まえがき
クライシス・コミュニケーションはサイエンス、だから打つ手はある
最近、企業不祥事に関するマスコミ報道が後を絶ちません。数年前は「不祥事報道など他人事」と思っていたのに、今は「自分の会社は大丈夫だろうか?マスコミに誤解されて、実際以上に悪く報道されるのではないだろうか?」と不安を感じている企業幹部は多いことでしょう。
現代は、企業が不祥事を起こしたときに「謝れば済む」「社長が辞めれば許してもらえる」という時代ではありません。謝罪やトップの辞任だけでは、マスコミも世間も納得しません。では、どうすればよいのでしょうか。
クライシス・コミュニケーションに失敗した企業には多くの共通点があります。成功した企業にも共通点があります。成否の原因と結果がはっきりしているクライシス・コミュニケーションは、サイエンスです。サイエンスにはロジックがあります。成功のロジックを正しく実践すれば、どの企業もクライシス・コミュニケーションに成功するはずです。
本書は、不安を抱える経営者や危機管理部門の担当者を主な対象としたクライシス・コミュニケーションの入門書です。また、現場で実務を担う広報担当者や総務担当者が、クライシス・コミュニケーションの基本マニュアルとして使える実用書でもあります。
本書では、筆者の経験と観察から得たクライシス・コミュニケーションのノウハウを、できるだけ論理的に解説するよう心がけました。また、クライシス・コミュニケーションを行うにあたって必要となる広報の基礎知識と、マスコミやインターネットの口コミについても、全体像と重要ポイントを記しました。
本書のために筆者は、クライシスを実際に経験しそれを克服した企業にも取材を行いました。その取材を基に、世間ではあまり知られていないクライシス発生時の企業の舞台裏と当事者からのアドバイスも記しました。
そして最後に困った時のためのQ&Aも設けました。
本書が、これからクライシス・コミュニケーションに取り組もうという企業の皆さんの一助になれば幸いです。
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