NEWS RELEASE 2010年10月
第34回 教育研修費用の実態調査
最も注目されたのは「グローバル人材教育」
2009年度予算の21.9%から2010年度予算では68.0%に
一方、1人当たりの額は、2009年度実績額が2004年度以来の4万円を割り込む
産労総合研究所 Sanro Research Institute, Inc
「 企業と人材」編集部 担当: 伊関、山本
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定期刊行誌「企業と人材」を刊行するシンクタンク機関の株式会社産労総合研究所(東京都千代田区、代表 高橋邦明)では、1976(昭和51)年以来、今回で34回目を迎える「教育研修費用の実態」調査を行い、その調査結果を公表いたしました。
調査概要
| 調査対象 |
産労総合研究所の定期刊行誌「企業と人材」読者から任意抽出した約3,000社 |
| 調査時期 |
2010年7月〜8月 |
| 調査方法 |
郵送によるアンケート方式 |
| 集計方法 |
回答のあった103社
(うち、製造業38社、非製造業65社/1000人以上37社、999人以下66社)
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教育研修費用に 含まれるもの
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@正社員を対象とした自社主催の会場費・宿泊費・飲食費、A外部講師費、B教材費、C外部教育機関への研修委託費およびセミナー・講座参加費、Deラーニング・通信教育講座費、E公的資格取得援助費、F受講者・社内講師の日当・手当・交通費、G事務局費、Hその他研修に必要な費用。ただし、教育スタッフ・受講者などの給与は含まれない。 |
集計方法について
集計は、基本的には従業員規模別(「1,000人以上」の大企業、「999人以下」の中小企業の2区分)と産業別(「製造業」、「非製造業」の2区分)で行ったが、一部については「人材育成の基本スタンス」や「経営状況別」(増収増益など)でもクロス集計を行った。
調査結果の集計表では、調査項目ごとに無回答があるため、それを除いて集計した。そのため、各表で集計社数が異なる。
調査結果ハイライト
・教育研修費総額と従業員1人当たりの教育費用に減少傾向
・企業における今後の教育研修費用は、「現状維持」が最多
・グローバル人材教育の実施率は68.0%
・グローバル人材育成の必要を感じているのは80.0%
1.従業員1人当たりの教育費用
図1 規模別・産業別に見た教育研修費用の従業員1人当たりの額

図2 教育研修費用の従業員1人当たり額の推移

従業員1人当たりの額について(図1、図2)、前回の2009年調査と比べると、実績は7,296円減、予算は4,051円減となっている。2005、2007、2008年と4万円台が続いていたが、2009年度は新卒採用数が手控えられたこともあり、結果として教育研修費用が減少したとみられる。
しかしながら、2010年度予算の額は4万円台で、わずかではあるが上向きの様相が見られる。大企業を中心に企業業績も回復し、人材育成にかける余裕も出始めたためであろう。
2.企業における今後の教育研修費用は、「現状維持」が最多
予算策定にあたり企業が優先する項目とは、最多は前年の結果と同じで「前年の実績額」(今回48.5%/前回47.1%)。この項目は大企業ほど重視している。
次いで「毎年の必要額をゼロベースで積み上げる」(25.7%/23.1%)、「前年度の予算額」(10.9%/15.4%)、「特に基準はない」(10.9%/11.5%)となる。
さらに、今後1〜3年先の方向については、「現状維持」が48.0%(前回50.5%)で最多。「増加(「かなり増加」+「やや増加」)」が32.0%、「減少(「かなり減少」+「やや減少」)」は20.0%となっている。「現状維持」の傾向は強く見られるものの、「やや増加」にポイントが加えられている点に、景気回復の兆しが見られるところである。
3.外部講師・教育期間への外注費総額に占める割合は同様
外部講師・教育期間への支払い総額は2,086万円(前回3,791万円/−45.0%)。この結果は特に、大企業において顕著で、前回6,916万円から4,127万円へと40.3%もの減少があったことに起因する。
だが、外注費の教育研修費用総額に占める割合は52.9%(前回51.5%)で、際立った変化はない。
このことからも、教育投資そのものに対しては前向きであるが、外注に対する慎重さが浮かび上がる。
事実、教育担当者の「外注していた研修も一部内製化した」との声も聞こえており、研修にまつわる様相の変化が見られる。
4.グローバル人材教育の実施率は68.0%
2010年度予算による教育研修の実施状況(図4)をみると、階層別教育では「新入社員教育」(89.0%)、「新入社員フォロー教育」(71.0%)が多い。
図4 2010年度教育研修予算による教育研修の実施状況(上位項目、複数回答)

こうした中、「グローバル人材教育」(68.0%/前回21.9%)や「語学教育」(49.0%/27.6%)の高い伸び率が注目される。国内市場の成熟化に伴い、既にグローバル展開をする企業でさえさらなるシェア拡大の必要性から起こった結果である事が見て取れる。
5.グローバル人材育成の必要を感じているのは80.0%
グローバル人材に対して何らかの「必要性を感じる」企業は実に80%にも達する(図6)。1,000人以上の大企業はもとより、999人以下の中小企業でさえ41.3%がそう回答していることからも、グローバル展開は相当進んでいるものとみられる。
図6 グローバル人材育成の必要性

必要性を感じている企業の取組みを見ると、「語学研修の実施」(74.2%)が最多(図7)。
企業規模別に見て差が顕著であったのは、「人事ローテーションの一環として、海外拠点に配置」について。大企業が31.3%の実施率であるのに対し、中小企業は41.2%と、約10%も大企業を上回る結果であった。
反対に「コア人材の海外研修プログラムを実施」するのは大企業が18.8%、中小企業が14.7%であった。
図7 グローバル人材育成の取組状況(調査計66社=100.0、複数回答)
(図6で、「グローバル人材の育成の必要性を感じている」と答えた企業)

では、企業はグローバル人材育成の取組みについて、どのような評価を下しているのだろうか。
図8を見ると、「やや不十分」「不十分」をあわせるとどの項目においても70%に迫る結果である。
割合の大小はあるものの、概ね同様の評価であることが分かるが、従業員規模999人以下の中小企業と、製造業における「十分評価できる」の回答は0であった。このことから、グローバル人材の必要性の高さに比べ、その取組みが満足いくものではないという日本企業の現状が垣間見える。
図8 グローバル人材育成の取り組みへの評価

[掲載誌・号] 「企業と人材」2010年10月号 本誌調査 第34回 教育研修費用の実態
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