2016年 評価制度の運用に関する調査

人事

評価制度の運用に関する調査
掲載している雑誌:賃金事情

評価の仕組みを従業員に公開している企業は85.0%
ただし,項目によって公開のばらつきがみられる

人事労務分野の情報機関である産労総合研究所(代表・平盛之)は、このたび「2016年 評価制度の運用に関する調査」を実施しました。調査結果がまとまりましたので、ご報告いたします。

 

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2016年 評価制度の運用に関する調査
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主なポイント

(1)等級制度の分類

  • 企業の人事制度おける等級制度の採用状況は,一般職層では,「職能等級制度」68.4%,「役割等級制度」20.4%,「職務等級制度」11.7%。管理職層では,「職能等級制度」55.4%,「役割等級制度」37.1%,「職務等級制度」10.1%

(2)評価制度の現状

  • 「評価制度がある」95.0%,「制度としてはないが,実態としてはある」3.9%,「ない」1.1%
  • 事前評価制度(人材アセスメント)のある企業は23.4%,事後評価制度がある企業は99.4%
  • 事後評価の評価項目は,一般職層では「行動・取組姿勢・意欲(プロセス)」,管理職層では「目標の達成度(成績,業績,成果等)」が最多

     [用語の説明]
      事前評価:ある仕事や役割に求められる特性や適性を備えているかどうかを“事前”に評価する,いわゆる人材アセスメント
      事後評価:ある期間に確認された能力,行動,態度,成績,業績を評価すること

(3)事後評価制度の仕組み

  • 「能力」「行動・取組姿勢・意欲」「目標の達成度」のそれぞれを評価したものを,9割の企業が総合評価
  • 総合評価の評価期間は6カ月が6割,1年が4割。評価段階数は5段階が48.0%,7段階が17.3%。評価者は2次評価までと3次評価までがそれぞれ4割

(4)事後評価制度の納得性向上のための工夫

  • 事後評価の仕組みなどを公開している企業は85.0%,ただし,項目によって公開のばらつきがみられ,「評価結果」は65.5%
  • 面接制度において,「評価メモ・ノート」を5割の企業が推奨,「面接シート」の活用は7割
  • 考課者訓練を実施している企業は7割

(5)評価の低い人への対応

  • 評価結果が連続して低い人への対応は,「配置転換を検討する」45.3%,「降格対象者となる」44.7%

(6)異議申立て制度

  • 評価結果などについて,異議申立て制度,あるいは相談できる仕組みがある企業は4割

 

調査要領

【調査名】  「2016年 評価制度の運用に関する調査」
【調査対象】 上場企業および当社会員企業から任意に抽出した約3,000社
【調査時期】 2016年7~8月  2016年4月末日の実態を調査
【調査方法】 郵送によるアンケート調査方式回答状況
【回答状況】 締切日までに回答のあった180社について集計。集計企業の内訳は別表を参照
【留意点】  調査項目ごとに無回答があるため、それを除いて集計した。そのため、各表で集計者数は異なっていることに留意されたい。

●集計企業の内訳

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調査結果の概要

(1)等級制度の分類

企業がどのような等級制度を採用しているのか一般職層と管理職層に分けてたずねたところ,一般職層は,「職能等級制度」が60.2%,「役割等級制度」が17.5%,「職務等級制度」が6.4%,そのほか,「職能等級制度+職務等級制度」が5.3%,「職能等級制度+役割等級制度」が2.3%などとなっている。この結果,「職能等級制度」を採用している割合は68.4%,「役割等級制度」を採用している割合が20.4%,「職務等級制度」を採用している割合が11.7%となった(図表1-1)。
一方,管理職層は,「職能等級制度」が47.1%,「役割等級制度」が29.4%,「職務等級制度」が6.5%,そのほか,「職能等級制度+役割等級制度」5.3%,「職能等級制度+職務等級制度」が2.4%などとなっている。この結果,「職能等級制度」を採用している割合は一般職層よりも13ポイント減少して55.4%,その分,「役割等級制度」を採用している割合が増加して37.1%,「職務等級制度」を採用している割合が10.1%となった(図表1-2)。

