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派遣契約の存続期間中に直接雇用をすると, 派遣元に対する債務不履行責任が発生します (交渉してはならないという意味ではありません)。 他方, 派遣法 33 条1項は, 派遣元が, 「正当な理由がなく」, 派遣終了後に派遣先に雇用されることを禁ずる旨の契約を締結してはならないとしています。 また同条2項は, 派遣元が, 派遣先と同様の契約を締結することを禁止しています。 労働者の職業選択の自由は憲法上の権利であり最大限尊重されますから, これを制限してもやむを得ないとされる 「正当な理由」 があると認められるのは, 派遣元の営業秘密を保護する必要が高く, かつその対価が労働者に支払われているなど, ごく限定的な場合に限られるでしょう。
この意味で, 派遣契約終了後に, 派遣先が当該派遣労働者を直接雇用することは, 原則として自由であるといえます (なお, 一定の条件を満たした派遣労働者には, 派遣終了後, 派遣先に当該派遣労働者を直接雇用する努力義務 (派遣法 40 条の3), 雇用締結を申込む義務 (同法 40 条の4, 5) が生じます)。
例外的に派遣終了後の直接雇用が違法とされるのは, 前述の 「正当な理由」 のある特約が結ばれていた場合か, ことさら派遣元の事業を妨害する目的で行う引き抜きのように, 一般的な取引慣行からみても著しく不当と評価される場合に限られます。
しかし, 派遣元も相応のコストを負担して派遣労働者の育成を図っているわけですから, 一方的に派遣労働者を採用すれば, 派遣元との事実上の関係が悪化することは予想されます。 当初から採用を予定しているのであれば, 紹介予定型派遣の形で派遣労働者を受け入れたほうが望ましいといえます。 紹介予定型派遣とは, 派遣契約終了後の直接雇用を予定した派遣の形式で, 派遣元事業主が職業紹介事業の許可を受けて行うものです。 紹介予定型派遣の場合, 派遣前の事前面接等により労働者を特定することが認められます。
ただし, 「派遣先事業主が講ずべき措置に関する指針」 (平 11.11.17 労働省告示 138 号) 第2の18 により, 派遣の上限が6カ月となること, 派遣元から求めのあった場合は不採用理由を明示すること, 例外として認められる場合を除き年齢・性差別を行ってはならないことといった制約が付されています。
勝亦啓文
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