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労働組合が政治活動を行うことは, 私的な団体一般に認められているのと同様, 禁止されるものではありませんし, 労働組合の重要な活動の1つといえます。 組合が特定政党や候補を支持し, 支援活動をすることも, とりわけ禁止されてはいません (もっとも未成年組合員に選挙活動をさせたり, 有償で活動委託をする等, 公職選挙法により禁止される行為があることに注意してください)。
しかし, 組合員個人の政治的自由は憲法の保障する基本的権利であり, 労働組合といえどもこれを奪うことはできません。 また, 指令に従わない場合に処分をするという威圧のもと, 特定候補への投票や立候補の取り止めを要求すると, 利害誘導罪 (公職選挙法 221 条), 選挙の自由妨害罪 (同 225 条) が成立します。
特定政党や候補の支持決議については, その法的効力を認めず, 「事実確認」 とみる見解や, 個人の基本的人権と抵触するものとして無効とする見解も有力ですが, 最高裁判例はこれを一応有効としたうえで, 組合員への説得や勧告の域を超える働きかけや, 決議違反を理由とした処分を行うことはできないとしています。 主要な判例として, 組合の支持候補がいるなかで組合員本人が立候補 (三井美唄労組事件・最高裁大法廷昭 43.12.4 判決, 最高裁判所刑事判例集 22 巻 13 号 1425 頁, 労働判例 74 号8頁), 組合の支援候補以外の候補者に対する選挙支援活動 (中里鉱業所事件・最高裁判所第2小法廷昭 44.5.2 判決, 最高裁判所裁判集 〔民事〕 95 号 257 頁), 選挙支援活動のための臨時組合費納入の拒否 (国労広島地本事件・最高裁第3小法廷昭 50.11.28 判決, 最高裁判所民事判例集 29 巻 10 巻 1698 頁, 労働判例 240 号 22 頁) といったケースがありますが, いずれも除名処分を無効としています。
政治的姿勢については最大限個人の自由を尊重すべきですから, 通常の組合統制の問題と同様に扱うと問題が生じます。 特定政党, 候補の支持決議により支援活動や活動費の徴収等の具体的な行動を組合員に求める場合には, 応諾の自由があることを認め, 拒否者に対して説得, 勧告を超えた働きかけをしないようにすることが重要でしょう。
ご質問のケースも, 統制権の及ばない行為であり, 除名はできないと考えられます。
勝亦啓文
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