事例 No.082 サントリーシステムテクノロジー 事例レポート(新入社員教育)
(企業と人材 2017年1月号)

新入社員教育

記事の内容およびデータは掲載当時のものです。

新入社員・コーチャーがともに成長し
組織で育成にかかわる風土をつくるコーチャー制度

ポイント

(1)年間営業日数の5%(約10日)を研修やセミナーにあてることを奨励する「5%ルール」を実施。年初に1年間の受講計画を立て、上司との面談で振り返る。

(2)新入社員の育成策として、先輩社員を教育係として任命する「コーチャー制度」を実施。2007年に制度を整理し、現在の形となる。

(3)コーチャー制度では、コーチャーの成長も視野に、成果発表会を実施するなど、組織をあげて育てる風土を醸成。

「自立」「協調」「挑戦」を備えた人材を求める

国内外300社以上に及ぶサントリーグループのITサービス会社として、サントリーグループを支えているサントリーシステムテクノロジー株式会社。情報戦略の提案からシステム開発、ユーザーサポートなど、ITを活用したソリューションをグループ各社に提供し、ビジネスを支えている。
経営理念としては、ミッション、ビジョン、バリューが定められている(図表1)。バリューにある「自立」、「協調」、「挑戦」は、そのまま同社がもとめる人材像となる。じつは、数年前までは「協調・挑戦・自立」の順番だったが、社員には「自立」をいちばんに伸ばしてほしいということで、最初にもってくるようになったそうだ。

図表1 サントリーシステムテクノロジーの経営理念

図表1 サントリーシステムテクノロジーの経営理念

同社では、自立した社員を育成していくため、さまざまな制度、研修を実施しているが、なかでも教育・育成面で特徴といえるのが、「5%ルール」という独自の制度を設けていることだ。これは、年間営業日数の5%(約10日)について、日々の業務から離れて研修やセミナーに参加することを奨励する制度である。
参加する研修・セミナーは、趣味的な内容を除いて、業務に関する研修はもちろん、今後学びたいことや知っておきたい知識など、自己啓発でもよい。
同社には、人事が企画・主催するヒューマンスキルやキャリアに関する研修のほか、各部で実施する業務研修がある。さらに、サントリーグループで働く人ならだれでも学ぶ環境は豊富に整っているといえる。
これらの研修の内容やスケジュール、対象者の目安などは一覧になっており、ウェブで見ることができる。社員は、そのなかから各自が受けたいものを自由に選び、上司に報告し、受講する。他部門が実施する業務研修にも参加可能だ。必須研修も一覧化されているため、その内容と勘案しながら、補足すべき研修や知識を探して選び取ったり、社内に求める研修がなかった場合は、外部研修を自分で見つけてきて組み込むこともできる。
社員は年初に、各自で5%ルールを達成するための「受講計画」を立て、人事に提出するそうだ。もちろん、受講費用などはすべて会社が負担する。5%ルールについて、東京オフィスで人事・採用を担当している管理部主任の村岡真智子さんは次のように話す。
「ITの進化・変化は非常に早いため、さまざまなことを自ら学び、自己研鑽していく必要があります。社員には、会社をとおして成長してもらいたいですし、やりがいを感じながらイキイキ働いてもらいたい。そのためには、もっと外に出て、新しい技術、いろいろな考え方、仕事の仕方などを学んでほしいと考えています。社員一人ひとりの成長が、会社の成長にもつながっていきます。5%ルールは、そのための仕組みでもあります」
年初に学びの計画を立てたあとは、中間期と年度末に行っている上司との面談時に、実際にどのくらい受講できたかといった振り返りを行う。計画どおり受講していなくてもペナルティがあるわけではないが、管理部では、どれくらいの人が何パーセント達成したのかを確認しているという。
就職活動中の学生が、「5%ルール」の存在を志望動機にあげることも多いそうだ。学びに意欲的な人材が、必然的に集まってくる仕掛けともいえよう。

