改訂新版
パートの職務明確化と公正な処遇

書籍概要

改訂新版 パートの職務明確化と公正な処遇

■松田 憲二・著
■A5判・351頁
■本体価格 1,800円
■ISBN 978-4-86326-022-1 C2034
■発行日 2008年5月

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目次

第1章:新たな転機となるか、パートタイム労働者の法と処遇
1.揺れるパートタイム労働者と法
(1)パートタイム労働指針のポイントが改正された
(2)パートタイム労働研究会の提言にみる
(3)パートタイム法が変わった――平成20年4月から実施に移される
2.パートタイム労働者の活性化策を人事システムにみる
(1)A生協の改革
(2)最先端の処遇制度を推進する小売り・I社
(3)パート処遇、正社員並みR銀行

第2章:パートタイム労働者の本音・こんなとき“やる気”になる
1.これが、パートタイム労働者活性化の要因だ
2.なぜ、パートタイム労働者を採用するのか
3.パートタイム労働者が職場選択をする基準は何か
(1)就職先を選ぶ基準は
(2)就職の経路は
(3)選考の重視点は
4.年収103万円以内のパートタイム労働者の雇用管理が問題
5.これからのパートタイム労働者の雇用の変化に、素早く対応する
(1)働き方いろいろ――多様化するパートタイム労働者

第3章:パートタイム労働法の中味を知る
1.パートタイム労働法のポイント・15を実行する
(1)パートタイム労働法とは、どのような法律か
(2)労働契約を結ぶときは、どこに注意すべきか
(3)基本賃金・賞与・退職金についての決まりはあるか
(4)残業、休日労働をしたときの割増賃金は、支給するのか
(5)年次有給休暇は、正社員と同じようにもらえるのか
(6)育児・介護休暇や、女性にかかわる法律は適用されるのか
(7)労働契約が終了したとき、また更新のためのルールはあるのか
(8)解雇や退職のルールを作成し、不当の解雇を受けることのない措置をとったか――自由に解雇はできない
(9)労働災害や安全衛生の面での対応は十分か
(10)雇用保険の手続きは万全か
(11)健康保険・厚生年金保険の手続きは万全か
(12)介護保険の手続きは万全か
(13)パートタイム労働者の教育訓練は義務事項か
(14)パートタイム労働者が、労働組合に加入することはできるか
(15)パートタイム労働者で働くときの収入に対する税金は、どのようになるのか
2.パートタイム労働法を熟知する

第4章:パートタイム労働者の処遇制度を構築する
1.パートタイム労働者の処遇制度のポイント
(1)キメ細かい計画づくりと工夫をする
(2)年間雇用計画を作成する
(3)正社員、パートタイム労働者、派遣社員などの仕事処理の比較対応をする
2.処遇体系は、職務内容・責任によって決める。中心は「職務等級制度」
(1)現状分析を行い、導入・構築日程を確認する
(2)「職務等級制度」をコアとして組立てる
(3)パート労働者の処遇の導入例にみる
3.各社の処遇制度をケースにみる
A.流通業・A社
B.小売業・T社
C.飲料製造業・E社
D.電器製造業・O社
E.流通業・F社
F.小売業・TK社

第5章:パートタイム労働者・戦力化教育の進め方
1.なぜパートタイム労働者の「教育訓練」が必要なのか
2.戦力化教育の実践ポイント
(1)パートタイム労働者に具体的な仕事の内容を明示する
(2)教育内容と教育スケジュールを組立てる
(3)ツールとしてのマニュアルを整える
(4)年に1回は、パートタイマー戦力強化集合研修を行う
(5)職種別の教育訓練のポイントに注意する
3.教育訓練は、上司のO.J.Tが中心である
4.パートタイム店長への登用人事の条件
(1)働きに応じた処遇がパートタイマーを伸ばす
(2)パート店長を登用する3つの目的
(3)抜擢人事のための“マネジメント要件”を確認する
(4)パート店長の“やる気”“能力”を引き出す処遇
(5)雇用の多様化時代を、パート店長の戦力化で活性化する

