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労働組合には, 団結自治の効果として統制権が認められていますので, 公序良俗に反するような定めを除けば, 基本的には自由に設定できます。
ただし, 労働組合法上の労働組合となるためには, 労働組合法5条2項により, その規約に一定の規定を設けることが求められています。 統制処分に影響する可能性があるのは, 3号 「……組合員は, その労働組合のすべての問題に参与する権利及び均等の取扱を受ける権利を有すること」, 4号 「何人も, いかなる場合においても, 人種, 宗教, 性別, 門地又は身分によつて組合員たる資格を奪われないこと」 です。
処分事由やその手き続も, これに抵触しないよう定める必要があるでしょうが, 一般的には, 組合運営への参加権, 均等取り扱い, 差別禁止等についての組合員の権利を定めたうえで, 処分についてはごく一般的な定め方をしておくことが多いようです。 「組合規約または組合決議に違反した場合」 とか, 「組合の運営または統制に重大な支障を与えた場合」 というように概括的に定めておくか, 個別的な処分事由 (たとえば組合規約・決議違反, 組合の統制紊乱, 運営妨害, 組合に対する名誉毀損, 組合費滞納等) に加え, 「その他これに準ずる不適当な行為」 という包括的処分事由を定めるという形がよくみられます。
処分事由を明確にしておいたほうが事後の紛争予防に役立つとはいえますが, 個別の処分事由のすべてをあらかじめ定めておくことには無理があるでしょうし, 処分事由が限定されてしまいます。 また, 法律上必ず明確に定めておかなければならないというものでもありません。 公序良俗に違反するような処分事由 (基本的人権を制約するような事由や, 前掲労働組合法5条2項4号に違反するような事由) でないかぎり, 組合の性格や運営上の必要性に応じて決めればよいでしょう。
なお明文の法令により求められているわけではありませんが, 不利益処分にかかわる一般的要請として, 聴聞弁明の機会と適正手続きの確保があります。 被処分者に対する聴聞弁明の方法など, 処分手続きに関する定めもしておいたほうがよいでしょう。 また統制処分は組合大会の専決事項であるという理解が一般的です。 少なくとも除名処分や権利停止については大会の議決事項としておくことが望ましいといえます。
勝亦啓文
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