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労務事情
時間外・休日労働 Q&Aで学ぶ労働基礎講座
2004/4/1
Q

深夜労働:
従業員に深夜労働を命じる場合の留意点

従業員を深夜労働に従事させる際の留意事項として, どのようなことがありますか?
   
A 年少労働者は原則として深夜労働が禁止され, 妊産婦や家族的責任を持つ労働者が請求した場合は, 深夜労働をさせることができません。
 
深夜労働とは, 午後 10 時から午前5時まで (ただし, 厚生労働大臣が必要と認める地域・期間については午後 11 時から午前6時まで) の時間帯における労働をいいます。 この深夜労働には, 法所定の割増賃金を支給しなければなりません (労基法 37 条3項。 なお割増賃金についてはQ38, Q40 を参照)。

ところでこの深夜労働ですが, 平成9年6月の 「男女雇用機会均等法」 の大幅な改正に応じて, 労基法も同年6月に改正を行い (平成 11 年4月1日施行), 女性労働者の保護に関する規定のうちの, 時間外・休日労働の制限に関する規定とともに深夜労働の禁止に関する規定も撤廃されました。 したがって使用者は, 女性労働者も深夜労働に従事させることができることになったわけですが, ではすべての労働者に対し, なんらの規制もなく無条件に深夜労働を求めることができるのかというとそうではなく, 次のような禁止・制限規定が定められていることに留意しなければなりません。

年少労働者=18 歳未満の年少労働者には, 原則として深夜労働に従事させることはできません (労基法 61 条1項本文)。

ただし, 交替制によって使用する満 16 歳以上の男性労働者には深夜労働に従事させることができます (労基法 61 条1項ただし書き)。 また, 交替制によって労働させる事業においては, 所轄の労基署長の許可を得ることによって, (午後 10 時からは労働禁止であるにもかかわらず) 午後 10 時 30 分まで労働させることができ, (同条2項によって午後 11 時から午前6時までの労働禁止にもかかわらず) 午前5時 30 分から労働させることができるとされています (同条3項)。

なお, 労基法 33 条1項に基づく災害などの緊急必要時, および農林・水産・畜産・養蚕の事業, 病院・保健衛生の事業, 電話交換の業務については深夜の時間帯に使用することができるとされています (同条4項)。

妊産婦=使用者は, 妊娠中の女性労働者および産後1年を経過しない女性労働者が請求した場合は, 深夜労働に従事させることはできず (労基法 66 条3項), この禁止措置は, 女性労働者が労基法 41 条に該当する管理・監督職であっても適用されます。

家族的責任を持つ労働者=育児・介護休業法に定める, いわゆる 「家族的責任を持つ労働者」 が請求した場合は, 深夜労働に従事させることができません (育児・介護休業法 19 条1項, 20 条1項)。 ただし, 事業の正常な運営を妨げる場合はこの限りではないとされています (19条1項ただし書)。

深夜業に従事する女性労働者に対する使用者の配慮義務=男女雇用機会均等法施行規則 15 条では, 事業主 (使用者) は 「女性労働者を深夜業に従事させる場合には, 通勤及び業務の遂行の際における当該女性労働者の安全の確保に必要な措置を講ずるように努めるものとする」 と定めており, これを受けて指針 (「深夜業に従事する女性労働者の就業環境等の整備に関する指針」 平 10.3.13 労働省告示第 21 号) では, 次の処置を講じるように求めています。

通勤および業務遂行の際における安全の確保に関する措置―具体的には, 送迎バスの運行, 公共交通機関の運行に配慮した勤務時間の設定, 従業員駐車場の防犯灯整備, 防犯ベルの貸与, 1人作業の回避努力など

 子の養育や家族の介護などの事情に対する配慮

 仮眠室, 休養室の整備―男女別々の仮眠室, 休養室, トイレなどの整備

 6カ月以内の期間ごとの定期的な健康診断の実施

 など

野村勝法

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