「上司の評価」「会社の評価」

人事

人事考課・人事管理
「上司の評価」「会社の評価」

■塩津 真・著
■四六判・168頁
■本体価格 1,400円
■ISBN 978-4-87913-988-7 C2034
■発行日 2007年5月

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目次

はじめに
「評価」はみんなの嫌われ者?

第一章 今の時代の「評価」の意味と管理職の役割
一.評価を行う意味・目的
「評価」の目的についての四つの回答/「人事評価」の目的は時代とともに変化してきた/マネジメントプロセスとしての「振り返り評価」の意味が注目される/「給与」の考え方の変化が「人事評価」の意味の転換を招く

二.今の時代の評価の構造
「今の時代の評価」を考える三つの前提/「いい仕事」をするために、「振り返り評価」は不可欠なマネジメントプロセス/「人事処遇制度」は、職場で「いい仕事」を行うサポートシステムとして存在/「振り返り評価」と「処遇評価」との間に整合性を持たせる/処遇決定のために「評価」を行うのではなく、「評価」の結果を処遇に反映させる

三.評価における管理職の役割
管理職の使命は「職場業績」を追求すること/「処遇評価」の責任を現場の管理職に負わせてはいけない/管理職としての立場によって「処遇評価」に対する責任は異なる

第二章 上司の評価―マネジメントプロセスとしての「評価」―
一.上司の行う「振り返り評価」の意味と構造
「振り返り評価」とは、仕事の「分析」と「総括」を行うこと/仕事の「成果」と「プロセス」を分析し、「課題形成」を図る/ふさわしい「総括」を行い、「動機づけ」を図る

二.「仕事の成果」として上司が評価すべきもの

仕事の意味・目的を理解し、正しい「業績指標」を持つ/業績の追求を動機づける「目標」を明快に設定する/「個人」よりも「職場業績」「全社業績」が優先することを明示する/「長期的業績貢献」の視点を持ち、「経営資源の開発」を役割としてとらえる/「業績評価」は、「目標達成度」と「目標レベル」の視点から見る/「目標達成意欲」「目標レベル向上意欲」「職場目標貢献意欲」を動機づける

三.「仕事のプロセス」として上司が評価すべきもの

「成果」を出すために、ふさわしい「行動」を発揮する/ふさわしい「行動」を発揮するために「能力開発」を行う/適正な「課題」の形成力は、上司にとって必要な「指導・育成力」/「行動評価」「能力評価」によって、上司の「指導・育成力」をカバー

四.上司による評価のフィードバック
面談で上司が「評価のフィードバック」を行う/明快なメッセージを「フィードバック」する/本人が理解しやすいように「フィードバック面談」を展開する/「導入」を丁寧に行うことで、「面談」を成功に導く/「信頼関係」の構築を意識して、「面談」を終了させる

第三章 会社の評価―処遇反映による「動機づけ」と「キャリア開発」
一.動機づけと処遇反映の関係
「動機づけ」を強化するために評価結果を「処遇」に反映する/動機づけるべき内容に応じ、処遇反映のし方を考える/「相対比較」ではストレートに動機づけることはできない

二.「給与」の内容と動機づけ

「年収」は、社員の価値を会社がどう評価しているかのバロメータ/「基本年収」の変動幅が大きすぎると、動機を下げる結果につながる/何を「褒賞」するために「賞与」に評価を反映しているのかを明快に示す/「褒賞金」を「インセンティブ」として有効に活用する

三.「キャリア開発」と「役割レベル」の評価

個別に「キャリア開発」を考えていく時代になってきた/多種多様な「プロフェッショナル」「マネジャー」の育成が必要/「役割レベル」を評価することで「キャリア開発」を促進する/「抜擢」「淘汰」の視点を入れて「人事処遇制度」を構築する

四.「キャリア開発」の具体的展開

会社が開発したい「キャリアタイプ」を明示する/「キャリア開発」のプロセスを具体的に示す/「役割レベル」と「業績評価」の整合性を取る

五.処遇評価のフィードバック

上司との面談で「処遇結果」のフィードバックを主テーマにする必要はない/経営者からのメッセージとして「処遇反映結果」を通知する/処遇反映の考え方・ルールを丁寧に説明することで誤解を招くことを防ぐ/必要に応じ、処遇反映の考え方・ルールを見直す

第四章 評価を適正に行うための技術
一.「評価の信頼性」とは何か
信頼性の高い評価のために、「妥当性」「客観性」「標準性」を確保する/「評価に対する誤解」や「部下との接点不足」が、評価の「信頼性」を低める/評価に慣れていくことで、「標準性」を確保する/上司の価値観の偏りが「評価のクセ」を生む