図表1-1 人事制度における管理職の等級制度

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図表1-2 人事制度における管理職の等級制度

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(2)評価制度の現状

評価制度の有無についてたずねると,「評価制度がある」は95.0%,「制度としてはないが,実態としてはある」3.9%と,ほぼすべての企業で評価制度があった。
「評価制度がある」と回答した企業のうち,ある期間に確認された能力,行動,態度,成績,業績を評価する「事後評価」を実施している企業は99.4%,ある仕事や役割に求められる特性や適性を備えているかどうかを“事前に”評価する,いわゆる人材アセスメントを実施している企業は23.4%だった。
事後評価の評価項目については,一般職層の場合,「能力(職務遂行能力)」を評価している割合が81.8%,「行動・取組姿勢・意欲(プロセス)」が94.1%,「目標の達成度(成績,業績,成果等)」が91.8%となっている。一方,管理職層の場合は,「能力」が70.0%,「行動・取組姿勢・意欲」が80.0%,「目標の達成度」が94.1%である(図表2)。

図表2 評価制度の有無と事後評価の評価項目

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(3)事後評価制度の仕組み

図表3 事後評価制度の仕組み (複数回答)

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能力評価,行動・取組姿勢・意欲評価,達成度評価を,総合して評価する仕組みがあるかどうかをたずねたところ, 89.3%と9割の企業が総合評価をしていると答えた。
総合評価の仕組みをみると,評価期間は「6カ月」が60.0%,「12カ月」が43.3%であった。評価段階数は,「5段階」が48.0%と半数を占めるものの,「7段階」が17.3%,「8段階以上」が15.3%などと,段階数が多い割合が高い。評価者は「2次まで」44.7%,「3次まで」41.3%と拮抗しており,評価の反映先は,「昇給」89.3%,「賞与」87.3%,「昇格」84.0%,「配置」16.0%となっている(図表3)。


(4)事後評価制度の納得性向上のための工夫

【1】公開の状況

評価制度の仕組みなどについて,従業員に公開しているかどうかをたずねた。「公開している」企業は85.0%と9割を占め,高い割合となった。公開内容は,「評価期間」98.6%,「評価項目」95.8%,「評価段階数」93.0%,「評価基準」89.4%,「評価者」88.0%,「評価の反映先」83.1%と,これらは8割を超えている。「評価項目のウエイト」は76.8%とやや下がり,「評価結果」は65.5%と7割だった(図表4)。

図表4 事後評価の公開状強と公開している内容

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【2】面接制度における工夫

事後評価において評価者と被評価者との対話を充実させるためには,評価者は評価期間中の被評価者の行動に注意を払い,事実を記録しておくことが大切である。そのための「評価メモ・ノートの活用」を「義務づけしている」企業は5.9%と少ないものの,「推奨している」企業は46.5%と半数に上った。また,評価者により面接内容のばらつきを防ぐために,定型の「面接シート」を使っている割合は70.6%と高い(図表5)。

図表5 面接制度の工夫

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【3】評価力の向上策

評価者の評価力をどう担保し,向上させるかは,評価制度における永遠の課題ともいえる。基礎知識の習得や,評価者間の基準を揃える研修である評価者訓練の実施状況をみると,「実施している」割合は,71.4%と7割にのぼる。また、被評価者(評価される側の従業員)に対して,評価の仕組みの理解や,どのような行動が評価されるかといったことを学ぶ研修である被評価者訓練については「実施している」が22.6%と2割にとどまった(図表6)。

図表6 評価者訓練および被評価者訓練の実施状況

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(5)評価の低い人への対応

休職中や療養中といった特別な場合をのぞき,評価結果が連続して低い場合は,どのような対応を行っているかたずねた。それによると,「配置転換を検討する」45.3%,「降格対象者となる」44.7%,「能力開発を行う」27.1%で,比較的,降格が広く行われているようだ。「ケースバイケース」も48.8%と半数にのぼった(図表7)。

図表7 評価の低い人への対応

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(6)異議申立て制度

評価の結果などについて異議申立て,あるいは相談できるような仕組みがあるかどうかたずねた。「異議申立て制度がある」割合は39.8%と4割にとどまった。また,異議申立て制度の内容は,「人事部の相談・苦情窓口・ポスト」74.2%,「労働組合の相談・苦情窓口・ポスト」42.4%,「苦情処理委員会の相談・苦情窓口・ポスト」24.2%などとなっている。そのほか,「従業員満足度調査」で把握するケースも19.7%みられた(図表8)。

図表8 異議申立て制度の有無と内容

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※ 詳細データは「賃金事情」2017年1月5・20日号にて掲載しています。

 

本リリースに関する取材などのお問い合わせ

株式会社産労総合研究所「賃金事情」編集部   担当:伊関、黒田、境野
TEL 03(5319)3601   MAIL edt-a2@sanro.co.jp

※上記以前の調査結果については、「賃金事情」編集部 までお問い合せ下さい。

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