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労災保険による給付を受けられるのは, 「業務上の」 災害と 「通勤による」 災害です (労災保険法7条)。 業務災害としての 「労災事故」 になるか否かは, その災害が, 業務に通常随伴する危険が現実化したものと評価できるかによって決まります (業務起因性)。 また, 業務起因性を認める前提として, 職業病のように明確なアクシデントを伴わない疾病を除き, その災害が業務遂行中に発生したことが必要になります (業務遂行性)。
厳密にいえば, 業務遂行性があっても業務起因性が認められない災害もありますが (たとえば, 天災や第三者の加害行為により, 業務とかかわりなく発生した災害), 業務遂行性があれば, 「業務起因性」 があると推定できるでしょう。 通常は, 就業時間中に災害が発生した場合には, 労働者に予定された裁量を外れた, まったくの恣意的ないし私的な行為や, 業務からの逸脱がないかぎり, 業務遂行性と業務起因性が認められます。
たとえば同僚を手伝って本来の業務以外の行為をしていたようなケースでも, 本来の業務に通常随伴する業務やそれと密接に関連する業務, 当該企業の労働者として当然に期待される業務であるかぎり, 業務遂行性は否定されません。 当該行為が使用者の業務にとって必要かつ合理的な範囲内のものであるかぎり, 業務遂行性は認められますので, 労災となるでしょう。 やや例外的な取り扱いですが, 飲水やトイレなどの生理的欲求による最小限の業務中断中, 突発的事態への緊急対応や反射的な行動 (たとえば風で飛ばされた自分の帽子を拾おうとして事故にあったというようなケース) による災害は, 労災として扱われています。 また, 休憩時間中の災害は, 本来業務遂行性がないといえるでしょうが, 企業施設の不備に起因する災害であれば労災扱いとされています。
ご質問への回答も, 問題となる行動の具体的内容次第ということになりますが, 本来の業務から完全に逸脱していたり, 個人の恣意的な行為中でなければ, 労災事故となるといってよいでしょう。 この判断が微妙なときには, 具体的なケースごとに, 通達や過去の裁決例に照らして判断する必要があります。
勝亦啓文
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