2007年度からコーチャー制度を整備

同社の教育のなかでも、近年、力を入れているのが、新入社員の育成である。
2016年度の採用は5人。5月の連休前までは、マナー研修など社会人としての基礎教育をはじめ、自社やグループの活動を知る目的で各施設を訪問したり、業務の説明などを受けたりする。そして、連休明けから約2カ月は、ITの技術研修に入り、それが終了すると配属となる。配属後の新人の育成で重要な役割を担うのが、「コーチャー」と呼ばれる先輩社員である。新人1人に対して、教育係として先輩社員が1人ついて指導にあたる同社の「コーチャー制度(OJT制度)」。大阪オフィス管理部主任の瀬戸山尚子さんは、次のように話す。
「コーチャーは以前から任命していましたが、任命後は、会社は現場に任せ、現場の部署はコーチャーに任せ、結果、コーチャーと新人が1対1で進めていくという構図になっていました。そのため、新人の育成がコーチャーの進め方によって左右され、成長度合いにもばらつきが出ていました。もっとチームとして、組織として、同じ方向を向いて新人を育てていく必要性を感じ、いまのかたちに再構築していきました」
コーチャーの任命は、新人の配属先が決まってから、社長、部長と人事が話し合って決めている。新人の配属先は、グループ会社からの出向者などとの兼ね合いもあるため、だいたい3月末〜4月上旬くらいに大枠が決まり、5月の連休前に確定する。
コーチャーの任期は、新人の配属から翌年3月31日まで。2016年度の場合だと、新人が配属となった6月20日からのスタトとなる。
コーチャーとなるのは、だいたい入社4〜10年目くらいの社員だ。年齢でいうと、中途採用者もいるため、26〜35歳くらい。部署によっては、複数回コーチャーになっている人もいる。任命にあたってはとくに基準を設けておらず、「新人を教える経験をとおして、今後、部下を育てられる人材になってほしい」人を任命しているそうだ。
「コーチャーに任命された人の反応はさまざまです。任命されたことをよろこぶというよりも、多忙ななか、ちゃんと新人の育成ができるか不安に思うほうが大きいようです。これは、『コーチャーになったからには、責任をもって育成したい』という、優しさと責任感からだと思います」(瀬戸山さん)

2回の研修と面談などでコーチャーをサポート

コーチャー制度でめざす1年後の新人の姿は、「新社会人としてのマナー、習慣、嗜好、行動基礎を身につけ、自ら環境に馴染む努力をし、積極的に他社とのかかわりを増やしていける」、「基礎的な知識・スキルを身につけ、チームの一員として指導を受けながら業務を遂行できる」というもの。
コーチャー制度の主な流れは図表2のとおりである。コーチャーがまず行うのは、育成計画書の作成だ。育成計画書では、マナーを含む仕事の基本など「業務スキル」と、各部署における「技術スキル」の、大きく2つをみていく。業務スキルのフォーマットは会社が用意している定型のものがあるが、技術スキルについては各部に任せている。

図表2 コーチャー制度の全体スケジュール

図表2 コーチャー制度の全体スケジュール

コーチャーは、業務スキル、技術スキルそれぞれについて、新人に習得してほしい項目と、できてほしいレベルを記入する。それを基に、9月、12月、3月と3カ月ごとに行われる三者面談(コーチャー、新人、マネジャー)で振り返り、チェックしていく。そのほか三者面談では、育成がどの程度進んでいるか、どのへんが弱いのか、育成上の課題などを話し合い、そこで出た内容も育成計画書に盛り込み、育成を続けていくというサイクルを回している。
はじめてコーチャーに任命された人にとっては、育成計画書を作成すること自体が難しい。そこで、コーチャー任命後に説明会を開催し、コーチャー制度の説明や育成計画書の書き方などを教えている。ほかにも、職場に戻ればコーチャー経験者が周囲にいるため、その人たちに聞きながら、計画書をつくり込んでいく。
部長の承認を経て、育成計画書を人事部に提出したあとは、現場でのOJTに入る。ここで特徴的なのは、7月に開催される第1回目のコーチャー研修までは、とくに研修などは行わず、コーチャーが自力で新人を育成していくということだ。この1カ月間はコーチャーにとって正念場となる。
「1カ月間、自力でやってもらうのは、コーチャーの自主性を育むというねらいがあるからです。最初にいろいろ説明を受けても、コーチャーになったことがない人はよくわからないでしょう。実際にやってみて、そのなかで困ったことがあれば、7月のコーチャー研修で話し合い、解決していくほうが身になります。1カ月の努力があったからこそ、しっかり学べるのです」(村岡さん)
これは、同社のコーチャー制度が、新人の育成だけでなく、コーチャーとなった若手〜中堅社員の成長も視野に入れていることを表しているといえる。
そうやって試行錯誤したあとに開催される第1回目のコーチャー研修(1日間)では、講義とグルプワークを実施。講義でティーチングやOJTの基礎について学ぶほか、自分が教えている新人がどういうタイプで、いまはどんな状況で、何に困っているかを参加者同士で話し合う。
またここでは、新人は組織で育てること、周囲と協力していくことが大事だということも、コーチャーに伝えている。コーチャーは問題を1人で抱え込みがちだが、そうではなく、「自分ができないのであれば周囲に頼むのも、コーチャーの仕事」だと村岡さんは話す。
10月の2回目のコーチャー研修(1日間)では、講義のほか、相手に自分で考えてもらうにはどうしたらよいのかといった、コーチングの要素を含んだワークやロールプレイングなどを行う。
なお、第1回目のコーチャー研修後、コーチャーには「行動チェックリスト」を作成してもらう。これは、制度を通じたコーチャー自身の成長をみるもので、「コーチャー自身の成長目標」のほか、各自が気をつけたいことを記入する「コーチャーとして実践する行動」と、3カ月ごとの振り返りを記入する欄がある。
コーチャー自身の成長目標としては、たとえば、「相手を信じ、任せることができる」ようになるといったことが、実践する行動としては、「依頼した業務に対し、振り返りを実践する」といったことが書かれている。
三者面談と同じタイミングで行われるマネジャーとコーチャーの二者面談では、このチェックリストをもとにマネジャーから指導を受けながら、振り返りを行っていくという。

