事例 No.053 オリエンタルランド 事例レポート(有期社員教育)
(企業と人材 2016年3月号)

有期社員教育

記事の内容およびデータは掲載当時のものです。

今春に「キャスト」の人事制度を大きく改定
ビジネススキル研修など、新たにキャリア支援も

ポイント

(1)新人キャストの導入研修は、基本理念と行動規準SCSEを理解する「入社時研修」、部門ごとに理解を深める「ディビジョン研修」、配属先の各現場でトレーニングする「ロケーション研修」の3段階で実施。

(2)より「豊かな人生」と「キャストとしての誇り」を、いままで以上に感じることができる場づくりをめざして、約10年ぶりにキャスト(準社員)の人事制度を改定。中堅以上のキャストについては後輩の育成だけでなく、フォローやサポートといった役割をきちんと評価できる仕組みに。

(3)制度改定に合わせて教育プログラムも拡充。自ら役割を考える研修を増やしたほか、個々人のキャリア支援策として、代表的な働き方モデルを提示しながら、ビジネススキル研修も実施。

1万8千人のキャストが事業を具現化

株式会社オリエンタルランドは、千葉県浦安沖の海面を埋め立てて、商業地・住宅地の開発と大規模レジャー施設の建設を行い、国民の文化・厚生・福祉に寄与することを目的として、1960年に設立された。現在、東京ディズニーリゾートがある舞浜地区の埋め立て工事が完了したのは1970年のこと。創成期の10年間は広大な浦安沖の埋立工事を行いながら、東洋一のレジャーランド建設に向けたマスタープランを検討していたという。そして、1983年に「東京ディズニーランド」が開園。2000年には商業施設「イクスピアリ」が、2001年には「東京ディズニーシー」がオープンし、いまでは直営ホテル4軒も運営する。
現在、同社の売上げの8割超を占めるのが、東京ディズニーランド、東京ディズニーシーからなるテーマパーク事業である。実際、来園者数は右肩上がりに伸び続け、開業30周年を迎えた2013年度には年間3,129.8万人と、初めて3,000万人の大台を突破した。
この躍進を支えているのが、テーマパーク(以下、パーク)で働く「キャスト」たち。その多くが、いわゆるパート・アルバイト形態で働く「準社員」約1万8,000人である。そのほか、契約社員である「テーマパーク社員」約800人や「正社員」約2,200人は、パーク部門およびパークを支える本社部門で、準社員を支えている。
もちろん、新しいアトラクションやイベント、ショーや各種お土産品、レストランのメニューに至るまで、常に魅力的であるための同社の企画・開発力は卓抜している。しかし、それらはすべて、寒風吹きすさぶ冬の日も、灼熱となる夏の日も変わらぬ笑顔でゲスト(来園者)を迎え、言葉を交わし、ゲストに心から楽しんでもらっているキャストがいてこそ具現化されるのだ。そうして、「また来たい」、「いつか行ってみたい」と思い続けられた結果が、3,000万人超の年間来園者数なのである。

