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その協約に期間が定めてあれば, その存続期間中は破棄できません。 ただし, 3年を上限とする期間を経過した後も存続している場合か, 期間の定めをしていない場合であれば, 少なくとも 90 日以上前に, 署名しまたは記名押印した文書によって相手方に予告することで解約できます (労働組合法 15 条3項, 4項)。 ただし, 破棄に関する別段の協約規定等があればその定めに従ってください。
協約の効力という観点だけからいえば, 解約理由はとりわけ限定されていませんから, 一方の都合によって解約することも可能です。 また, 組合に対する便宜供与 (掲示板の貸与以外にも, 組合事務所貸与や福利厚生のための寄付, 在籍専従等) は, 労働組合が当然に有する権利というわけでもありませんから, 絶対に廃止できないというものでもありません。
しかし, 注意しなければならないのは不当労働行為との関係です。 労働協約の終了あるいは破棄によって廃止するにせよ, 単なる慣行的・事実的な扱いの変更によって廃止するにせよ, 組合に対する従前の取り扱いを不利益に変更することは, 組合運営に対する妨害として, 支配介入の不当労働行為と評価される場合があります。 社屋改築は単なる口実であり, 廃止せざるを得ない理由が別段存在しないなかで一方的に破棄したと評価されれば, 組合運営を妨害する行為として支配介入が成立します (たとえば, 岩井金属工業事件・東京地裁平 8.3.28 判決, 労働判例 694 号 65 頁)。
ご質問は 「社屋建設に伴い」 とのことですが, 改築後その場所に掲示板を設置できない合理的理由があるか, そこに設置できなくても他に掲示板を確保できる場所がないか, 最終的に掲示板を廃止するとしても, 廃止せざるを得ない合理的理由があるか等を検討する必要があるでしょう。 漫然と改築だけを理由に廃止する対応には問題があります。
また, 廃止に先立ってその理由を団体交渉の場で通知し, 必要があれば代替措置等につき検討, 協議すべきと思われます。 交渉もせずに一方的に協約を破棄すれば, 組合の反発は当然に予想されるところですし, 団結否認的な意図があるともとらえられかねません。 破棄通告の前に, まず掲示板廃止に関する交渉を求めたほうがよいでしょう。
勝亦啓文
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