| |
Q43 で述べたように, 使用者は労働者に対し, 労働時間が6時間を超える場合は, 少なくとも 45 分以上の, 8時間を超える場合は, 少なくとも1時間以上の休憩時間を, 労働時間の途中で与えなければなりませんが (労基法 34 条1項), 法的には, 6時間以上8時間までの労働時間の場合は, 最低でも 45 分を, 8時間を超える労働時間の場合は, 最低でも1時間の休憩時間を与えていれば, 労基法違反を問われることはありません。
したがって, 極端な例ですが, 当該労働日の労働時間が時間外労働により延びて翌日に及んだとしても, 休憩時間は最低1時間を付与していれば労基法違反は問われないということになり, 質問@の一昼夜交替制勤務の休憩時間についても, 「一昼夜交替制においても法律上は, 労働時間の途中において法 〔労基法〕 第 34 条第1項の休憩を与えればよい」 (昭 23.5.10 基収 1582 号 (34 条)) ということになります。 しかし, 休憩時間の趣旨および目的からいえば, これ以上の休憩時間を付与することが望ましく, 労働能率および従業員の健康管理など, 労務管理の観点からも必要な施策といえましょう。 もっとも, あまりにも長い休憩時間は, 従業員を長時間事業場に拘束することになり問題を含みますので, そのあり方に工夫を要します。
次に質問Aの 「仮眠時間」 についてですが, この仮眠時間が, 使用者の指揮命令下にはなく, 労働から解放されている時間であれば休憩時間といえますが, 仮眠時間中といえども, 警報, 電話, あるいは異常事態が発生したときは直ちに相応の対応が義務づけられているという場合には, 労働からの解放がなく, 使用者の指揮命令下にある状態ということになりますので, その仮眠時間は労働時間であって休憩時間とはいえません。
この仮眠時間が労働時間か休憩時間かの問題について, 最高裁は次のように説示しています (大星ビル管理事件・最高裁第1小法廷平 14.2.28 判決, 労働判例 822 号5頁)。
「労基法 32 条の労働時間……とは, 労働者が使用者の指揮命令下に置かれている時間をいい, 実作業に従事していない仮眠時間 (以下, 「不活動仮眠時間」 という) が労基法上の労働時間に該当するか否かは, 労働者が不活動仮眠時間において使用者の指揮命令下に置かれていたものと評価することができるか否かにより客観的に定まるものというべきである……。 そして不活動仮眠時間において, 労働者が実作業に従事していないというだけでは, 使用者の指揮命令下から離脱しているということはできず, 当該時間に労働者が労働から離れることを保障されていて初めて, 労働者が使用者の指揮命令下に置かれていないものと評価することができる。 したがって, 不活動仮眠時間であっても労働からの解放が保障されていない場合には労基法上の労働時間に当たるというべきである。 そして, 当該時間において労働契約上の役務の提供が義務付けられていると評価される場合には, 労働からの解放が保障されているとはいえず, 労働者は使用者の指揮命令下に置かれているというのが相当である」。
したがって, 質問の場合, 付与している仮眠時間に労働からの解放がない場合には, 休憩時間ではないということになります (なお, 労基法上の労働時間および仮眠時間については, Q30,39,43 も参照してください)。
野村勝法
|