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労務事情
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2004/12/1
Q

労働者代表の選出 :
電子メール等で労働者代表を選出できるか?

電子メール等のイントラネット (社内 LAN) を利用しての労働者代表の選出も可能でしょうか?
   
A 可能ですが, 民主的な選出手続きになるように行う必要があります。
 
労働基準法施行規則6条の2は, 労働基準法上の労使協定の締結当事者となる過半数代表者について, 1号 「法第 41 条第2号に規定する監督又は管理の地位にある者でないこと」 (当該事業場に管理監督者しか存在しない場合を除きます), 2号 「法に規定する協定等をする者を選出することを明らかにして実施される投票, 挙手等の方法による手続により選出された者であること」 という2つの要件を満たすものとしています。

@何を締結する過半数代表者であるのかがあらかじめ明らかにされ, A投票, 挙手 「等」 で選出されることが要求されていますが, 具体的にどのような選出手続きを行うべきかについては, 投票, 挙手に限定されておらず, 明確な定めはありません。 当該事業場の従業員の意思を反映しうる方法で, 過半数の支持を得たことが確認しうる手続きを果たしていれば, 適法なものといえます。

社内 LAN の利用が一般的にこのような民主的選出を阻害するものとはいえませんから, 利用自体は可能です。 ただし, その利用にあたって, 結果的に適正な選出方法ではないと評価されることのないよう留意する必要はあるでしょう。

メール等で候補者への投票や信任の意思を確認する場合も, 当該事業場の労働者 (管理監督者も含む 「当該事業場の労働者」 が分母になります) が, どのような目的の過半数代表者選出であるかを理解し, 選出に対する投票なり信任の意思なりを表明できる現実的環境の中で選出されなければ, 適切な過半数代表者とはいえなくなります。 一部の者が情報や意思表明手段から排除されている状態での選出は, 民主的選出方法とはいえないと考えます。 また, 投票や集計を, 専用フォーム等を設けてネット上で行うこと, 信任の意思を示すメールを使用者がとりまとめること自体に問題はありませんが, 投票の公正性について後々トラブルが生じることも予想されますので, 不正票や二重票が生じないよう記名式にする, あるいは当該メールの記録を保存しておくといった対応も必要でしょう。

適正な選出手続きは労使協定の効力を認める前提となります。 判例では, 従業員親睦組織内で選出された代表者というだけでは適法な過半数代表とはいえないとして, 締結された 36 協定が無効とされています (トーコロ事件最高裁第2小法廷平 13・6・22 判決 労働判例 808 号 11 頁)。

勝亦啓文

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