2012年 医療文書作成業務・文書料金実態調査(訂正版)


update:2013.01.31

【お詫びと訂正】1月31日付News Release「2012年 医療文書作成業務・文書料金実態調査」の一部に誤りがありましたので、訂正をさせていただきます。集計時の入力ミスの見落としが原因です。今後はこのようなことが起こらぬようチェック体制の強化を図ります。関係各位の皆様には、ご迷惑をおかけいたしますことを深くお詫び申し上げます。訂正箇所は朱字で表記しました。

 

民間のシンクタンク機関である医療経営情報研究所が発行する定期刊行誌「医事業務」(編集長 田中利男)は、「医療文書作成業務・文書料金」実態に関する調査を、2009年以来3年ぶりに実施いたしました。このほど調査結果がまとまりましたので、ご報告いたします。
※医療経営情報研究所は産労総合研究所(東京都千代田区、代表・平盛之)の附属機関です。

 

印刷用PDFのダウンロード

医療文書作成業務・文書料金実態調査
印刷用PDFのダウンロード

 

調査結果のポイント

(1)医療文書料金の決定方法

  • 医療文書の料金は、約7割の医療機関が「同じ地域の病院」を参考に決めると回答

(2)診断書等の医療文書料金

  • 診断書等の医療文書の作成にかかる料金は、各医療機関でばらつきあり
  • 自院様式の「診断書(複雑なもの)」は平均3,665円、最高額10,500円、最低額1,000円

(3)地域別にみた医療文書料金

  • 自院様式の「診断書(簡単なもの)」の料金を地域別にみると、九州1,961円に対し、関東2,962円。  他の医療文書も地域によりばらつきあり

 

調査要領

【調査対象】当所会員施設から任意抽出した1,510医療機関
【調査時期】2012年10月
【調査方法】郵送によるアンケート方式
【有効回答数】421医療機関

 

医療文書とは

病院内での医師の仕事は患者を診察することだけではありません。カルテ作成等の事務的な業務も少なからず存在し、それらが本務である診察や手術等の業務と相まって、勤務医の負担が過重となる一因になっています。なかでも、医療文書の作成業務は、医師のいやがる仕事の筆頭格で、負担感の大きいものとして知られています。

医療文書とは、病院が患者に対して発行する診断書や証明書、意見書などの文書のことですが、まず文書の種類が非常に多く、また、例えば診断書1つとってみても、各病院の独自書式(以下「自院様式」という)や生命保険会社等の所定様式など、文書提出先によって書式に相当なバリエーションがあります。
従来、これらの文書のほとんどを医師が作成していましたが、2008年の診療報酬改定時に「医師事務作業補助体制加算」が新設され、医師事務作業補助者が作業代行を行うことにより勤務医の負担軽減が図られるようになってきました。

医療文書については、もう1つ大きな課題があります。厚生労働省は「療養の給付と直接関係ないサービス等の取扱い」(平17 保医発0901002, 最終改定:平20保医発0508001)により、「公的保険給付とは関係のない文書の発行に係る費用」を認めています。しかし、各文書の金額については定めがなく、各医療機関で設定できることになっています。前述のように文書の種類が多いこともあり、医療文書の料金にはばらつきがあるのが実態です。

なお、今回の調査では、医療文書に関する課題についてもたずねていますが、そこでは、「作成までに時間がかかり、クレームがある」、「医師の負担が大きく、なかなか書いてくれない」、「文書の様式を統一してほしい」などといった項目が上位に上がっていました。こうした課題に対し、医療機関の現場では、上記の医師事務作業補助者の配属・活用や文書作成ソフトの導入などにより、一元管理化と作業時間の短縮化が図られるようになってきています。

 

調査結果の概要

(1)医療文書料金の決定方法

医療文書の作成・発行にかかる料金は、約7割が「同じ地域の病院」を参考に決める

医療文書料金は何を参考に決めているのかをたずねたところ、「同じ地域の病院」を参考にするが71.9%、「外部機関の調査資料」は5.1%などとなった。
その他の内容としては、「グループ病院で統一」や、公的病院では「条例によって決定」などの回答があった。

図1 医療文書料金を決める際の参考指標

グラフ

 

(2)診断書等の医療文書料金

診断書等の医療文書料金は、料金設定にばらつきあり

調査結果を個別にみてみると、医療文書料金の平均額は大きな変動はなかったが、最低額と最高額の差額が、前回調査と比べて倍以上になっているものもあった。医療機関の多くでは、料金設定にばらつきがみられた。

【1】自院様式関係の診断書等
診断書(簡単なもの)
本調査によると、各医療機関が発行する自院様式による「診断書(簡単なもの)」の全国平均額は2,337円であった。前回2009年調査2,332円より0.2%増。

診断書(複雑なもの)
自院様式による「診断書(複雑なもの)」の全国平均額は3,665円であった。前回調査3,641円より0.7%増。

医療費に関する証明書
自院様式による「医療費に関する証明書」の全国平均額は1,216円であった。前回調査1,210円より0.5%増。

【2】年金関係の診断書
(厚生・国民・共済)診断書
「(厚生・国民・共済)診断書」の全国平均額は5,753円であった。前回調査5,619円より2.4%増。

年金現況届
「年金現況届」の全国平均額は5,167円であった。前回調査4,988円より3.6%増。

【3】介護保険関係の診断書
主治医意見書(在宅)・新規
「主治医意見書(在宅)・新規」の全国平均額は5,125円であった。前回調査4,982円より2.9%増。

表1 自院様式・年金・介護保険関係の医療文書料金(全国平均)

グラフ

【4】保険会社関係の診断書
保険会社の診断書
生命保険会社等の所定用紙による「診断書」の全国平均額は、前回調査と同じく4,841円であった。

保険会社の後遺障害診断書
「後遺障害診断書」の全国平均額は5,837円であった。前回調査5,846円より0.2%減。

【5】自賠責保険(自動車損害賠償責任保険)関係の診断書
自賠責診断書
 自動車保険に関わる所定用紙による「自賠責診断書」の全国平均額は4,763円であった。前回調査4,647円より2.5%増。

自賠責後遺症診断書
「自賠責後遺症診断書」の全国平均額は5,927円であった。前回調査5,795円より2.3%増。

表2 保険会社・自賠責保険関係の医療文書料金(全国平均)

グラフ

 

(3)地域別にみた医療文書料金

地域別にもばらつきがみられ、「診断書(簡単なもの)」で、関東は2,962円、九州では1,961円

医療文書料金は、地域別にもばらつきがみられる。自院様式の診断書(簡単なもの)の全国平均は2,337円であるが、これを地域別にみると、関東が最も高く2,962円、最も低いのは九州の1,961円だった。他の医療文書についても、地域により料金設定にばらつきがあった。

表3 地域別にみた医療文書料金の平均額

グラフ

 

印刷用PDFのダウンロード

医療文書作成業務・文書料金実態調査
印刷用PDFのダウンロード

※ 詳細データは「医事業務」2013年1月1・15日号にて掲載しています。