2021年度 新規学卒者の採用活動に関する調査

人事

新規学卒者の採用活動に関する調査
掲載している雑誌:企業と人材

採用活動で新型コロナの影響があったとする企業は「採用活動」で7割強、「採用方法」で8割強

人事労務分野の情報機関である産労総合研究所(代表・平盛之)は、この度、「2021年度 新規学卒者の採用活動に関する調査」を実施しました。本調査は、主に、2021年3月卒業予定者に対する採用活動の状況について聞いたもので、2016年から5年ぶりの実施となります。

 

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調査結果のポイント

1. 採用活動の状況と新型コロナウイルスの影響

  • 2021年3月卒業予定者に対して「採用活動を行った」企業は94.5%。うち、「大学卒を採用」した企業は91.4%。
  • 今期の採用計画に対する採用人数が「計画よりも少ない採用人数となった」企業は3割弱。
  • 採用活動において新型コロナウイルス感染拡大の影響があったとする企業は、「採用計画」で45.4%、「採用人数」で27.7%、「採用活動」で72.7%、「採用方法」で81.4%。

2. 採用時期と採用区分

  • 2021年3月卒業予定者の採用時期は、「春季のみ採用」が65.6%と最も多く、次いで「通年採用(年間を通じて随時)」。
  • 採用区分としては(複数回答)、「一括採用」が47.8%で最も多い。「エージェントを利用した採用」は6.8%、「リファラル採用」は8.3%だった。

3. 採用活動でかかった費用

  • 2021年3月卒業予定者への採用活動でかかった費用の総額は、平均で1,083.8万円。採用者1人あたりにかかった費用は平均46.0万円。
  • 採用活動にかかった費用総額が、「昨年より増えた」とする企業は16.4%、「昨年より減った」とする企業は46.3%。

4. 採用活動でのウェブの活用

  • 2021年3月卒業予定者に対する採用活動をウェブ上で実施した企業は85.2%。うち、「コロナ禍によりはじめてウェブ上で実施した」企業は72.2%。
  • 採用活動においてウェブをすべてで活用した割合は、「会社説明会」46.0%、「面接」28.9%、「内定式」37.7%、「内定者フォロー」48.9%。

5. インターンシップの実施状況

  • 2021年3月卒業予定者へのインターンシップを実施した企業は74.1%で、平均実施人数は164.6人。
  • インターンシップの実施時期は、「夏休み期間」、「冬休み期間」が多く、期間としては「1日」が8割弱。

 

調査要領

【調査名】  「2021年度 新規学卒者の採用活動に関する調査」
【調査対象】 全国1・2部上場企業および当社会員企業から任意に抽出した約3,000社
【調査時期】 2021年1〜2月
【調査方法】 郵送によるアンケート調査方式
【集計対象】 締切日までに回答のあった344社について集計

集計企業の内訳

グラフ

 

調査結果の概要

1. 採用活動の状況と新型コロナウイルスの影響

(1)2021年3月卒業予定者への採用活動の有無と採用人数

2021年3月卒業予定の新規学卒者に対して「採用活動を行った」企業は94.5%である。学歴別にみると、「大学院卒を採用」した企業は46.5%、「大学卒を採用」は91.4%、「短大・高専・専門学校卒を採用」は39.1%、「高校 卒を採用」は54.5%だった。
2021年3月卒業予定者への採用計画に対する採用人数をみると、「ほぼ計画どおりの人数を採用した」とする企業が61.1%で最も多かったが、「計画よりも少ない採用人数となった」とする企業も27.8%と3割弱あった。計画よりも少ない採用となった企業は299人以下企業に多い。

図表1−1 新規学卒者に対する採用活動の有無と学歴別にみた採用の有無

グラフ

 

(2)採用活動における新型コロナウイルス感染拡大の影響

採用活動において新型コロナウイルス感染拡大の影響があったとする企業は、「採用計画」で45.4%、「採用人数」で27.7%、「採用活動」で72.7%、「採用方法」で81.4%だった。
採用活動について影響があったとする企業の影響内容では、「採用活動の時期を遅くした(後ろ倒しにした)」が43.6%、「採用活動を一時中止した」が41.0%、「採用活動の時期を早めた(前倒しした)」は6.0%だった。採用方法について影響があったとした企業のうち、その内容が採用活動の「オンライン化・ウェブ化」とする企業は90.5%にのぼった。

図表1−2 採用活動で新型コロナウイルス感染拡大の影響があったとする企業の割合

グラフ

 

