改訂3版
人事考課実践テキスト

人事

人事考課・人事管理
改訂3版 人事考課実践テキスト

■楠田 丘・監修/斎藤清一・著
■四六判・280頁
■本体価格 1,500円
■ISBN 978-4-87913-848-4 C2034
■発行日 2003年6月

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目次

第1編 人事考課制度とは
1 これからの人事考課制度
1.新人事考課制度の特色
(1)実績・査定中心主義から能力開発主義へ
(2)相対考課から絶対考課へ
(3)非公開から公開へ
(4)働きがい、生きがいにつながる育成型、絶対考課へ
(5)育成聖人事考課の3つのポイント
(6)絶対考課とは、面接制度で人事考課は成立する
(7)係長以下の人事考課
(8)管理者以上の人事考課
(9)人事考課は組織活性化の手段
(10)考課者訓練の定期的実施
(11)考課者訓練の内容
2.新人事考課制度の全体像
3.人事考課とは
(1)人事考課の定義
(2)人事考課の2つの側面
(3)人事考課の目的
(4)人事考課制度の内容
 1.人事考課の構成とその墓準
 2.能力と成績の関係
 3.情意考課の意義
 4.成績考課と業績考課の違い
 5.業績考課とは
2 能力のとらえ方
(1)能力とは何か
(2)能力の範囲とその把握の仕方について
(3)人事考課で取り上げる能力とは
 1.能力の概要
 2.能力の構成
3 人事考課制度の組み立て
(1)能力考課とは
 1.能力考課の基準は職能要件
 2.職能資格等級別の能力考課要素
 3.能力区分の職能段階別重点度合い
 4.能力考課のつけ方
(2)能力考課要素の選択
(3)考課段階の選択の仕方
 1.能力考課における「期待要求水準」の考え方
 2.職能要件の水準の定義
 3.能力考課の段階
(4)成績考課とは
 1.成績考課の構成
 2.考課基準の設定
 3.課業目標(重点目標、一般的目標)の設定
 4.成績考課のつけ方
 5.業績考課のつけ方
(5)情意考課とは
 1.情意考課の内容
 2.情意考課の考課のつけ方
4 人事考課の判断行動
1.人事考課の3つの判断行動
2.行動の選択
(1)行動の記録
(2)人事考課で取り上げる行動の範囲
(3)考課期間
 1.成績(業績)・情意考課
 2.能力考課
3.要素の選択
(1)考課要素とは
(2)考課表の着眼点
(3)要素の選択のルール
 1.1つの行動は1つの要素で
 2.“島”が違えば2つ以上の「要素」に
4.段階の選択
(1)基準「B」に対する考え方
(2)基準“S”と“D”に対する考え方
(3)その他、段階の選択に当たっての留意点
 1.チャレンジしたときの考課はどうつけるべきか
 2.配転・昇格と人事考課のつけ方
 3.情意考課
5 人事考課の事務手続き
1.第一次・第二次・第三次考課の意味と各々の独立性
 1.第一次考課
 2.第二次考課
 3.第三次考課
2.考課者および被考課者(部下)の区分
3.考課者・被考課者が異動した場合の取り扱い
(1)成績(業績)・情意考課の実施
(2)能力考課の実施
4.考課者と被考課者(部下)が同待遇となる場合の取り扱い
5.兼務者の取り扱い
6 人事考課の取りまとめ
1.ー次考課と二次考課・三次考課のくい違い
(1)成績考課は一次考課を尊重する
(2)情意考課は二次考課を尊重する
(3)能力考課は三次考課を尊重する
(4)評価の一致がみられない場合
(5)業績考課の取扱い
2.成績考課の取りまとめ(課業別遂行度と総合評価)
3.考課結果のフィードバック
 1.フィードバックの狙い
 2.フィードバックする際の留意点
 3.部下の自己評価と上司評価の照合・確認
 4.部下の自己評価が意味するもの
 5.人事考課の長期分析
7 人事考課のエラー
1.ハロー効果
2.寛大化傾向
3.中心化・極端化(分散化)傾向
4.論理誤差
5.対比誤差
6.近接誤差
8 考課者の基本的心構え
1.人事考課の正しい理解のために
(1)能力開発への結びつけ
(2)考課者の役割
2.考課に当たっての注意事項
(1)考課者の基本的心構え
(2)3つの判断行動
(3)能力把握に関する注意事項

