はじめに
平成16年にスタートした新医師臨床研修制度は平成19年で3年目を迎え、後期研修医が誕生した。学校教育6年間を経て、自らが選んだ病院で医療の実際を学び、自らが進むべく診療科を選ぶのである。そして、そこには、自らが選び学んだ病院の風土が色濃く反映される。指導医の日頃の医療、就中自分の病院と患者への対応の心が研修医に投影されるのである。この制度のこれからの真価が問われようとしているといっても過言ではない。そして、この時を同じくして、新医師臨床研修評価に関する研究会が発足した。
研究会では、平成18年の末から新医師臨床研修病院の第三者評価を始めている。この評価の基本となる視点は、研修プログラムが本当に社会が求める医師、プライマリーケアの基本的診療能力を身につけた医師をつくる内容になっているかどうかを吟味することとしている。
本来、医師は病院全職員をあげて育てるもの、コメディカルも栄養科も図書室も、すべての部署が、それぞれの病院が目指す病院理念に則って、全力で育成しなければならない。あまやかして、すぐに手助けをしては技術は伸びない。しかし、事故に繋がるような冒険をさせてはならない。
第三者評価がよいのは、この“ギリギリ”のところを評価してくれ、正しい育成に向かっているのかどうかを判断してくれるところにある。
本書は、新医師臨床研修評価に関する研究会の許しを得て、受審病院のルポを行うとともに、書面調査票等を誌面に掲載することを実現した。また、淀川キリスト教病院をはじめとする新医師臨床研修評価受審病院の中で、高い評価を受けた病院のそれぞれの診療科目のプログラムを収録、スタンダードプログラムとして聖路加国際病院の研修プログラムを掲載した。
新医師臨床研修評価を受審した病院には受審証が出されるが、これが研修医応募の決め手になりそうである。また研修病院に限らず、医師を受け入れて自院に合った医療人育成を心掛ける病院に是非備えておいてほしい。
2007年8月
|