2011年度 育児・介護支援制度の最新実態

人事

育児・介護支援制度に関する調査
掲載している雑誌:

定期刊行誌「人事実務」を刊行するシンクタンク機関の株式会社産労総合研究所(東京都千代田区、代表 平 盛之)は「育児・介護支援制度の最新実態」の2011年度調査結果をとりまとめた。その概要を紹介する。

 

調査結果のポイント

(1)育児休業の最長期間:大企業では6割が法定を上回る

(2)法定育児休業期間の賃金:ほとんどが育児休業給付金だより

(3)育児短時間勤務中の勤務時間:大企業では複数のシフト

(4)介護休業の最長期間:全体では3割弱、大企業では6割が法定を上回る
   最長1年とする企業は7割超

(5)法定介護休業期間の賃金:約4割弱が賃金を支給

 

調査要領

<育児支援制度>

グラフ

<介護支援制度>

グラフ

 

調査結果ハイライト

(1)育児休業の最長期間:大企業では6割が法定を上回る

法定の育児休業期間は、原則は子どもが満1歳に達するまでで、両親ともに休業するときは1歳2カ月まで、保育所に入れないなど一定の要件を満たす場合は1歳6カ月までとなっている(育介法5条、9条の2)。
実際に企業が定めている育児休業期間の最長期間をみると、やはり、法定どおりとする企業が77.3%と8割近くに上る。しかし、期間の長さは、規模による差が大きく、1,000人以上規模(以下、大企業)では41.0%と、法定どおりの企業は4割程度で、6割弱(59.0%)の企業は法定を上回っている。これに対して、300~999人規模(以下、中堅企業)では89.2%、299人以下規模(以下、中小企業)では88.8%と、9割近くが法定どおりとなっている。

図1 育児休業期間の最長期間

グラフ

(2)法定休業期間の賃金:ほとんどが育児休業給付金だより

法定の育児休業期間中の月例賃金の取扱い、すなわち所得保障の状況をみると、支給する(何らかの所得保障を行っている)企業は5.6%(14社)にすぎず、9割台半ばの94.4%の企業は何も支給していなかった。比較的手厚い支援制度をもっている大企業でさえ16.7%(10社)が支給しているにすぎず、中堅以下企業ではわずか数パーセントであった。育児休業中の所得は専ら育児休業給付金だよりということになる。

図2 休業中の賃金の扱い

グラフ

(3)育児短時間勤務中の勤務時間:大企業では複数のシフト

改正育介法により、3歳未満の子どもを養育する社員が希望したときには、企業(事業主)は、「1日の所定労働時間を原則として6時間とする措置を含む」育児短時間勤務制度を設けることが義務づけられた。
各社の勤務時間の定め方をみると、法定の原則である6時間のみが55.4%、それ以外の勤務シフトがあるが44.6%で、法定どおりがやや多い。ただ、規模別にみると、大企業では、法定どおりは24.6%と4分の1にすぎず、75.4%が複数のシフトを用意しているのに対して、中小企業では、反対に法定どおりが7割(71.0%)で、それ以外のシフトがある企業は3割(29.0%)にすぎない。

図3 育児短時間勤務制度の勤務時間

グラフ

(4)介護休業の最長期間:全体では3割弱、大企業では6割が法定を上回る。最長1年とする企業は7割超。

法定の介護休業期間は、対象家族1人につき通算93日とされている(育介法11~15条)。
実際に企業が定めている介護休業期間の最長期間をみると、法定の93日とする企業が7割(70.6%)、法定を上回る企業が3割(29.4%)であった。企業規模別にみると、法律の施行前から介護休業制度を導入している先駆的な企業が多かった大企業では、60.0%と6割の企業が法定期間を上回っている。これに対して、999人以下企業では法定どおりとする企業が8割を超えており、中堅企業では80.7%、中小企業では80.4%が法定どおりであった。

図4 介護休業期間の最長期間

グラフ

(5)介護法定休業期間の賃金:約4割弱が賃金を支給

法定の介護休業期間中の月例賃金の取扱い、すなわち所得保障の状況をみると,支給する(何らかの所得保障を行っている)企業は37.1%と、4割弱の企業が支給している。育児休業中の保障状況に比べると、介護休業については支給する企業割合がかなり高い。

図5 休業中の月例賃金の扱い

グラフ

※ 詳細データは「人事実務」2011年11月号、12月号にて掲載しています。

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