■ はじめに ■
給与計算は大事な仕事です。しかし、慣れてしまえば、そんなに難しい仕事ではありません。総務や経理の新任者が給与計算を担当していることだってあるのです。ましてコンピュータ時代の今日、パソコンのキーを叩けば、簡単に給与計算はできてしまいます。 とはいえ、給与計算そのものを簡単に考えてはいけません。給与は、社員が一生懸命汗をかいて働いた成果であり、社員や社員の家族の生活を支える大切なものです。そんな大切な給与ですから、たとえ1円でも計算を間違うことは許されないのです。
また、給与計算の担当者たる者、社員から給与計算に関する質問があったときには、速やかに、正確に、そして親切に答えてあげるようにしたいものです。
そのために給与計算の担当者は、計算の結果だけでなく、給与をめぐる法律や会社の規則などをはじめ、計算の仕組みやプロセスまで、よく理解しておかなければなりません。ともすると、給与計算をコンピュータで行っている会社では、このような給与計算の過程を理解せず、ただキーを叩いて数字を導き出すことだけに集中しがちです。コンピュータのブラックボックスにおさめられている内容の1つひとつをよく理解し、プロセスを正しくチェックできるようになってはじめて給与事務を正しく運用することができるのです。 本書は、毎月の給与に関することだけでなく、給与計算を行う上で理解しておかなければならない労働基準法をはじめ、社会保険や所得税、住民税のほか、賞与や退職金についても解説をしています。
一般にビジネス書は、複雑でとっつきにくいものであるため、購入しても“積ん読”ということが多々あります。
本書は『みてわかる給与計算マニュアル』というタイトルの示すとおり、
“見てわかる”ことをモットーにしています。図表や演習をふんだんに盛り込み、解説も専門用語を極力抑えて気軽に読めるものとしました。
また、給与計算の仕事の中で、疑問点や確認したい点、さらにはもっと知りたいことなどに直面したとき、ダイレクトにそのページにたどり着けるよう、巻末に索引を設けて充実を期したのをはじめ、本文中の随所には関連項目へ導くための工夫も凝らしました。
給与計算の担当者だけではなく、管理・監督者も部下を指導する上で使いやすい実務書として活用していただければ幸いです。
吉田 正敏 |