第2編 面接制度とは
1 新人事管理時代の職能期待像
(1)等級基準
(2)職務基準
(3)職群基準
2 面接制度とは
1.目標面接とは
2.中間面接とは
3.育成面接(フィードバック)とは
4.目標面接制度の構成
5.目標面接制度の波及効果
6.面接実施前の諸準備と心構え
(1)部門自標の設定と方針の徹底
(2)能力開発力ードの事前回収と内容検討
(3)能力開発力ードの作成
 1.職務編成の仕方
 2.期待基準の設定の仕方
 3.遂行基準
 4.能力開発目標
 5.情意(マインド)目標
 6.部下と上司による相互評価
7.次期目標設定のための事前準備
 1.前期の振り返り
 2.能力伸長度(自己啓発)等の確認
 3.部下の適性の把握
 4.職種別課業一覧表と職能要件書の見直し
 5.カード作成にあたっての管理者の指導・援助
8.能力開発力ードの点検
 1.当人のレベルにふさわしい目標であるか
 2.前期よリプロモートした内容になっているか
 3.部門(課・係)の目標や方針に合致したものであるか
 4.課業配分のバランス、レベルは適切か
 5.育成プランが組み込まれているか
9.今期の目標の設定
(1)業務目標の設定
(2)能力開発目標設定のポイント
(3)情意目標設定のポイント
10.面接の実施
11.面接の進め方
(1)面接をうまく行うためのポイント
(2)面接の留意点
12.面接制度運用上の留意点
(1)目標の設定
 1.部門方針(目標)の明示
 2.自己(部下)による目標の設定
 3.上司による目標のチェック
 4.期待基準の明確化
(2)職務遂行の中間フォロー
(3)達成度評価の話し合い
 1.部下による自己評価
 2.上司による評価
(4)人事考課への反映
(5)等級指定のない課業・プロジェクト業務の取り扱い
3 人事考課段階を決めるときの考え方
(1)考課段階「B」(期待のレベル)で出来るための手段、方法とは
(2)能力開発目標の設定の仕方とは
(3)情意目標の設定の仕方は
(4)チャレンジ目標の内容
4 コンビテンシー評価とは
(1)コンビテンシーの構成
(2)コンビテンシー評価の活用
5 人事考課質疑応答集
6 人事考課段階選択基準(例示)
 A 成績考課
 B 情意考課
 C 能力考課
 D 営業関係・成績(業績)考課
7 K社人事考課規程(例示、-部抜粋)

資料編
 考課者訓練プログラム(例示)
 面接者訓練プログラム(例示)
 行動観察メモ(記入例)
 能力開発力ード(例示)
 能力開発力ードの作り方
 育成のための分析シート
 育成面接(フィードバック)メモ
 A社の成績・情意考課表(一般職)(管理職)
 B社の能力考課表(一般職)(管理職)