震災で発揮された行動基準SCSEの浸透

東京ディズニーリゾートのキャストの優れたパフォーマンスは、よく知られるところである。なかでも、近年最も注目されたのは2011年3月11日、東日本大震災が発生したときに彼らがとった行動だろう。準社員の採用・人事管理を担うキャストディベロップメント部部長の山田恭嗣さんは、当時をこう振り返る。
「地震発生時には、両パーク合わせて約7万人のゲストが来園していました。驚き、不安がいっぱいのゲストに対し、キャスト一人ひとりが、きわめて冷静に毅然とした態度で対応にあたってくれました。自分たちも動揺しているはずなのに、適切に声をかけ、安全確認や避難誘導などを行って、結果的に人的被害を出すことなく、翌日には全員無事に帰宅していただくことができたのです」
このような対応ができたのは、平時の訓練があったからだ。パークでは年間延べ180回にも及ぶ防災訓練を行っている。また、アトラクションごとにも有事に備えた非難対応訓練が、日常的に行われているのである。
訓練に加え、この行動を支えたのが、同社の全従業員に共通する行動規準「SCSE」である。震災時のキャストの行動も、SCSEの第1規準「Safety(安全)」に基づいて行動した結果であるという。
SCSEは、「ディズニーフィロソフィー」、つまり同社の基本理念を反映したもの。次の4つの頭文字をとったもので、同社の社内では浸透しており、日常的に使われる用語である。
・Safety(安全)
・Courtesy(礼儀正しさ)
・Show(ショー)
・Efficiency(効率)
SCSEは重要度が高い順に並べてあり、効率よりはショーが、ショーよりは礼儀正しさが優先される。しかし、なによりも大事にしなければいけないのは「安全」なのだという価値観が、SCSEには込められている。
ゲストに直接触れ合う準社員の教育も、中核の部分はすべてSCSEに基づいて行われている。以下では、同社の準社員に対する教育施策をみていくが、その前に準社員の資格制度(グレード)についてみておきたい。図表にあるとおり、準社員には5つのグレードがある。5つのアルファベットをつなげると「MAGIC」となるのが同社らしい。
準社員は、入社するとMキャストとなり、初日に「TipsonMagic」と呼ばれる入社時研修を受講する。これは、「ゲストにハピネスをお届けする」というゴールと、それを実現するための行動規準SCSEを理解する半日間のプログラム。準社員に限らず、同社に入社した人全員が初日に受けるものだという。
その後、準社員は配属先の部門(ディビジョン)に分かれ、「各部教育」として、部門ごとの役割やその部門にとってのSCSEについて学ぶディビジョン研修を受講。さらにその後は、SCSEを部門ごとに細分化し、作成されたマニュアルを用いたトレーニング(ロケーション研修)が続く。これは、配属先の現場で、上級グレードのキャストから、アトラクションの操作方法や安全確認、ゲストへの対応などについて、マンツーマンで教わるプロセスだ。2日間から、特殊な職種では14日間程度もかけて行われる。そして、最終的にアセスメントをクリアできれば、デビュー(就労開始)となる。

図表1 準社員のグレード(資格制度)

図表1準社員のグレード(資格制度)

今春に人事制度を改定、新たにキャリア支援も

さて同社では、2016年4月から準社員およびテーマパーク社員の人事制度を大きく変える。現在の準社員人事制度が策定された2005年以来の大改定であるという。この制度改定にあたって、山田さんは、キャストには「より豊かな人生を歩んでほしい」と願っており、また、いままで以上に「キャストであることの誇りを実感できる」場にしたいと考えている。
まずスーパーバイザー(SV)として働くテーマパーク社員については、今春、テーマパークオペレーション職として一律に正社員化を図るという。
そして、準社員については、
(1)各グレードの役割をより明確化して、評価・昇給・昇格といった制度全体をさらにわかりやすくし、納得性を高める
(2)グレード別教育を拡充するとともに、個々のキャリア支援にも取り組む
(3)役割に応じて中位以上のグレードの時給上限を引き上げる
という、大きく3つの視点から人事・教育制度を改定する。
「今回の人事制度改定のポイントの1つは、中堅であるGキャスト以上のグレードに対し、後輩や仲間をスキル面で育成するだけでなく、マインド面でもサポートする役割であることを明文化したことがあげられます。たとえば、新人キャストの相談役となってフォローするなどといったことです」
これに伴い、教育体系も変更された。一人ひとりのキャストに新たに明文化した役割をきちんと果たしてもらうためには、そのための教育が必要との考えからである。
「これまでも当社では、主としてグレードごとに教育研修を行ってきました。その根幹をなしているのが『ディズニー・ユニバーシティ・プログラム』です。これは、そのグレードで必要となる知識・スキルを学ぶ、該当者向けの研修ですが、今回、新たに役割が付加されたGキャスト、Iキャスト、Cキャストについては、各グレードのマインド面での役割を理解する新しい研修を追加しました。また、ゲストサービス力をさらに向上させる研修も追加します」

