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労務事情
労働組合 Q&Aで学ぶ労働基礎講座
2004/8/1
Q

法内組合と法外組合 (資格審査):
管理職らが労働組合を結成し, 団体交渉を求めてきたが

組合員資格のない管理職らが新たに組合を結成し, 団体交渉を求めてきました。 応じなければなりませんか?
   
A 応じなければなりません。
 
使用者が, 組合員範囲から管理職等を除外することを, 既存組合との間の労働協約で定めていても, その効果は締結組合以外には及びません。 また仮に, 労働協約で既存組合に排他的な交渉権を認めていたとしても, 他の組合の団体交渉権が否定されるわけではありません。 既存の組合から排除された労働者でも, それが新たに結成し, あるいは加入した労働組合には, 労働組合としての基本的権利が平等に保障されます。

ただし, 労働組合法は, 同法による保護を受けられる労働組合 (「法内組合」 といいます) について, 「労働者が主体となって自主的に労働条件の維持改善その他経済的地位の向上を図ることを主たる目的として組織する団体又はその連合団体」 (2条) であることと, 一定の規約を制定して労働委員会の認証を受けることを求めています (5条)。

管理職の加入によって問題が生じるのは, 2条但書1号との関係です。 同号は, 「役員, 雇入解雇昇進又は異動に関して直接の権限を持つ監督的地位にある労働者, 使用者の労働関係についての計画と方針とに関する機密の事項に接し, そのためにその職務上の義務と責任とが当該労働組合の組合員としての誠意と責任とに直接にてい触する監督的地位にある労働者その他使用者の利益を代表する者の参加を許すもの」 は, 労働組合として認めないとしています。

しかし, ここでいう管理監督者は, 労働者の人事管理権限がある者に限られ, これをもたない 「管理職」 ならば, 同号には抵触しません。 労働委員会の実務でも, 管理監督者をその職務の実質によって判断しており, かなり限定的にとらえています。

また, 直接の人事権限をもつ管理監督者となる労働者が加入している組合は, 労働組合法の要件を満たさない 「法外組合」 であり, 労働組合法の諸手続 き (労働委員会による行政救済手続き等) を行えないということになりますが, 労働者が自主的に組織する労働条件の維持改善を求める団体である以上は, 「憲法上の組合」 として裁判上の救済は受けられます。 法外組合であっても, その交渉要求を拒否することは違法な行為となりますから, 団体交渉の相手方である地位の確認や損害賠償を命じられることはあるでしょう。

したがって, ご質問の場合も団体交渉の拒否はできません。

勝亦啓文

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