいつ、なんどき自分の身に降りかかってこないとも限りません。当院だけは絶対に医療事故が発生しないという保証など全くないのです。ここ数年医療安全対策に取り組む医療機関も増えてきており、表向き報道される事故も減ってきたように感じますが、「医療は不確実性のもの」と言われ、絶対起こらないということはありません。大きな事故や社会的関心の高い事故ほど、マスコミが大挙押し寄せ取材の対応を迫られることになります。だからと言って、事前にマスコミ対策を準備している医療機関は少ないものと思われます。しかし、研修会や講習会等に出席してみて常々感じることは、参加している多くの医療機関の「万一危機が発生した場合の対処」に不安を抱いていることです。 雪印事件や記憶に新しい不二家消費期限切れ原材料使用事件の危機管理対応が日々取り上げられ、対応のまずさが企業存亡に影響を及ぼしかねないことから、一般企業において専門部署による危機管理が常識となっています。医療機関は昔からパターナリズム主義による診療で、表立って訴訟に至るケースは少なかった。しかし、患者の権利意識の向上、パターナリズムの崩壊などにより納得のいかない治療に対して裁判に訴えるケースが年々増加してきました。一方、終身雇用の崩壊、リストラ等により帰属意識の希薄化に伴って、内部告発による不正行為の暴露も多発するようになってきています。このような社会状況において、今後、より一層危機管理対策が医療機関に求められていますが、書店を覗いても弁護士や企業コンサルタントが執筆した一般企業向けの危機管理書籍はあっても、医療機関向けの、かつ実際に危機に遭遇した医療機関側から書かれた書籍は皆無といってもいいと思います。また、医療機関に広報室を設置するところは多いですが、これらの業務は主に広報誌を担当する部署であって、医療事故等に関する対メディアの業務を担当するところは非常に少ないものと思われます。 このような状況において、過去筆者が経験したマスコミ対応や、医療裁判傍聴等を踏まえて、報道関係者の特性や医療裁判の現状、医療機関としての対処法等々紹介することで、医療事故発生時の対処の参考となれば幸いです。

著者紹介

■大江 和郎(おおえ わろう)・・・1975年明治大学法学部法律学科卒業。東京女子医科大学庶務課入職。医事課長補佐、看護部課長、学事課長、学長室長、広報室長を歴任。2006年付属成人医学センター事務長。

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