ビジネススキル研修を準社員に提供する理由

準社員の教育体系変更には、もう1つ大きな柱がある。それが「ビジネススキル研修」の新設である。全キャストを対象とした自由選択制の研修で、2016年度の第1四半期には「ロジカルシンキング講座」と「コーチングスキル講座」の2つが開設される予定だ。今後は、キャストのニーズも踏まえながら充実させていくという。
リーダー層の役割として後輩を指導・育成するマネジメント的な要素がより明確になったとはいえ、準社員は現場の第一線で働く人たちである。あえてロジカルシンキングなどのスキルを、座学で学ばせるのはなぜだろうか。
「ビジネススキル研修の目的は、業務支援というよりは、本人の成長のためのキャリア支援です。したがって、受講は業務扱いでなく、参加は自由です。」
ここには、山田さんのかねてからの問題意識が強く反映されている。それは、日ごろ準社員と接するなかで感じてきたことだ。
山田さんは、準社員たちがパークで日々ゲストと接し、仲間とともに業務を進めていくなかで、半年、一年と大きく成長していくのを目のあたりにするという。さらに、IキャストやCキャストという役割を得た準社員の成長ぶりは、すごいと感じているという。
1つのロケーションには、100人から200人程度の準社員が所属している。そうした規模で仲間をまとめ、リーダーシップを発揮する経験から学ぶものは、間違いなく大きい。また、ゲストの話や質問にじっと耳を傾け、理解し反応する力は、日々の現場でこそ磨かれる。来る日も来る日も笑顔でい続けることも、そう簡単なことではない。こうした日常業務の積み重ねが、前述の震災時のエピソードに代表されるような、同社の人材への評価につながっていることは想像に難くない。
しかし一方で、準社員には特有の「弱さ」を感じることもあると、山田さんは話す。
「彼ら自身が、パークで働くなかで身につけていった能力を、残念ながら自己認識できていないと感じることがあります。あえて『ビジネススキル研修』という枠組みを立ち上げたのは、一般的な言語を使ったビジネススキルを学んでもらうことで、日ごろ自分たちが自然に行っているコミュニケーションのノウハウが、じつはロジカルシンキングやコーチングにも近い、非常に価値の高いスキルなんだいうことに、気づいてもらいたいと思ったからです」
準社員は有期雇用契約であるため、転職を意識しやすい働き方であることには違いない。そうした彼らに対し、山田さんは「準社員は一緒に働く大切な仲間であり、いつまでも一緒に働いていてほしい」と願いつつ、「転職をする場合には、キャストとしての仕事で培ってきた能力がさらに生きるような、本人のステップアップにつながる、夢を叶える転職をしてほしい」と考える。
「転職しようというときに、面接などの場で、当社での経験を単に『東京ディズニーリゾートで担当した仕事』として説明するのではなく、『パークでの業務を通じ、汎用性の高い何を身につけたか』という視点で自分を語れること。さらに、『自分に備わった力を転職先でどう活かせるか』を説明できることが重要なのではないかと考えています」
同社では、このビジネススキル研修と合わせ、準社員に多くみられるキャリアの例を「働き方モデル」として10タイプ作成し、準社員へも共有した。興味や関心が異なる準社員たちが、これから進む人生の選択において、その方向を考えるきっかけになればという思いから、また、そのために会社が用意している支援策を知ってもらうことがねらいである。「ゲストサービスの最前線で活躍し続ける」、「リーダーとして成長しさらによいユニットにしていく」、「東京ディズニーリゾートで得た経験やスキルを活かして、他業種に転職を果たす」などで、これも一人ひとりが具体的に自分の将来を考える際には貴重な指針となるだろう。
山田さんはさらに、「異業種交流」や「体験学習」というプログラムなども検討中だという。これは、現在の仕事そのものに対する興味を深くもってもらうことや、視野を広げることで、いまの仕事の価値をあらためてみつめてもらうことが目的だという。

評価面談は年2回、育成の場に

最後に、準社員の評価と処遇についても触れておこう。これらの点でも、今回、制度改定がなされている。
従来から準社員は、キャストとして働くうえで求められる行動要件「パフォーマンステーマ」と、ロケーションごとに求められる知識やスキル「スキルテーマ」という2つの観点から評価されてきた。
パフォーマンステーマでは、SCSEに則った行動ができているかをみる。Safety、Courtesy、Show、Efficiencyの4つそれぞれについて、2つから3つの評価項目が示され、その出来具合いが4段階で評価される。それら4つのほか、トレーナーやリーダーとしての行動要件、SCSEの優先順位や執務態度なども評価の対象となる。今回の制度改定で、求められる行動要件が変わるため、これに応じて評価項目も変更されるという。
一方、スキルテーマは、アトラクションやショップ、レストランなど、各ロケーションで業務を担当するために必要となる技能が習得できているかをみるチェックリストのようなもので、グレードによって求められる要件は異なってくる。
「評価面談は、そのロケーションを担当するスーパーバイザーが行いますが、その前提となる評価は複数のスーパーバイザーがみるようにしています。契約更新のつど行うので、準社員1人につき年に2回は面談することになります。スーパーバイザーの時間的な負荷は軽くはありませんが、各キャストとの貴重なコミュニケーションの場として、またSCSEを理解してもらう場として、非常に重視しています」

