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労務事情
パートタイマー Q&Aで学ぶ労働基礎講座
2004/10/1
Q

雇止め:
契約更新を繰り返してきたパートタイマーを雇止めしたいのだが

パートタイマーを期間2カ月の契約を更新して使用してきましたが,冗員が生じたため,雇止めをしたいと思います。問題がありますか?
   
A ある程度反復更新してきた場合,雇用継続への期待が存在した場合であれば,解雇に準じた扱いが必要になります。
 
契約期間満了による雇止めは,形式的な評価をすれば「解雇」ではありませんが,一定程度は解雇に準じた対応が求められています。

パートにかぎらない有期労働契約一般についての制約として,労基法14条2項に基づく「有期労働契約の締結,更新及び雇止めに関する基準」(平15.10.22厚労告357号)が,@契約を締結する際に更新の有無,更新の基準を明示し,この条件を変更する場合は労働者に速やかに通知すること,A雇入れの日から1年を超えて継続勤務し,かつあらかじめ更新しないことが明示されている場合を除いて期間満了の30日前までに,更新しない予告をすること,B労働者が請求したときは,更新しない理由の証明書を交付すること,C1回以上の更新を経て,1年以上継続勤務している者の更新については,契約の実態と労働者の希望に応じて,契約期間をできるかぎり長くするよう努めることを求めています。また短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律に基づく指針(平5.12.1労告108号)も,ほぼ同様の内容を,事業主に求めています。

さらに労基法18条の2による解雇権濫用法理が適用される余地もあります。東芝柳町工場事件(最高裁第1小法廷昭49.7.22判決,最高裁判所民事裁判例集28巻5号927頁)は,2カ月契約を繰り返し更新していた臨時工(5〜23回)の雇止めについて,長期更新と本工採用の実績,更新手続きが直ちに行われなかったことなどから,雇止めは「実質において解雇の意思表示」であるとして,これを無効としました。また,日立メディコ事件(最高裁第1小法廷昭61.12.4判決,労働判例486号6頁)も,結論的には雇止めを有効としたものの,更新に対する客観的な合理的期待があれば,解雇権濫用法理を類推適用する余地を認めました。下級審判決では,この考えに従って雇止めを無効とする例も多々見られます。雇用継続への期待が客観的に存在する場合には,雇止めにも,客観的かつ合理的な理由の存在と,社会的相当性が必要です。人員整理として行う場合も,いわゆる整理解雇の四要件(@整理の必要性,A解雇回避努力,B人選の合理性,C事前の協議)に即した対応が必要になります。もっとも,パートであるという理由で整理解雇の第一順位とすることはできないが,企業との結びつきが希薄であれば優先的に解雇できるとする例もあり(東洋精機事件・名古屋地裁昭49.9.30判決,労働判例211号38頁),現状では,正社員とまったく同様の制約を受けているとはいえません。

勝亦啓文

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