前書き
この本は「読んで得する本」です。
特に以下に挙げる人たちは、読めば必ず得をします。
1.新入社員
同期入社の中で、頭ひとつ抜け出すチャンスをつかめます。
2.一般社員
自分が会社に役立つ要点を知ることができます。
3.女子社員
女性の鋭い感性に経営感覚が加われば「鬼に金棒」、いやでも存在価値が高くなります。
4.経理担当者
経営者が一番求めているのは、経営がわかる経理担当者です。最も頼りになるスタッフになれるでしょう。
5.生産担当者
製品が経営にどのように貢献をしているかを把握することは、生産担当者としてのランクが上がります。
6.販売担当者
コンサルティング営業、ソルーションセールスの有効なツールですから、面白いように営業実績も向上します。
7.幹部社員
有能な幹部社員とは、経営者の立場に立って判断できる人を意味します。
8.経営者夫人
利益獲得の要点を知ることは、経営者の片腕としての能力を大きくすることができます。
9.後継者
事業を継承する人にとって、経営者としての資質を早く身につけるために「経営会計」をわかることは何より大切です。
10.経営者
「会計は苦手」という意識を克服し事業拡大するチャンスです。
決算書を見る力をつけるのに、「経理の手法」を覚える必要はありません。「要点」を「丸暗記」すればいいのです。つまり、理解することは不要なのです。
そのためにはまず、「要点は何か」を掴まなければなりません。それが把握できれば、後は「丸暗記」してしまえばいいのです。
「いや、自分は物覚えが悪くて」というあなた、心配しなくても大丈夫。明日試験があるわけでもないのです。一夜漬けで、何が何でも覚えてしまわなければならないなんて思うことなどありません。
試験勉強ではないのですから、ゆっくりと自分のペースで覚え込む工夫をしましょう。今は、見るだけでも頭が痛くなるような決算書でも、ジーッと見ていてごらんなさい。そのうち何か話しかけてきてくれます。
声を出して読んでみてください。見るだけとは違った話を始めてくれます。
決算書、少し難しく言えば財務諸表、これは本当におしゃべりなのです。一生懸命、大事なことを訴えています。ただこれまで見てやらないから、聞いてやらないから、折角いろいろ有意義なことを言ってくれているのに気づかなかっただけなのです。
子どもでも、漢字のお稽古は、お手本通りに書き写すことから始めます。あなたも一度、決算書を横に置いて、声を出して読みながら、真っ白い紙の上に書き写してみてはどうでしょう。
「読書百遍、義自ずから見あらわる」、 1回、 2回、 3回と、隙を見つけて決算書を書き写してみてください。今日中に、今週中に、やらねばならぬなどとは決して思わないこと。暇つぶしにやるくらいのつもりでかまいません。
1年かけて、100回くらいもやってご覧なさい。いやでもあなたの頭の中にしっかりインプットされてしまいます。
これを「写表100回丸暗記」と言います。
お経を書き写すことを写経と言います。決算書は、また『財務諸表』とも言いますから、財務諸表を書き写す、つまり『写表』と言うわけです。
本書は、30年間にわたり、1,000社以上の企業の会計や経営の助言・指導に努めてきた筆者が、その経験の中から「会計と経営の要点」を提示したものです。
経営学や会計学を一度も勉強をしたことがないという人はもちろん、経理や会計が苦手だという人にも、本書を読んでもらえれば必ずわかるように書いてあります。
本書は、常に手元に置き、辞書のように繰り返し開いてみるようにしてください。「会計は苦手」、「経営はわからない」という言葉を克服するチャンスになることをお約束いたします。
平成16年 7月 大平吉朗
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