コーチャーの成長もみる成果発表会

約9カ月間におよぶコーチャ制度の集大成といえるのが、成果発表会(活動報告会)である。3月末〜4月初旬に半日をかけて、東京あるいは大阪で実施、ウェブで中継もしている。
成果発表会は、新人10分、コーチャー5〜10分、マネジャーからの一言と質疑応答10分という流れだ。社長や役員が参加するほか、一般社員の参加も可能。
新人は1年目の仕事の振り返りや自身の成長点、2年目の課題目標、その達成に向けた自己啓発などについて、パワーポイントの資料を使って発表する。コーチャーは、育成計画書にもとづく1年目の新人の成長点や課題、コーチャー業務を通じた自身の成長点、今後の目標について発表する。
「新人の課題」といったネガティブ面については、発表するのに躊躇してしまいそうな気もする。
「約9カ月間をとおして、新人とコーチャーのかかわりは濃く、深くなっています。『この人に言われるのであれば』という信頼感があるからこそ、耳に痛いことも言えるようになります。『こんな人だと思っていたけど、じつはこうだった』、『こうなってほしくて、あえて厳しくしていた』といったように、育成中はなかなかいえなかったことを出せる場にもなっていて、発表会に暗い雰囲気はありません」(瀬戸山さん)
たとえば、あるコーチャーは、「コーチャーからみた修正してほしい点」として「自分の言いたいことを整理してから報連相すること」、「曖昧なことをそのままにしないこと」などをあげたあとに、「お前はまだまだいける!」と激励のメッセージを伝えたそうだ。
そのほか、「おまけ」として、「サポートがほとんどできなくてごめんなさい」、「自分でじっくり考えてがんばる姿をよく見ました」、「いまの笑顔を忘れずに、がんばって」といった、面と向かってはなかなか言いにくいことを伝えたコーチャーもいた。
この成果発表会のもう1つの目的は、コーチャー自身のがんばりを、新人や経営層、ほかの社員に伝えることである。そのため、以前は新人のみだったが、2014年度からコーチャーも発表するようにしたという。
「コーチャーは仕事が忙しいなか、いろいろ悩みながらも、新人を指導してくれています。それを皆に知ってもらいたかったのです。そしてコーチャー自身にも、大変なだけではなく、自分も成長できる機会だということを意識してもらいたかった」(瀬戸山さん)
発表会では、「コーチャーという立場をとおして、自分がまだまだ至らないことに気づいた」、「周囲へのヒアリングから、急かさない、答えを出さない接し方を学んだ」、「自分の改善すべき点に気づいた」、「わかっていないと教えられない。自分のスキルの見直しになった」といった声が、コーチャーから寄せられるようになった。コーチャー制度は、コーチャーの成長にも確実につながっているようだ。
コーチャーの発表のあとは、マネジャーが、新人とコーチャー双方にメッセージを送る。ここでも、9カ月間をねぎらい、次に向けて発破をかけるような声が多くあがる。
質疑応答では社長や役員から、「自分が成長した点は本当にこれか」と突っ込まれたり、「もっとその先のことまで考えないとだめ」と指摘されたりするなど、厳しい発言が出ることもある。これにより、全体的にバランスのとれた発表会になっているともいえそうだ。

より多くの社員にコーチャー経験を

このように、会社をあげて育てる風土を醸成している同社。コーチャーやマネジャーにとっては、発表会の準備という仕事が1つ増えることにもなるが、否定的な声はあがっていない。
「育成が大事だというトップメッセージもありますし、新人はみんなできちんと育てるものという意識が、社内にできてきたようです」と村岡さんは話す。

