発刊にあたって
2008 年4月からの 「高齢者の医療の確保に関する法律」 の施行に伴い, 40 歳以上の社員・家族への生活習慣病の予防が, 健保組合など医療保険者に義務化されることになりました。
生活習慣病予防の取り組みは, 個人の問題にとどまらず, 企業にとっても重要な課題となっており, 最近では, 各社・各機関のメタボリックシンドローム対策が注目を集めています。 これからの企業の健康対策は, リスク管理などさまざまな面から重要視されているメンタルヘルス対策と併せて, この生活習慣病に代表される身体的な発病対策へのアプローチが求められています。
しかし, 定期健康診断やメンタルヘルス対策を実行すれば企業の健康対策は万全かといえば, 決してそうではありません。 企業の健康対策として取り組まなくてはならない項目は多岐にわたり, 個人のプライバシー問題や税務の点でも, さまざまな課題があります。
また, 自社が従業員の健康増進に取り組んでいることを CSR レポート等で開示する企業も増えており, 企業の健康増進への取り組みは CSR 対策としての側面も持つようになっています。 このことは, 企業の健康対策が従来の福利厚生や安全衛生管理の延長ではなく, 企業の経営課題としての取り組みとなっていることを示しているといえます。
本書は, これらの課題に対応しつつ, 社員に健康的な生活を送ってもらうためにこれからの企業が取り組むべき施策についてまとめたもので, 4部構成からなっています。
第1部の解説編では, 概観として, 「2008 年医療制度改革下の企業の健康管理対策」 および 「企業の健康対策が “福利厚生” から “CSR” へと変わりつつあること」 についてまとめていただきました。 また, 各方面からのアプローチとして, 産業医をはじめとする各界の専門家に, これからの企業の健康への取り組みのあり方について, 幅広く分析してもらいました。 さらに, 労働安全衛生法, メンタルヘルス, 税務等に関して Q&A 形式での解説も掲載しています。
第2部の事例編では, 東京ガスをはじめとする4社が実践している健康対策を紹介しています。
第3部では, 健康対策に関する最近のトピックスとして, メタボリックシンドロームに対する企業の対応など, 4つの話題を紹介しています。
最後の第4部は, 関連資料として, 「健康診断の種類と内容」 「社員の健康維持に関する企業の施策に対する助成金制度」 「VDT 作業ガイドライン」 「喫煙対策ガイドライン」 など, 企業が健康対策を実践するうえで欠かせない資料を紹介しています。
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本書は, 人事労務スタッフ・管理者, 労組担当者の方々が, これからの企業における健康対策を考えるうえで必須の1冊となるよう編集いたしました。
本書が, 人事労務スタッフ・管理者, 労組担当者各位の日常のハンドブックとして幅広くご活用いただければ幸いです。
なお, 末尾となりましたが, お忙しいにもかかわらずご執筆のほか貴重なアドバイスを賜りました執筆者各位, ならびに貴重なご意見をお寄せいただきました読者の皆さまに, この場を借りまして御礼申し上げます。
2007年6月
編者
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