電子カルテ代行入力入門

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電子カルテ代行入力入門
立ち読み

2008年4月に医師事務作業体制加算が診療報酬改定で認められて以来、数回の増額改定を経て、医師事務作業補助者は急性期の病院業務をになう職種として定着した感があります。医師事務補助者に代行入力してもらっていることで、医師は患者さんと向かい合うことができ、またより多くの患者さんを診ることもでき診療レベルも上がります。本書は、厚生労働省が医師事務作業補助者の業務として認定している内容のうち、実際に医療現場で医師が期待する度合いが高いと思われる業務内容を中心に取り上げ、さらなるステップアップを目指す際に、習得すべき知識やスキルを網羅的に提示しています。

■深津 博 著
■B5判/248頁
■税込価格 2,200円
■ISBN 978-4-86326-212-6 C3047
■発行日 2016年3月12日

目次

  • 医師の立場から
  • 事務の立場から
  • はじめに
  • 第1章 カルテ(診療録)の書き方
    • カルテの成り立ち
    • 電子カルテの登場
    • 代行入力と電子カルテ
    • 承認のタイミング
      • (1) 事前承認
      • (2) 事後承認
      • (3) 自動承認
    • カルテ(診療録)の意義
      • (1) 診療録の位置づけ
      • (2) 医師記録の意義
      • (3) 記載の原則
      • (4) カルテ記載の形式
      • (5) サマリー
      • (6) カルテの監査
  • 第2章 個人情報の保護
    • 守秘義務規程
    • 個人情報の定義と関連する事柄
    • 個人情報保護法
      • (1) 利用目的の特定
      • (2) 第三者提供
      • (3) 個人情報保護法の改正と匿名化
      • (4) 医療情報システムの安全管理に関するガイドライン4.2 版(厚生労働省)
  • 第3章 インフォームド・コンセント
    • 経緯と法的根拠
    • 診療契約
    • インフォームド・コンセントの概念
    • インフォームド・コンセントの実践
    • インフォームド・コンセントにおける患者側の留意点
    • インフォームド・コンセントにおける医療側の立会者
    • インフォームド・コンセントが必要とされるケース
    • インフォームド・コンセントが不要ないし困難な場合
      • (1) 未成年患者
      • (2) 意思の疎通ができない患者
      • (3) 精神病患者
      • (4) 救急患者
      • (5) がん
    • インフォームド・コンセントの手順
    • インフォームド・コンセントに関する記録の書式
  • 第4章 代行入力の実際
    • 代行入力に関する一般的な注意事項
      • (1) 権限の範囲
      • (2) 医師からの指示
      • (3) 医師の承認
    • 医療文書の代行入力
      • (1) 医療文書についての一般的な注意事項
      • (2) 診断書・証明書
      • (3) 診療情報提供関連書類
      • (4) 傷病手当金関連書類
      • (5) 自動車損害賠償保障法関連書類
      • (6) 院内発生書類(入院診療計画書、退院療養計画書、各種同意書、死亡診断書(死体検案書))
      • (7) 特定疾患関連の書式
    • カルテ記載(外来)
    • カルテ記載(病棟)
    • 検体検査オーダ
    • 生体検査オーダ
    • 処方オーダ
    • 退院サマリー
    • インフォームド・コンセントの記録記載
  • 第5章 用語集
    • 記載言語
    • 略語
    • 接頭語・接尾語
      • (1) 発症形式や経過の時間的な長さや変化の度合いを示す接頭語
      • (2) 病変の分布形態を示す接頭語
      • (3) 病変・病態の原因を示す接頭語
      • (4) 病変・病態の性質を表す接頭語
    • 鑑別診断と確定診断
    • 解剖学的用語・略語や関連する表記方法
      • (1) 一般的事項
      • (2) 多くの診療科で汎用される検査項目(検体検査)
    • 用語集
    • 用語集の欧文・数字索引
  • 文献
  • おわりに

はじめに

2008 年4 月に医師事務作業体制加算(1)が診療報酬改定で認められて以来、数回の増額改訂を経て、医師事務作業補助者は急性期の病院の業務を担う職種として、定着した感がある。
医師事務作業補助者は医療経験がない個人がほとんどであることから、厚生労働省ではOJTに加え32 時間の基礎知識習得のための講習を義務づけているが、非常に高度化し、また日進月歩である医療分野において、これだけの初期講習では当然十分とは言えない。
しかるに医師事務作業補助者がさらなる勉強・研修の場を求めようにも、現状ではそのような機会が十分に提供されているとは言い難い。
多くの医療機関では医師事務作業補助者の職務として、生命保険等の依頼文書や地域連携関連の書式の記載を担当させているが、医療現場における特に医師からは、外来や病棟の診療補助、診療録等の代行入力を求める声が大きくなってきている。
本書は上記のような状況を鑑み、すでに一定以上の実務経験を有し依頼文書の作成を行うことができる医師事務作業補助者が、さらなるステップアップを目指す際に、習得すべき知識やスキルを網羅的に提示している。
本書では厚生労働省が医師事務作業補助者の業務として認定している内容のうち、実際に医療現場で医師が期待する度合いが高いと思われる業務内容を中心に取り上げた。したがって、がん登録や行政システムへの入力、医局における秘書業務等については、あえて詳述していない。これらについては別書を参照されたい。
本書が医師事務作業者のスキルアップに貢献し、医師の業務補助の効果がより高まることを期待するものである。

著者紹介

■深津 博(ふかつ ひろし)・・・医学博士、放射線科専門医、日本医学放射線学会代議員。1985年名古屋大学医学部医学科卒業.専門は放射線医学、画像診断学、医療情報、地域医療連携。2002年より名古屋大学医学部付属病院放射線部助教授。2006年よりNPO法人日本医療コンシェルジュ研究所理事長、2009年より愛知医科大学特任教授/医療情報部長。画像診断医として臨床を行いつつ、医用画像や医療情報におけるシステムの共同開発を数多く行い、特許申請も多数。地域医療連携にも注力し、日本初の医療コンシェルジュを考案。2008年より医師事務作業補助者の初任者研修会を開催。

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