2015年度 教育研修費用の実態調査

人事

教育研修費用の実態調査
掲載している雑誌:企業と人材

人事労務分野の情報機関である産労総合研究所(代表・平盛之)は、このたび「2015年度(第39回)教育研修費用の実態調査」を実施しました。本調査は1976(昭和51)年より実施しており、今回で39回目となります。

 

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2015年度(第39回) 教育研修費用の実態調査
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 調査回答企業における教育研修費用総額は、2014年度の予算額5,458万円、実績額4,533万円、2015年度の予算額が5,651万円で、前回調査と比較すると、いずれもほぼ横ばいであった。1人当たりの教育研修費用では、2014年度実績額が36,877円となり、前回調査に比べて約15%アップした。
 また、2012年度以来3年ぶりに調査した「研修内製化への取組状況」については、「内製化に取り組んでいる」企業は67.4%でやや減少。内製化の課題としては、「社内講師となる人材の不足」などがあげられた。

主なポイント

(1)教育研修費用総額と従業員1人当たりの教育研修費用

  • 教育研修費用総額の2014年度の予算額は5,458万円、実績額は4,533万円、2015年度の予算額は5,651万円で、前回調査と比較すると、いずれもほぼ横ばい。
  • 従業員1人当たりの2014年度実績額は36,877円で、前回調査と比較して15.2%増加。2015年度予算額は47,170円。

(2)教育予算策定の際の基準

  • 教育研修費用予算を策定する際に最も優先した基準は、「前年度の実績額」が43.8%で最多。

(3)教育予算の増減状況

  • 教育予算が対前年度比で増加した企業は48.7%で、前回調査よりやや割合は下がっているものの、全体として予算を増やした企業が多い。

(4)各種教育研修の実施状況

  • 「階層別研修」で実施率が高いものは、例年どおり「新入社員教育」、「新入社員フォロー教育」。
  • 「職種別・目的別研修」では、「メンタルヘルス・ハラスメント教育」、「OJT指導員教育」、「CSR・コンプライアンス教育」で実施率が4割超。

(5)研修内製化への取組状況

  • 研修内製化に「取り組んでいる」企業は67.4%で、前回調査(2012年度)と比べるとやや減少。
  • 内製化に取り組むなかでの課題は、「社内に講師になれる人材が不足し、育成にも時間がかかる」が44.6%で最多。

 

調査要領

上場企業および当社会員企業から任意に抽出した約3,000社に対して、2015年7月に調査票を郵送で依頼し、139社の回答を得た。

グラフ

 

用語の定義について

本調査でいう「教育研修費用(総額)」とは、次に掲げる各費用の合計額である。
[1]正社員を対象とした自社主催研修の会場費・宿泊費・飲食費
[2]外部講師費
[3]教材費
[4]外部教育機関への研修委託費およびセミナー・講座参加費
[5]eラーニング・通信教育受講費
[6]公的資格取得援助費
[7]研修受講者・社内講師の日当・手当・交通費
[8]事務局費
[9]その他これら以外の教育研修に必要な費用
   (ただし、研修受講者・教育スタッフの人件費は含まない)

ちなみに、厚生労働省が実施する「能力開発基本調査(企業調査)」では「教育訓練に支出した労働者1人当たり平均額」として、「Off-JTに支出した費用の1人当たり額」と「自己啓発支援に支出した費用の1人当たり額」が算出されており、2014年度調査はそれぞれ1.4万円、0.6万円となっている。

 

教育研修費用の実態調査 結果概要

[1]教育研修費用総額と従業員1人当たりの教育研修費用

(1)1社当たりの教育研修費用総額

1社当たりの教育研修費用総額は、2014年度は予算額5,458万円(前回調査5,410万円)、同実績額4,533万円(同4,566万円)であり、2015年度は予算額5,651万円(同5,741万円)である。調査対象が異なるため、前回調査と厳密な比較はできないが、いずれもほぼ横ばいの水準である。全体的に、企業規模による差が大きい。業種別に2014年度実績額をみると、製造業5,403万円、非製造業3,984万円で、製造業が1,400万円以上も上回っている(図表1)。

(2)従業員1人当たりの教育研修費用

従業員1人当たりの教育研修費用は、2014年度の予算額46,764円(前回調査38,337円)、同実績額36,877円(同32,010円)、2015年度予算額47,170円(同40,684円)で、予算、実績ともに前回調査を上回った。実績額でみると、金額で4,867円、率にして15.2%増加している。大企業に限ってみれば、43,775円(前回33,735円)と約1万円アップしている(図表1)。

図表1 教育研修費用総額と従業員1人当たりの額(実績と予算)

