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役員処遇ハンドブックの刊行にあたって
今,企業は経営の改革が求められています。
1980年代からの経営環境の大きな変化を受けて,商法の改正等が進められていることは周知のとおりです。これを受けて各企業では,ここ4〜5年では,執行役員制の導入やコーポレート・ガバナンスをはじめとする経営改革の取組みが盛んに行われています。しかし,まだまだ対応が遅れているのが実情といえます。
その一方で,企業の付加価値を高めるものとして「経営のあり方・役員のあり方」が以前にも増して重視されるようになりました。特に「取締役(役員)の育成・任免・評価・報酬・モニタリング」の重要性は,強く指摘されるところです。
そのような中,産労総合研究所では2004年7月に「役員マネジメント研究会」(座長:藤村博之・法政大学教授)を立ち上げました。企業競争力をつけていくためには「経営のあり方・役員のあり方」の絶えざる革新が必要であり,そのためには,上記の「取締役の育成・任免・評価・報酬・モニタリング」を統括した「役員マネジメント」の確立が重要ではないか,との視点に立つものです。研究会は,この視点に添って調査・研究を重ねてまいりました。
本書は,この研究会の調査・研究の集大成となるもので,5つの章からなっています。
第1章は,「役員マネジメント研究会」の約1年にわたる研究とヒアリングの結果を踏まえた集成です。役員の役割と処遇のあり方,役員のあるべき姿について,研究会メンバーの座談会報告を含めて,役員マネジメント研究会の提言としてまとめました。
第2章は,産労総合研究所が2005年2〜3月に実施した役員マネジメントの実態に関する調査」を中心に,「役員の処遇・報酬」について,網羅的にまとめたものです。集計結果の分析と個別企業の役員報酬・処遇の一覧のほか,「役員の処遇・報酬管理」に関する実務解説として,全部で48に及ぶQ&A形式で幅広く解説したものです。
第3章は,コーポレート・ガバナンスにっいて取り上げました。日本企業におけるコーポレート・ガバナンスの現状と,コーポレート・ガバナンスを実践していくうえでのQ&A形式の実務解説,および経営・役員制度の改革に取り組んだ6社の事例で構成されています。
第4章は,役員制度に関する規程についてまとめました。20項目に及ぶ各種規程について,その設計ポイントにあわせてモデル規程も収録したものです。
第5章では,産労総合研究所の「執行役員に関する実態調査(2004年10月)」のほか,本書に収録した上記の各種の解説に関連するデータを幅広く収集・掲載いたしました。
以上のように,本書はこれからの経営改革の根幹となる「役員マネジメント」のあり方を提言するだけでなく,役員報酬・処遇の実態,幹部候補者の育成のあり方についても網羅する内容となっています。
本書が,各社の役員報酬のデータを必要とする部門だけでなく,次世代の経営幹部育成を担当する部門,さらに次世代の経営ビジョンの企画に当たる部門において参考の書となれば,幸いです。
なお,末尾になりましたが,役員マネジメント研究会にご参集いただいた4人の先生方のほか,ご多忙にもかかわらず本書のご執筆をいただきました先生各位,取材へのご協力と資料のご提供をいただいた各社各機関には,この場を借りて御礼申し上げます。
2005年7月
産労総合研究所編集局
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