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最近は、成果発表会への社員の参加が増えているなど、いろいろな人が新人育成に関心を寄せてくれるようになってきた。「コーチャー制度は、コーチャーだけがやっていればいい」というものではないことが社内に広まっていることを、瀬戸山さん、村岡さんはよろこんでいる。そして、「もっと多くの社員にコーチャーを体験してもらいたい」という。
「システムエンジニアは忙しい仕事ですが、グループから頼られる存在でなくてはならないと思っています。そのためには、まずは一人ひとりがイキイキと働けることが大事です。そうして個人が成績を残し、会社も伸びていけるのが理想です。その第一歩としてコーチャー制度があります」(村岡さん)
瀬戸山さんは、「イキイキのポイントは各自違うでしょう。これからは、自分が納得して働ける環境を、自分でつくっていってほしいと思っています」と自立を促す。
まさにイキイキと自社の施策を語ってくれた2人。「自立」、「協調」、「挑戦」を核に、そのために必要な施策、制度をいろいろと打ち出している同社。こうした人事担当者の存在が、組織活性化のカギを握っているといえるだろう。

(取材・文/江頭紀子)

●タグラグビー研修 体験レポート●

サントリーシステムテクノロジーは2016年、初となるタグラグビー研修を実施した。サントリーのラグビーチーム、サンゴリアスの協力を得て行われたこの研修。もともとは、サントリーグループの人事担当者向けに実施され、それを受けた瀬戸山さん、村岡さんが企画し、社内で実施することになったという。
2016年11月に、大阪、続いて東京で開催。秋晴れの土曜日に10時から16時半、東京オフィスの社員を対象に、府中にあるサンゴリアスのホームグラウンドで行われた研修に、小誌編集部員も参加させてもらった。当日の参加者は59人。研修のねらいや様子、研修後の感想などをレポートしたい。

タグラグビーで組織活性化、自立を促す研修
「タグラグビー」とは、ラグビーの要素を取り入れた、子どもでも安全に行うことができるように工夫されたスポーツである。腰にベルト(タグ)をつけ、それを取られないように相手のゴールにボールを運ぶと点が入る。今回、講師を務めたスマイルワークス株式会社・代表取締役の村田祐造さんは、タグラグビーを「体感型チームビルディング研修」として、社員研修に応用している。
今回の研修のねらいは、「組織活性化」と「自立」。「ラグビーは全員で同じ目標に向かって進みます。ルールがわからない人も多いと思いますが、ビジネス環境も日々激変していて、先がわからないなかで進めていくことが求められます。難しいからこそチャンスがあるのです」と、村田さんはラグビーとビジネスの共通性を解説する。
そして、「感謝を根底にもつ」こと、チームパフォーマンスは「行動(何を)×感情(どのように)×関係の質(だれと)」によることとして、結果を出すためには「関係の質」を高めるのが最短距離だと説明する。
村田さんの話を聞き、徐々に気分が高まってきたなか、参加者はグラウンドに移った。

相手のよいところに注目する
準備体操のあとのチーム分けでは、まずキャプテンと副キャプテンを募集。自立がテーマのため、指名はしない。すると、どちらも募集以上の手が上がった。8チームに編成し直したあと、キャプテンと副キャプテンに、「ひと言で言えるチーム理念(スローガン)を決め、それを体で表す」というお題が与えられた。制限時間1分でプレゼンし、ほかの社員は気に入ったチームにメンバーとして入るのだが、もちろん即興である。ほとんど時間もないなか、「汗と涙とチームワーク」、「SSTLOVE」など、工夫を凝らしたチーム発表がなされ、グラウンドは笑いと拍手に包まれた。
その後は、チームごとにボールを受け取ったり走ったりする練習を開始。村田さんからは、ミスしたら「ごめん」と言う、ほかのメンバーは駆け寄って拳と拳をくっつけて「グー!」、「ドンマイ!」と言ってフォローするというルールが提示された。
身体が温まってきたところで、チーム対抗でパスの正確さと早さを競い合った。そこで村田さんが強調するのは「良いところを褒めよう」ということだ。「『なんでそんなところに投げるの?』など責める言葉は、相手の良い部分をダメにしてしまう。『チャレンジ精神旺盛だね』などと言えば、良さが活かせます」。
昼食後はいよいよ試合だ。タグラグビーは、走ると反則となる。ボールを持っていても、腰につけたタグを取られると、3秒以内にパスしなければならない。しかも、自分より前にパスすることはできないし、オフサイドも無効になる。正規のコートの4分の1を使い、試合時間は7分にもかかわらず、汗が出るほど白熱した。
途中からは、「パスするときは声を出そう」、「ミスしそうだったら、みんなで注意を促そう」など、アドバイスし合う場面も見られた。何かあるたびに拍手が起こり、連帯感がしっかり生まれているとも感じた。
パスをつないでゴールラインまでボールを運べば、ラグビーと同じくゴール権が与えられる。蹴るのは、本物のゴールポストに向かってだ。何度蹴っても入らないチームが、「はずれても大丈夫、また皆でゴール権をとればいいから」と励まし合っていたのが印象的だった。