役割に見合う昇給幅に。真のねらいは「キャリア自律」

昇給に関しても、今回の人事制度改定で変更された点がある。
従来は、各グレードのなかでの昇給幅が狭く、時給上限に達してしまうと、面談でプラスの評価をしても処遇に結びつかなかった。
そこで今回、Gキャスト、Iキャスト、Cキャストについては、基本時給のベースを上げるだけでなく、昇給幅も最大200円まで広げた。役割が明確になったぶん、それが果たせた人に対しては、より高く処遇しようという考え方だ。基本時給の水準は、Cキャストの場合で下限1,150円、上限1,350円となる。これとは別に、職種ごとに支給される手当や時間帯手当などもつく。

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今回、テーマパーク社員の正社員化によって、準社員からテーマパーク社員へ、テーマパーク社員から正社員へという2段階の登用制度は廃止となり、準社員から直接正社員への登用制度に変更されることになる。
役割をより明確にし、それに見合う処遇を整備する。また、正社員登用の道もある。「安心」と「誇り」を掲げた今回の人事制度改定は、準社員には大きな喜びをもって迎えられているのではないか。
「軽い緊張感をもって受け止められているようです。何をすればどう処遇されるのか、その上限はどこかといったことが明示されたことで、一人ひとりが自らのキャリア、つまり『自分はどう働いていくか』を考えてくれているのかもしれません。今後のキャリア選択の参考となるよう、『働き方モデル』を使って身近な例で提示したり、すでにお話しした教育制度を整えることで本人の成長を手助けしたりして、一人ひとりの準社員が自ら望む働き方を選択していけるように、支援していきたいと思います」
新人事制度がスタートし、キャストの一人ひとりがどのような成長を果たしていくのか。今春からのオリエンタルランドの展開が楽しみである。

(取材・文/平田未緒)

《対談》 準社員人事制度改革に込めた思い

オリエンタルランド キャストディベロッブメント部 部長 山田恭嗣さん
働きかた研究所 代表取締役 所長 平田未緒さん

●「働きかた」を選ぶ制度へ
平田:今回の準社員人事制度改定は10年ぶりだそうですね。より豊かな人生を、キャストであることの誇りをもって歩んでいってもらいたいという思いで取り組まれたとのことですが、具体的にはどのように実現されようとしているのでしょうか。
山田:この思いを実現するためには、「経済的な安定」と「心の豊かさ」の両方が必要だと思い、これを具現化させる方向で考えました。
勤続年数が長くなれば、本人の生活背景が変わるのも当然です。今回、Gキャスト以上の処遇を改善するとともに昇給額を公開したのは、将来に対する不安を少しでも解消し、準社員自身が人生設計をしやすくすることがねらいでした。
平田:働き方を自ら選ぶよう求められると、なかにはある種の厳しさを感じる人もいるかもしれませんね。働く人の意識というのは多様で、自分のキャリアを能動的に考え、夢や目的に向かって進んでいける人もいれば、そうでない人もいます。一方、より難易度が高い仕事を経験し、その過程で悩んだり失敗したり、努力をすることなくして成長していくのは難しいのも事実です。今回、準社員の方々に「自分はどう働いていくのか」を意識させ、仕事の高まりに応じた処遇を行い、かつ本人の成長を評価や教育の面から支援するというのは、とても本質的な取り組みだと感じました。
今回、上位グレードのキャストの役割をより明確にされたとのことですが、その意図は何だったのでしょうか。
山田:当社はサービス業ですが、その形態は少し特殊だと思っています。テーマバークでは、1人のお客さまに対し、長い時間にわたって、次々とキャストが入れ替わりサービスを行っていきます。だからこそ、全員が合格点でなければなりません。たった1人でも悪い印象を与えるキャストがいれば、ゲストのその日の思い出は台無しになってしまうかもしれません。私たちのゴールは「ゲストにハビネスをお届けする」ことですが、「仲間とともに達成」できたときにこそ、本当の喜び、働きがいが生まれるのではないかと思っています。この『仲間とともに達成』するためには、後輩の育成やサボートに加え、チームワークが必要です。なので、中堅以上の準社員には、後輩や仲間をサボートしてほしいというメッセージを込めて、その役割を明文化しました。
平田:その役割に応じた評価が、よりダイレクトに昇給に連動する仕組みになっています。バート・アルバイトが職場を選ぶ基準は「働きやすさ・処遇」と「やりがい・自己成長感」のバランスだと思いますが、今回の制度改定はこの両方を高めるものだと思いました。