第6章:パートタイム労働者の就業規則を作成する
1.かならず就業規則を作成する
(1)なぜ就業規則をつくる必要があるのか
(2)パートタイム労働者専用の就業規則を作成する
(3)就業規則は、ルールと手順にもとづいて行う
(4)退職、解雇の取扱いはどうするのか
2.各社のケースにみる
(1)就業規則
A.飲料製造業・E社
(2)給与規程
B.流通業・A社
(3)退職金規程
C.流通業・A社

第7章:アルバイトの処遇制度を構築する
1.アルバイトの解釈は、一定でない
2.アルバイトの処遇のケースにみる
A.流通業・A社

第8章:契約社員の労働契約を整備する
1.契約社員の内容を、確立する
(1)契約社員とは、どのような身分なのか
(2)労働条件の細部まで確認する
(3)正社員から契約社員へ移行するときの注意は
(4)賃金形態を確認する
2.契約社員の就業規則

第9章:パートタイム労働者にまつわる判例
1.雇止め、解雇のケース
2.賃金差別のケース

はじめに

パートタイム法(正式には「短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律」という)が、平成20年4月1日から、抜本的に変わった。その主旨は、少子高齢化、労働力人口減少社会において、短時間労働者がその持っている能力を、より一層有効に発揮することができる雇用環境を整備するため、短時間労働者の納得性の向上、通常の労働者との“均衡”のとれた待遇の確保、通常の労働者への転換の推進を図る等のために、改正を行うということである。下の図は、その概要をあらわしたものである。

まず第一は、労働条件の文書交付・説明義務が、経営側に課せられるということだ。具体的には、仕事は勿論、契約期間の定めが有るのか無いのか、休日は法定どおりか、昇給は有るのか、賞与は有るのか無いのか、退職金は……等につき、文書の交付により明示しなければならない。
第二は、均衡のとれた待遇の確保を、促進することである。正社員と仕事が異なる場合、正社員と仕事が同じ場合、仕事や人材活用の仕組みが同じ場合、正社員と短時間労働者の仕事・人材活用の仕組み・責任が全く同じ場合――即ち、「仕事」によって賃金が最低賃金額を上回っているときの賃金、均衡のとれた賃金、そして均等のとれた賃金の三つに区分なされるということである。まさに、パートタイマーで働くということは、仕事の重さ・厚み・幅によって、賃金は三つに分けられるということである。
そして第三は、通常の労働者への転換を推進するということである。経営者は、通常の労働者が空席となった場合、短時間労働者に社内公募によって応募する機会を与えるか、試験制度によって転換を促進するか、等の募集に関する情報を周知する措置を講ずる必要がある。
その他、種々の新たな措置が、改善の方策として打ち出されているのだ。

このように、いまや企業にとって一時的もしくは補助的な労働力としての雇用ではなく、「基幹労働力」として位置づけられるまでになってきた。それは、サービス経済化などの産業構造の変化、女性の社会への進出、企業の経営戦略の変動があり、一方短時間労働者の側にも労働に対する意識の変化などがあり、いかに短時間労働者を活用するかは、企業の大きな課題となりつつあるからだ。とくに、パートタイマーの働き方への変化は、就労意識が生活補填のためとか、小遣いかせぎのためとかいうだけの目的から、自分の専門性やかつて培った能力を生かしたいという自己実現の欲求を求める方向へと、明らかに変わってきている。

このような状況から、1993年(平成5年)6月に、「短時間労働者の雇用管理の改善策に関する法律」(仮称:パートタイム労働法)が制定され、同年12月に実施に移された。そして、2008年(平成20年)4月、改正パートタイム法が、新たに実施の運びになったのである。
そこで本書は、このような変化を正しく受けとめ、パートタイマーを中心に短時間労働者の法律上最低限知っておいてほしいポイントから、処遇基準・賃金のあり方・人事考課の仕組み・能力開発・福利厚生・就業規則のつくり方と運用、最新の判例などを盛り込み、近代的経営を目指す読者諸賢の企業への活用の手引書として著したものである。

本書の刊行にあたって、多大のご支援ご協力をいただいた経営書院出版部スタッフ一同に、衷心より厚くお礼申し上げるとともに、資料掲載にご協力いただいた各企業・団体の担当者各位に、厚くお礼申し上げる次第である。

2008年4月30日
松田憲二

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