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労働者派遣事業を実施する者のうち, 「その事業の派遣労働者 (業として行われる労働者派遣の対象となるものに限る。) が常時雇用される労働者のみである労働者派遣事業」 が 「特定労働者派遣事業」 と呼ばれています (派遣法2条5号)。 いわゆる, 「常用型派遣」 といわれる派遣を行っている事業がこれにあたります。
一方, 特定労働者派遣事業以外の派遣事業 (すなわち, 常時雇用される労働者以外を派遣する事業) は 「一般労働者派遣事業」 となります (派遣法2条4号)。 いわゆる 「登録型派遣」 と呼ばれる派遣形式はこの一般労働者派遣事業をさします。
特定労働者派遣は, 厚生労働大臣への届け出により派遣業務の実施が可能になるのに対し (労働者派遣法 16 条以下), 一般労働者派遣事業は許可を受けるものとされるなど (労働者派遣法5条以下), その許認可手続き・基準の違いはありますが, 派遣にあたっての派遣先・元の労働者に対する責任の内容等に差があるわけではありません。
ただし, 派遣に伴う契約期間の設定により, 結果的には雇用保障に関わる規制の適用に差が生じます。
特定労働者派遣の場合, 派遣元に常時使用されている労働者が対象ですから, 派遣元・派遣先の間に結ばれた派遣契約が終了しても労働契約は存続しています。 派遣元が当該労働者の雇用を打ち切ることは解雇と評価されますから, 労働基準法の解雇に関する諸手続きのほか, 解雇権濫用法理 (労働基準法 18 条の2) が適用されます。 このため, 派遣元との関係では, 労働者は通常の労働者としての保護が期待できます。
一方, 一般労働者派遣の場合, 一般的には派遣期間に合わせて希望する登録者が期間の定めのある労働契約を結んでいます。 したがって, 派遣契約の終了と同時に派遣元との労働契約期間も満了し, 終了する形となっていることが多いでしょう。 この場合, 次期の契約を派遣元が結ばないとしても 「解雇」 にはなりませんから (労働契約存続期間中の契約解除は 「解雇」 になります), 解雇の法規制が及びにくく, 雇用が不安定になりがちです。
契約が継続して反復更新された場合に解雇の法理を適用する余地もありますが, かなり難しいでしょう (登録型派遣労働者の雇止めにつき違法性を否定する例として伊予銀行・いよぎんスタッフサービス事件 (松山地裁平 15.5.22 判決, 労働判例 856 号 45 頁) があります)。
勝亦啓文
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