はじめに

最近、人事考課の考え方やあり方は、大きく変化しています。それは、良い人と悪い人と差をつけていく「査定型」の人事考課から差をなくしていく「育成型」の人事考課へと大きな転換が図られているのです。かつての上からの一方通行だった人事考課に本人の自己評価をメインとして、社員一人ひとりの意思を反映させ、納得性と客観性のある制度へと見直しや改善作業が進められています。
その作業の中で、最も大切なポイントは、考課基準をまず絶対考課を基本にした「加点主義」の人事考課に切り替えることです。
リスクのある難しい仕事を遂行したときにはプラス1点を加え、結果がB(普通)評価であれば、A(優れている)評価に、Aであれば、チャレンジ加点をして、Sにする考え方です。すなわち、リスクにもめげずに努力をしたとき、その努力を認めようというものです。
また、人事考課の目的を考えるとき、社員にとっては「働きがい」「生きがい」に、企業にとっては生産性向上に結びつくものでなければなりません。併せて上司である管理者の管理能力の向上に結びつくものであること等々が今日の新しい人事考課の考え方です。
そのためには、「基準」を明確にすることが人事考課の出発点です。従来の賞与、昇給のための人事考課から、能力開発や昇格、昇進など、適材適所配置、人材の活用などに主たるねらいを置いた考課へと変わってきているわけです。これらの目的を遂行するためには、次に上げるいくつかの重要ポイントを理解する必要があります。
その第1のポイントは、面接制度を導入することです。上司から与えられた目標は、ノルマになります。ですから、目標は本人自身が立てて、しかも、その達成度について自分で評価をします。
自分で目標を立てるから責任も重くなるわけで、目標設定や評価時に上司と面接を重ね、目標の遂行状況やその達成度、原因分析を中心にして、今後の事態改善やOJTを徹底的に推進し、能力開発や人材育成に確実に結びつけることが大切なのです。
第2のポイントは、人事考課を人間関係の醸成のツール(道具)として使うという点です。目標面接時の上司と部下の原因分析を中心とした徹底した話し合い、中間面接によるフォローおよび、きめの細かい結果(育成)面接を通じて、上司と部下の信頼関係は一層深いものとなります。優れている点はほめ、悪い点は叱る。人事考課の結果から部下にフィードバックを行い、良い点は更なる発展を期待し、悪い点は上司の今一層の指導、援助、協力体制を常にし、事態改善に結びつくように、人事考課の結果からほめて、ほめて、しかって、しかって、ほめるわけです。
第3点は、減点主義から加点主義への転換です。「新しいことに挑戦して失敗した人より、何もしない人が評価されるのは納得がいかない」とする考え方が大勢を占めつつあります。特に大企業病などといわれる会社では“過去の前例を大切にする”考え方がありますが、過去の前例を良しとすれば、人事考課は必然的に減点主義になるわけです。前例にない失敗は厳しく罰せられることになります。
ところがイノベーションとは、すべて前例にないことを行うことであり、イノベーションは加点主義人事制度の上にしか成り立たないといえます。「挑戦加点」という革新加点は、企業の新しいシナリオを作り出すロマンを包含しているのです。すなわち、この新しい人事考課の考え方には、社員一人ひとりのやる気を喚起するのも、狙いの1つとしてあるのです。
今まで、新しい人事考課のあり方、考え方について、そのポイントを触れてきました。さて、本書では、「第1編 人事考課理論と実際」「第2編 面接制度理論と実際」から構成しました。
既述のとおり、加点主義の人事考課理論等を解説するとともに実務に即、活用できるよう「管理監督者対象のテキスト」として編集しました。人事考課を適正につけられなければ、管理者にはなれません。また、人事考課制度は、面接制度を核にして成立しますが、この面接制度を通じて管理者も部下も成長することを十分認識してください。
本書の特徴は、人事考課のつけ方、目標のつくり方、評価の仕方、考課結果のフィードバックの仕方、面接をうまく行うポイントなど、人事考課、面接制度のノウハウを多岐に亘り盛り込むよう努めました。
なお、本書の理論構成は、人事、賃金の大家である恩師・楠田丘先生の理論をベースに筆者のコンサル活動から得た実務を付加してまとめたものです。
本書の成るにあたっては、このたびも、楠田丘先生に監修をお願いいたしました。

斎藤清一

追記:本書は1993年11月に刊行した『入門考課者訓練面接訓練実践テキスト』を大幅に加筆し、改題したものである

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