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労務事情
団体交渉・不当労働行為 Q&Aで学ぶ労働基礎講座
2004/9/1
Q

団交事項:
子会社設立計画について団体交渉に応じる義務はあるか?

子会社を設立し新規事業を行う計画を発表したところ, これについて組合が団体交渉を求めてきました。 応じる義務はありますか?
   
A 設立計画や事業計画それ自体についての団体交渉応諾義務はありませんが, 組合員の雇用と労働条件にかかわるかぎりで, 応諾義務があります。
 
労働組合法は, 「使用者が雇用する労働者の代表者と団体交渉をすることを正当な理由がなくて拒むこと」 を, 不当労働行為として禁止しています。 しかし, 団体交渉は組合から要求されたら何でも応じなければならないというわけではなく, 使用者が決定しうる組合員の労働条件に関する事項のみが, 「義務的団体交渉事項」 とされています。

これに対し, 役員人事や事業計画, 生産体制といったいわゆる経営事項, 非組合員の労働条件, 社会的問題に関する事項は, それ自体は 「任意的団体交渉事項」 であって, 団体交渉をすることは禁止されていませんが, 交渉要求に応じる, 応じないは使用者に任されています。

ご質問の新会社設立と新規事業計画も, それ自体は経営上の決定であって, 義務的団体交渉事項とはいえません。 しかしその計画において, 組合員の出向・配転等の人事異動や, 労働条件変更が予定されているのであれば, その問題は義務的団体交渉事項になります。 新事業の開始, 工場移転, 営業譲渡, アウトソーシング化といった問題も, 組合員の労働条件に影響する範囲で, 交渉に応じなければなりません。

なお, 商法の会社分割形式で実施する場合には, 平成 12 年商法附則5条により, 分割計画書または分割契約書を本店に備えおくべき日までに, 労働者と協議をするものとされています。

さらに, 会社の分割に伴う労働契約の承継等に関する法律により, 労働協約を締結している組合に対しては, 分割計画書等を承認する株主総会等の会日の2週間前までに, 当該労働協約の承継に関する分割計画書等中の記載の有無を通知することに加え (2条2項), 承継される営業の概要, 分割後の分割会社および設立会社等の名称, 所在地, 事業内容および雇用することを予定している労働者の数, 分割時期, 分割後の分割会社および設立会社等が負担すべき債務の履行の見込みがあることおよびその理由, 設立会社等に承継される労働者の範囲または氏名, 承継する労働協約の内容を通知すること (同法施行規則3条), 協約の有無にかかわらず, 過半数組合あるいはそれがない場合に過半数代表者との協議等により労働者の理解を得るように努めること (7条, 同法施行規則4条) とされています。

勝亦啓文

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