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はじめに
役員の報酬、賞与および退職慰労金は、会社の規模や業種を問わず、どの会社にとっても大きな関心事項です。役員の重要な処遇であるとともに、相当の経費を必要とするからです。
会社は、商法の規定を正しく踏まえ、役員の報酬、賞与および退職慰労金の管理を合理的・整合的に行っていく必要があります。管理の仕方が適切でないと、法律上の責任を問われると同時に、税務上の問題を発生させます。また、役員自身の勤労意欲や忠誠心に対しても、好ましくない影響を与えます。
会社として役員の報酬、賞与および退職慰労金の管理を合理的・整合的に行っていくためには、その管理の基準を規程として明確に定めておくことが必要です。管理基準が明確になっていないと、運用がルーズになったり、不公正になったりします。
その結果、会社経営の透明性・公正性・健全性が失われ、社会的な信用を失墜させることになります。
本書は、役員の報酬、賞与および退職慰労金の規程を取り扱ったものです。
「報酬・賞与」(第1部)と「退職慰労金」(第2部)とに区分し、それぞれについて、はじめに管理上の留意点を解説した上で、モデル規程を紹介しました。
役員の報酬、賞与および退職慰労金の管理には、さまざまな方法があります。例えば、退職慰労金の算定方式をみても、「退任時の報酬月額を基準とするもの」「役位ごとの退職慰労金を積上げるもの」な
ど、さまざまな方式が使われています。どの算定方式が良く、どの算定方式が良くないとは、一概にはいえません。このため、モデル規程も、多くの種類を紹介しました。
本書が、役員の報酬、賞与および退職慰労金の取扱いの実務において役に立つことを願って止みません。
なお、筆者は、さきに経営書院から『役員・執行役員の報酬・賞与・退職金』を刊行し、ご好評を頂いています。これは、役員と執行役員の報酬・賞与および退職慰労金等について、その決定基準・設定方法、具体的な算定方式、決定の手順(株主総会の決議・取締役会の対応)および税務処理などを実務に即して具体的に解説したものです。本書が『役員・執行役員の報酬・賞与・退職金』と併せてご利用頂ければ幸いです。
最後に、本書の出版に当たっては、経営書院の皆さんに大変お世話になりました。ここに記して、厚く御礼申し上げる次第です。
2005年秋
荻原勝
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