2. 採用時期と採用区分

(1)2021年3月卒業予定者の採用時期

2021年3月卒業予定者の採用時期では、「春季のみ採用」が65.6%で最も多く、次いで「通年採用(年間を通じて随時)」18.6%となった。2016年調査と比較すると、「年3~4回採用」がわずかに増加しているものの、大きな傾向の変化はみられない。
企業規模別にみると、300~999人企業では「春季と秋季の2回採用」が、299人以下企業では「通年採用(年間を通じて随時)」が、ほかより高くなっている。

図表2−1 新規学卒者の採用時期

グラフ

 

(2)2021年3月卒業予定者の採用時区分

採用区分についてみると(複数回答)、「一括採用」が47.8%で最も多く、次いで「コース別採用」34.6%、「職種別採用」30.9%などとなっている。
本調査ではじめて項目に追加した「エージェントを利用した採用」は6.8%、「リファラル採用」は8.3%、「逆求人型の採用」は4.0%、「高度専門人材・プロフェッショナル人材の採用」は2.5%だった。

図表2−2 新規学卒者の採用区分(複数回答)

グラフ

 

3. 採用活動でかかった費用

(1)採用活動でかかった費用総額と採用者1人あたりにかかった費用

2021年3月卒業予定者の採用活動でかかった費用の総額は平均で1,083.8万円である。企業規模別にみると、1,000人以上企業(2,161.2万)の総額は中堅企業(611.4万円)の約3.5倍、中小企業(325.0万円)の約6.6倍となっている。
採用者1人あたりにかかった費用は平均46.0万円で、企業規模別にみると、1,000人以上規模は44.3万円、300~999人企業は47.8万円、299人以下企業は45.8万円と、大きな差はなかった。採用した人数別にみると、採用人数「1~9人」で61.2万円、「200人以上」で18.3万円と、人数が増えるにしたがって減少傾向がみられる。

図表3−1 採用者1人あたりにかかった採用活動費用の平均額

グラフ

 

(2)昨年と比較した採用活動費用総額の変化

採用活動にかかった費用総額について昨年との比較をみると、「昨年より増えた」とする企業は16.4%、「昨年と変わらない」は37.0%、「昨年より減った」は46.3%だった。
企業規模別にみると、1,000人以上企業、300~999人企業では「昨年より減った」とする企業が、299人以下は「昨年と変わらない」とする企業が多く、業種別にみると、製造業・非製造業とも「昨年より減った」とする企業が多かった。

図表3−2 昨年と比較した採用活動費用総額の変化

グラフ

 

4. 採用活動でのウェブの活用

(1)採用活動のウェブ上(オンライン上)での実施

採用活動を「ウェブ上で実施した」企業は85.2%で、大企業では98.5%と、ほとんどの企業がウェブを活用していた。うち、「コロナ禍以前からウェブ上で実施していた」企業は8.7%、「コロナ禍によりはじめてウェブ上で実施した」企業は72.2%と、多くがコロナ禍を機に採用活動にウェブを導入したようである。

図表4−1 採用活動のウェブ上(オンライン上)での実施の有無

グラフ

 

(2)採用活動でのウェブの活用

採用活動でウェブを活用した企業に対して、どこでどのくらい活用したのかを聞いたところ、面接で「すべてで活用」した企業は28.9%、「一部で活用」した企業は66.7%、内定式で「すべてで活用」した企業は37.7%、「一部で活用」した企業は12.5%などとなっている。
面接においてウェブを「すべてで活用」、「一部で活用」と回答した企業で、ウェブ上で面接を行うにあたって面接官へのトレーニングを実施した企業は1割強だった。

図表4−2 採用活動でのウェブの活用

グラフ

 

5. インターンシップの実施状況

(1)インターンシップの実施の有無

2021年3月卒業予定者に対してインターンシップを「実施した」企業は74.1%だった。インターンシップの対象者は、「大学(理系)」、「大学(文系)」が8~9割と高くなっている。
インターンシップを実施した企業の平均実施人数は164.6人だった。

図表5−1 インターンシップの実施の有無と対象者の学歴

グラフ

 

(2)インターンシップの実施時期と期間

インターシップを実施した時期は(複数回答)、「夏休み期間」の66.8%が最も多く、次いで「冬休み期間」57.3%、「随時」26.1%、「春休み期間」22.1%だった。
インターンシップの期間では(複数回答)、「1日」の79.9%が最も多く、次いで「2日~1週間未満」37.8%となっている。

図表5−2 インターンシップの実施時期(複数回答)

グラフ

 

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株式会社産労総合研究所「企業と人材」編集部 担当:片上、伊関
TEL 03(5860)9795  MAIL edt-e@sanro.co.jp

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