研修を経て、さまざまなことを感じる
試合後の振り返りでは、3人1組になり「今日の体験のなかで最も印象に残ること」、「『最高のチーム』をつくるためには何が最も重要だと感じたか」について話し合った。村田さんは、対話的に振り返ることで内容が深まり答えが出てくると説くと同時に、1人で内省して深掘りすることの必要性も強調する。
さらに「自分のトリセツがわかればうまくいく。自分の個性を活かして、自分が自分のコーチになろう。自分を活かすことができれば人も活かせる」として「、同じ職場の人と、よりよい職場にしていくにはどうしたらいいか話し合ってみよう。今日、一体感を味わった感覚を、これからも大切にしてほしい」と結んだ。
チームの一員としてタグラグビーにも参加した山内雄彦社長からは「自立とチームワークは両方大事。チームビルディングはチームによって変わるので、何度か違うチームでやるといい。これだけの力があれば何でもできる。今後も楽しい研修を続けたい」とエールが送られた。

研修で得たことを業務に活かしていく
タグラグビー研修について、村岡さんは、「組織の課題はいろいろありますが、テーマを『組織活性化』と『自立』に絞りました。昨年から、『イキイキプロジェクト』という働き方改革に取り組んでいますが、社員にはどこか受け身の傾向があります。自ら取り組むことで変わっていくということを体感してほしかったので、タグラグビー研修をやってみることにしました」と語る。プログラムは、社内意識調査の結果を村田さんと共有しながら、つくり込んでいったという。
ネックだったのは「休日に、全社員が対象」ということ。夏ごろに出した最初の案内では「基本的には全員参加を」と告知したが、「反応は冷ややか」だったという。当日は、言われて来た人もいた。しかし、グラウンドに立てば、そんなことは忘れて大盛り上がり。
研修の最後に自主的に感想を言う「自主的なスピーチ」では、日ごろおとなしいと思われていた社員が手を上げ、会社で見るのとは違う様子に驚く場面もあった。
振り返りアンケートでは、「チーム全員が意見を言い合えることが最も重要だと感じた」、「傾聴し配慮することで、チームワークがもっと深まる」、「しっかり頭も体も使うことで、聞くだけの研修より発見や感じたことが多かった」など肯定的なコメントが並んだ。村岡さんも瀬戸山さんも「こうなってくれれば、ということが書かれていたので、単純にうれしい。楽しかっただけでなく、いいチームになるための視点が入っていたので、研修を実施した成果がありました」とよろこぶ。
全員参加をめざしたが、仕事や家庭の事情で参加できない人もいた。参加者は、大阪・東京ともに社員の60%強だ。しかし2人は、「参加した人たちが参加していない人たちにどう伝え、巻き込んでいくかが大事」だと口をそろえる。実際、職場での打ち合わせ時に、タグラグビー研修の最後に上映した「笑顔の映像」を流し、参加していない人に様子を伝えたチームもあったそうだ。
「またやりたい」という声も上がっているが、「2回目をやるのであれば、もっと内容をひねらないといけないと思っています」と瀬戸山さんは言う。「タグラグビー研修ではいろいろな気づきがありましたが、これをどう業務に活かしていくかが次の課題」だとも話す。
「やってみなはれ」の精神がみなぎるサントリーグループのサントリーシステムテクノロジーで、次にどのような研修が行われるのか、楽しみである。


 

▼ 会社概要

社名 サントリーシステムテクノロジー株式会社
本社 大阪府大阪市
創業 1990年(平成2年)3月
資本金 2,000万円
売上高 49億円(2015年12月末現在)
従業員数 185人(2016年11月末現在)
事業案内 サントリーグループのITサービス全般(アプリケーション、インフラ、デジタルマーケティング、技術開発など)
URL http://www.suntory.co.jp/sst/

(左)
管理部主任
瀬戸山尚子さん
(右)
管理部主任
村岡真智子さん


 

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