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労務事情
休憩・休日・休暇 Q&Aで学ぶ労働基礎講座
2004/6/1
Q

48. 出勤率の算定と全労働日:
年休の出勤率算定の基礎となる 「全労働日」 の意味

当社では年休の出勤率の算定について, 慶弔休暇および生理休暇を取得した日は全労働日のなかに含めて, 出勤扱いとしていますが, 労働組合は全労働日から除外して年休の出勤率を算定すべきだと主張しています。 どのように取り扱うべきでしょうか。
   
A 出勤率の算定対象となる 「全労働日」 から除外することが適当でしょう。
 
使用者は, 労働者が一定の期間 (初年度は6カ月間, 以後1年間) 継続勤務し, 全労働日の8割以上を出勤した場合は, 法所定の年休を付与する義務がありますが, ここにいう 「継続勤務」 とは, 当該労働者が継続的に日々出勤し勤務しているという意味ではなく, 当該労働者と使用者間に 「労働契約関係が継続 (すなわち在籍) している」 という意味であると解されています (昭 63. 3. 14 基発 150 号 (39 条), 国際協力事業団事件・東京地裁平 9. 12. 1 判決, 労働判例 729 号 26 頁, 日本中央競馬会事件・東京高裁平 11.9.30 判決, 労働判例 780 号 80 頁)。 したがって, 私傷病などによって長期間休職している場合, 在籍出向により出向している場合, あるいは短期雇用契約者が契約を更新されて6カ月以上に及び, 引き続き使用されていると認められる場合などは, ここにいう継続勤務に該当します。

また 「出勤」 とは, 全1日勤務したということではなく, 労務給付のために事業場に出勤したということであって, 遅刻や早退で1日の所定労働時間の一部を欠務したとしても, ここにいう出勤に該当します (なお, 年休の趣旨, 目的, 付与日数などについては, Q47, Q50 参照)。

さて質問は, 年休の出勤率の算定対象となる 「全労働日」 の範囲につき, 生理休暇や慶弔休暇を取得した日を含めるべきか否かということですが, ここにいう 「全労働日」 とは, 就業規則や労働協約などにおいて, 「労働契約上労働の義務があるとされている日」 をいうとされています (エス・ウント・エー事件・最高裁第3小法廷平 4.2.18 判決, 労働判例 609 号 12 頁)。 したがって, 労働の義務のない日は全労働日には入らないことになり, 具体的には, 当該算定期間の総暦日数から, 就業規則や労働協約などに定められている所定休日 (法定休日や, 労使が自主的に休日と定めた法定外休日) を差し引いた日数が全労働日ということになります (前掲・基発 150 号 (39 条))。

ところで労基法は, @業務上災害により負傷または疾病にかかり療養のために休業した期間, A産前・産後の休業期間, およびB育児・介護休業法に基づいて育児・介護休業をした期間は, 出勤したものとして取り扱うこととしており, (39 条7項), 行政解釈は, 年休を取得した日も出勤として取り扱うこととしています (昭 22.9.13 発基 17 号 (39 条))。

問題は, (@) 使用者の責めに帰すべき事由による休業の日, (A) 正当なストライキにより就労しなかった日, (B) 労使いずれの責めにも帰さない不可抗力による休業の日, (C) 生理休暇を取得した日, (D) 慶弔休暇を取得した日, (E) ロックアウトによる不就労日をどのように取り扱うかですが, 行政解釈では, 上記のうち (@) (A) については, これを全労働日から除外するとしており (前掲・基発 150 号 (39 条)), (B) および (E) についても同様の取り扱いをすることが適当であろうと解されています (厚生労働省労働基準局編 「増補版・労働基準法 (上)」 557 頁以下・労務行政刊)。

では, 質問にかかる (C) および (D) の日の取り扱いをどうするかですが, これについては一般に, 8割以上の出勤という条件は, 勤怠の状況を勘案してとくに出勤率の低い者を除外する趣旨と考えられるから, 正当な手続きにより労働の義務を免除された不就労を, 通常の欠勤と同様に取り扱うのは妥当ではないとして, 全労働日から除外することが適切と解されています。 したがって質問の, 慶弔休暇および生理休暇の取得日については, 全労働日のなかから除外して年休の出勤率を算定したらどうでしょうか。 ただし, 行政解釈は, (C) の生理休暇については, 労基法上 「出勤したものとはみなされないが, 当事者の合意によって出勤したものとみなすことも, もとより差支えない」 としています (昭 23.7.31 基収 2675 号 (39 条))。

野村勝法

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