●コミュニケーションを高める施策
平田:職場の人間関係やコミュニケーションも、人材の定着や成長につながる重要な要素だと思いますが、これについては、どのような取り組みをされていますか。
山田:当社らしいイベントの1つに「カヌーレース」があります。全社で約250チーム、3,000人が参加し、毎年4月から夏にかけて、1日8〜12チームずつ、バーク開園前の早朝にタイムレースを行います。そして、日々その結果がバックヤードに貼り出されます。期間中は勝った、負けたと大盛り上がりで、真剣に練習して臨んでいる本社のチームもあります。決勝戦は一大イベントとなり、社長や役員チームによるエキシビションもあります。
平田:開園前ということは早朝ですよね。すごいですね!
山田:毎日、楽しいですよ。そのほかにも、優れたホスビタリティをキャスト同士で互いに認め合い、メッセージを贈り合う「スビリット・オブ・東京ディズニーリゾート」という取り組みもあります。メッセージ交換の結果をもとに選考された受賞者を称える式典も開催するのですが、受賞者が所属するロケーションの同僚たちが応援団を結成して応援するなど、延べ3,000人程度が参加し、非常に華やかなイベントとなります。
平田:私は、バート・アルバイトは、正社員以上にコミュニケーションを重視しなければならない働き方だと思います。働ける時間が限られていたり、シフトの組み方が固定化しがちなことから、同じ職場にいてもまったく顔を合わさない人がいる、といったことが往々にして生じます。とくに御社のように人数が多いところでは、こうしたコミュニケーション向上策はとても有効なのではないでしょうか。
山田:そうですね。コミュニケーションという点では、部門が違う準社員同士が仲間と出会い、交流する場も設けています。「キャスト・カフェ」というもので、テーマに応じて対象者を選出し、年間500人程度が集まります。ここでは、キャストディベロッブメント部の社員がファシリテーターとなって、職場での取り組みや課題などを話し合ってもらいます。
先輩キャストが過去に困難を乗り越えた経験を話すなどして、お互い共感するうちに、すっきり明るく前向きな気持ちになれたと言ってもらえるとうれしいですね。

 

●厳しさを乗り越え、成長してほしい
平田:私もいちゲストとしてバークに遊びに来ますが、キャストさん同士の連携は、心地良さの肝のように感じます。もちろん、一人ひとりの対応の良さがあってのことですが、バークのなかにいると、とっても幸せな気持ちになれるんですよね。今回の制度改定も、準社員の方々に前向きに受け止めてもらえるといいですね。
山田:上位グレードの準社員にとっては、期待される役割を果たせているかどうかを仲間や後輩からも見られることになるため、当初は厳しさを感じる人もいるかもしれません。けれども、それを乗り越えて成長していってほしいし、その先に自分がどう働いていきたいのかを、会社が例示した10タイブの働き方モデルなども参考にしながら、自分にしかできないキャリアを自ら描き、歩んでいってほしいと思っています。そして、彼ら彼女たちの成長なくして、東京ディズニーリゾートの成長はないと思っています。
平田:今日はどうもありがとうございました。

(2015年12月10日収録/文責・編集部)


 

▼ 会社概要(2014年6月1日現在)

社名 株式会社オリエンタルランド
本社 千葉県浦安市
設立 1960年7月11日
資本金 632億112.7万円(2016年1月末現在)
売上高 466,291百万円(連結)
従業員数 正社員2,229名(2015年3月末現在)
事業案内 テーマパークの経営・運営および不動産賃貸等
URL http://www.olc.co.jp

キャストディベロップメント部
部長
山田恭嗣さん


 

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