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(注)
1.2014年度予算/実績と2015年度予算のすべてに回答があった企業について集計。ただし、総額が10億円以上および従業員1人当たりの額が3,000円以下と20万円以上の企業を除く。
2.本社のみ、あるいは事業所単位での回答企業については、その従業員の規模として集計。なお、前回調査との比較のため、一部の表では〈999人以下〉の区分でも集計している。以下同じ。
3.「実績対予算の倍率」は、「2015年度予算÷2014年度実績」で算出。[ ]内は前回の倍率。
4.無回答は集計から除いているため、以下の各表で集計社数が異なることがある。

 

[2]教育予算策定の際の基準

教育研修費用予算を策定する際に最も優先した基準としては、「前年度の実績額」が43.8%(前回調査42.3%)で最も多く、次いで、「毎年の必要額をゼロベースで積み上げる」の23.4%(同31.7%)となっている。前回調査と比較すると、「ゼロベースで積み上げる」が減少し、「前年度の予算額」が増加している。
前々回の調査までは「ゼロベースで積み上げる」が最多であったが、前回から「前年度の実績額」が大きく上回るようになり、今回は大企業では60.4%(同50.0%)と突出して高くなっている(図表2)。

図表2 教育研修費用予算を策定する際に最も優先する基準

グラフ

(注)「その他」の内訳:前年度の予算・実績、毎年の必要額を総合的に/研修対象者の人数/実地実績(教育内容)を基準に改廃

 

[3]教育予算の増減状況

2015年度予算の対前年度の状況をみると、予算が増加した企業は48.7%(前回調査55.0%)、減少した企業は32.7%(同34.6%)、増減なしの企業は18.6%(10.3%)となっている。前回より割合は下がったものの、全体としては予算を増やした企業が多い(図表3)。

予算が増加すると回答した企業の平均増加率は24.8%で、増加率の分布をみると、「5~10%未満」が30.9%で最も多い。一方、減少するとした企業の平均減少率は19.1%で、減少率は「10~20%未満」35.1%、「20~40%未満」21.6%が多くなっている(図表4)。

図表3 2015年度教育予算の対前年度の増減状況

グラフ

(注)
1.2014年度予算/実績および2015 年度予算のすべてに回答があった企業のみで集計。図表4も同じ。
2.教育研修費用総額における2014年度予算と2015年度予算の比較である。

図表4 2015年度教育予算の増加率および減少率の分布

グラフ

(注)
1.増加・減少率=〔2015年度予算-2014年度予算〕÷〔2014年度予算〕×100
2.図表3において、「増加」、または「減少」と回答した企業の予算増減率について分布をみたものである。

 

[4]各種教育研修の実施状況

2015年度の予算で実施する予定の教育研修についてみると、階層別教育で実施率の高いものとしては、「新入社員教育」が88.9%で例年どおり最多。これに、「新入社員フォロー教育」71.1%、「中堅社員教育」68.9%、「初級管理者教育」68.1%などが続く(図表5、複数回答)。

次に、職種別・目的別教育についてみると、実施率が4割を超えるものとしては、「メンタルヘルス・ハラスメント教育」47.4%、「OJT指導員教育」41.5%、「CSR・コンプライアンス教育」40.7%となっている(図表6、複数回答)。

図表5 2015年度に実施する階層別教育(複数回答)

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図表6 2015年度に実施する職種・目的別教育(上位11項目・複数回答)

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[5]研修内製化への取組状況

今回は2012年度以来3年ぶりに、研修内製化についても調査した。内製化に「取り組んでいる」企業は67.4%(前回調査76.2%)で、「取り組んでいない」企業は32.6%(同23.8%)である(図表7)。

また、内製化に取り組んでいる企業には課題を、取り組んでいない企業には取り組まない理由について聞いたところ、最も多かったのは「社内に講師になれる人材が不足し、育成にも時間がかかる」44.6%で、次いで、「人材開発部門のマンパワー不足で手が回らない」20.7%となっている(図表8)。

図表7 研修内製化への取組状況

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図表8 内製化に取り組むなかでの課題、内製化に取り組まない理由(複数回答)

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(注)その他は省略した。

 

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2015年度(第39回) 教育研修費用の実態調査
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※ 詳細データは 「企業と人材」2015年10月号(No.1032)にて掲載しています。

 

本リリースに関する取材などのお問い合わせ

株式会社産労総合研究所「企業と人材」編集部   担当:石田、片上
TEL 03(5319)3605  MAIL edt-e@sanro.co.jp

※上記以前の調査結果については、「企業と人材」編集部 までお問い合せ下さい。

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