| はじめに
生涯一セールスマンが悟ったこと
この本を手に取っておられる皆さんは、セールスの仕事に携わっている方が大半でしょう。そして、この本を手に取るくらいですから、よりレベルの高いセールスマンになりたいと思っているのではないでしょうか。もしくは、セールスの仕事に対して何か悩みごとや行き詰まりを感じているのではないでしょうか。本書はまさしくそういったセールスマンのために、三〇年以上セールスの第一線において血みどろの戦いを続けている私の経験を織りまぜながら、どうすればトップセールスマンになることができるかについて書いたものです。
私は現在、経営コンサルタントとして日本中を駆けまわっています。その仕事の多くはセールスマンに対する講演・講義や、セールスマンと同行し、現場で実際に商品を販売してセールスマンを指導する実践同行などです。私は自分のことを「生涯一セールスマンである」\ と自負しています。なぜならば経営コンサルタントになる前に、住宅メーカーのセールスマンとして大きな実績を残したこともありますし、現在では、実践同行に関して、おかげさまで皆様より高い評価をいただいているからです。その「生涯一セールスマン」である私が、セールスの現場での血みどろの戦いのなかで悟ったことは、「セールスは簡単だ!」ということです。
私を含めてこれまで見てきたトップセールスマンには、共通していることがあります。トップセールスマンになるには、その共通していることを体得すればいいのです。しかもそれを体得することは少しも難しいものではありません。その共通点をひと言で言うならば、「基本に忠実である」ということです。あたり前のことをあたり前に努力すれば、誰でもトップセールスマンになれるのです。しかしながら、このあたり前のこともできない人が非常に多くいます。セールスに行き詰まりを感じたとき、もっとセールスのレベルを向上させたいときは、基本に忠実になればいいのです。
それでは、どうすれば基本に忠実になれるのでしょうか。その方法が本書のなかにちりばめられています。ぜひ本書を「セールスのバイブル」として活用してください。
本書は、私がセールスの現場で体得したセールスの基本をわかりやすく語録形式でまとめあげたものです。本書では、語録を心・技・体に分けて詳しい解説をしております。ちなみに語録(ゴロク)というくらいですから、五六九(ゴロク)項まで作る予定です。
これらは全て私がセールスの現場において肌で感じたことをまとめているため、日夜営業活動に奮戦している皆さんからの大いなるご賛同をいただけると確信しております。つまり、机上の空理、空論ではなく、セールスの現場を熟知した者こそが書くことのできる内容となっておりますので、皆さんに強く訴えることができるということです。ぜひ、本書を熟読し、その内容を実行に移してトップセールスマンを目指して努力してください。
セールスの評論家はいらない、セールスの実践派となれ!
本書は、セールスの実践派のために、またセールスの実践派となるべく努力をする人のためにあります。セールスの実践派とは、口先だけで行動を伴わないセールスの評論家ではなく、日夜お客様のところに訪問して売上目標を達成するために努力を続けているセールスマンのことです。実際のところ本書は、成果があがらないことに対して何の反省もなく、ゴチャゴチャと言い訳ばかりしているようなセールスの評論家が読んでも何の役にもたちませんので、そんな人には読んでいただかなくても結構です。しかしながら、日夜お客様のところに訪問して売上目標を達成するために努力を続けているセールスの実践派の方は、本書を手に取り熟読することによって、必ずやより大きな成長ができると確信しております。本書により、多くのトップセールスマンが生まれてくることを期待しております。
本書の第一版が出たのは一九九七年一一月ですから、その後すでに六年が経過しました。その間、多数の読者から電話をいただいたり、訪問を受けたり、また講演の依頼を受けたりしました。朝礼で「セールス必勝語録一〇〇」を一日一項目ずつ、読み合わせをしたりしているという会社の方にもお出会いし、少しはお役に立てたようです。
本改訂版では、セールスも大相撲等でよく言われます、心・技・体(君のセールスの心・技・体を磨け、を参照)でとらえてみました。初心者とか、悩めるセールスマンには分かりやすく、きっと自分の弱点がすばやく発見でき、改善に結びつくと考えたからです。そして、気合とか、健康といったセールスマンにとって、最も重要な本質的な部分を補筆しました。特に、気合のチェックポイント「い・よ・こ・は・げ・か・ゆ・い」は、コピーをして常に自己チェックを試みていただければ、必ずお役に立てると思います。
最後に本書の改訂をすすめられ、出版にあたって何かとお世話になりました経営書院の皆様、またスタッフの川井さよ子に、この機会に厚くお礼を申し上げます。
二〇〇四年一〇月
谷 本 壽 彦
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