二.「二次評価」「評価のすり合わせ会議」の効用
評価のプロセスの中に、「評価の信頼性」を高める仕組みを入れる/「二次評価」を行い、「一次評価」の内容をチェックする/「すり合わせ会議」で「標準性」の確保を行う/会議を「評価スキル」の開発の場として活用する/「人材情報」を共有し、長期的な人材開発を促進する

三.「ランクづけ」のメカニズム
「評価ランク」は、認識レベルを尺度化したもの/「間隔尺度」として「標準性」を確保することが重要である/どのような「母集団」から考えた「標準性」なのかを明確にする/「標準性」を共有しやすい「五段階評価」を適用する/中間的な「評価ランク」を廃することで、評価にメリハリをつける/「満足ライン」の位置づけを共有化し、「標準性」を確保する/「満足ライン」の位置づけにより、動機づけの意味が変わる

四.要素別評価と総合評価
「要素別評価の総合」と「総括評価」は違う/「総括評価」を行うための「要素」を完全に設定することはできない/課題形成を行う切り口として、「要素別評価」を行う

第五章 「上司」「会社」以外の評価
一.「自己評価」を行う意味
「振り返り評価」の主体者は「上司」と「自分自身」/「上司評価」と「自己評価」を並行し、相互の主観をつき合わす/「上司評価」の事前に「自己評価」を行う

二.「360度評価」の考え方と展開
「360度評価」によって「評価の信頼性」を高める/評価責任者の参考データとして「360度評価」を活用する/「360度評価」ではなく、「360度フィードバック」/「記名」による評価が行える風土作りを期待する

三.社外の専門家による評価

社外の専門家が社員個々の処遇決定に直接関与することは難しい/「人材」としての可能性を「アセスメント研修」によって評価・診断する

あとがき

はじめに

「評価」はみんなの嫌われ者?

年に一、二度(もしくは、それ以上)決まった時期になると会社から「人事評価」を行うようにとの指示があり、社内に憂鬱な空気が流れます。多くの社員は「評価」という言葉の中に、どうしてもネガティブな響きを感じてしまいます。「他者と比較されて、序列付けされる」「自分の問題点・欠点をほじくり出される」「どうせ上司はわかってないのに」。常に「一番」の評価を受ける人でもない限り、「評価」とはあまり楽しいものではないようです。

「評価」に対してネガティブな印象を持っているのは、何も評価される側だけではありません。評価する側、つまり管理職達にとっても「人事評価」の時期は憂鬱です。「どんな評価をしたところで、部下たちからは文句を言われる」「上司(二次評価者)からは『評価が甘すぎる』と叱られる」「そうじゃなくても忙しいのに、なんでこんな余計な手間の掛かることをやらせるのか」。評価に対する不満を聞き始めたらキリがありません。「だいたい自分には『人を評価する』なんていう役割は無理なんだ」「評価をさせられるぐらいなら、管理職から降ろしてもらいたい」なんて声さえ聞こえてきます。

「人事評価」を推進する人事部門や経営者側にとっても、文句を言いたいことが一杯です。「みんなは誰のために評価を行っているのかがわかっていない」「みんながちゃんと評価をしてくれないから、人事部門の苦労が絶えないんじゃないか」。まさに、「評価はみんなの嫌われ者」といった様相を呈しています。

それでは、本当は「誰のために」評価を行っているのでしょうか? また、「ちゃんと評価をする」とはどういうことなのでしょうか? 実は、このことをきちんと整理して理解していないところに評価が「嫌われ者」になっている原因があるようです。

本書は、そのような「評価」が、「みんなの嫌われ者」であることから脱し、適正に理解・活用されることを目的に執筆したものです。そして、そのために、「今の時代」における「評価」の意味・内容を「職場におけるマネジメントプロセスとしての評価(上司の評価)」と「社員個々の処遇決定のための評価(会社の評価)」という二つの視点から整理し、構造化して、ご紹介しています。

この本をご覧になる皆さんは、部下を評価する立場の会社の管理職かもしれません。もしくは、会社の中で評価の仕組みを構築する立場の経営者や人事担当者かもしれません。場合によっては、評価をされる側かもしれません。いずれの立場であっても、本書をご一読いただくことで、「なるほど、そういうことだったんだ!」というご感想をお持ちいただき、すっきりとした気持ちで、正しく「評価」の仕組みを構築し、また、取り組んでいただけるようになることを心より祈念いたします。

塩津 真

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