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日頃、顧問・コンサルティング・講演などの実務で活躍されている中小企業診断士、社会保険労務士、弁護士の3人の著者が、企業の労務トラブル防止のために、まず中小企業診断士の経営観点からコミュニケーションを中心とした企業風土づくりでトラブル発生の芽をなくし、次に社会保険労務士がトラブルを発生させないためのルール(規程)を紹介し、最後に弁護士がやむなく発生した場合にリスクを最小限に抑えるための事前・事後対策を解説しています。 ■中井嘉樹・古川政明・岡﨑隆彦 共著 |
現在、企業は人的資源に関して大きく2 つの困難に直面しています。ひとつは、少子高齢化に伴う労働人口の減少による人材の確保と定着の困難で、もう1 つは、労働者の権利意識の高まりによるマネジメントの対応の難しさです。そして、この2 つの流れはますます激しさを増し、将来にわたって止まることはないだろうと思われます。
これに対して各企業は、人的資源に対するさらなる高度なマネジメントスキルが要求されると同時に、上司・人事部門・法務部門が連携を取りながら段階的に対応し、組織的に進めて行く体制に転換することが急務です。そして、上司・人事部門・法務部門が実際にお互いの役割を理解し合い、協力する必要があります。
本書の意図するところは、以下の3 つにまとめることができます。
(1) できれば法的な問題にならないように、可能な限りコミュニケーションや指導で回避する。
(2) 将来にやむを得ず法的な争いになった場合でも、会社ができるだけ不利にならないように、事前にポイントを理解しながら対応を進める。
(3) 問題が発生したら、徹底的にその原因を究明して2 度と問題が発生しないように予防的措置をとる。
以上を3 士業の立場から考えるものです。
本書における3 士業の立場(視点)としては下記になります。
(1) 中小企業診断士としては、「上司と部下」の立場からの、現場における指導育成とコミュニケーション(現場での指導育成によって、問題を解決・おさめる)
(2) 社労士としては、「労使」関係に立脚した、人事等の管理部門における取るべき対応と視点(法令面を満たしながら、それでいて問題を大きくしないように内々で収める)
(3) 弁護士としては、将来の「係争」関係を想定し、法的に不利にならないようにするための具体的対応と予防策の提案
同じテーマであっても上記のそれぞれの視点から見ることにより、多面的に問題意識を持ち、多様な視点から考えていただくことができるものと考えます。その意味で、タイトルの「多面的」労務管理をご理解いただければ幸いです。
本書の構成は、テーマ毎に、3 士業がそれぞれの立場から現実的・実践的な対応策を示すものです。
例として、テーマ総数18( 6 分野で各3 テーマ)を挙げています。
本書は、当初から上記の目的と視点で企画しまとめられていますが、「多面的」という本書の特徴を活かすため、執筆に際してはあえて執筆者間の事前調整はせず、それぞれの観点や切り口から記されたものになっています。
専門家も立場が違えば、ものの見方や考え方、問題への取り組み方が異なりますし、同業であっても専門家の個性により問題の分析や処理の手法も様々です。本書は、経営改善のための方向を示そうとするものですが、あくまでも一例とお考えください。
大切なことは、あるべき経営改善の方向について経営者・管理者の皆さまに自分の頭でしっかり考えていただき、多様な選択肢を挙げて柔軟に取り組んでいただくことと考えます。その際には、本書の多面的な視点がお役に立てるものと確信します。本書が皆様の経営改善の試みに対しまして、少しでも刺激や示唆を与えることができるものであれば、執筆者として幸甚に存じます。
最後に、テーマ設定への助言を含めて常に編集上のお世話をしていただいた株式会社産労総合研究所出版部 経営書院の皆様に感謝を申し上げます。
中井嘉樹、古川政明、岡﨑隆彦
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日頃、顧問・コンサルティング・講演などの実務で活躍されている中小企業診断士、社会保険労務士、弁護士の3人の著者が、企業の労務トラブル防止のために、まず中小企業診断士の経営観点からコミュニケーションを中心とした企業風土づくりでトラブル発生の芽をなくし、次に社会保険労務士がトラブルを発生させないためのルール(規程)を紹介し、最後に弁護士がやむなく発生した場合にリスクを最小限に抑えるための事前・事後対策を解説しています。 ■中井嘉樹・古川政明・岡﨑隆彦 共著 |