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はじめに
近年、企業間競争がとみに激しくなり、経営環境が厳しさを増す中で、企業は、経営の効率化、意思決定の迅速化を迫られています。このような状況に対応する目的で、執行役員制度を導入する企業が増えています。
執行役員は商法上の「取締役」ではありません。したがって、執行役員制度には、商法が適用されません。このため、企業の考え方次第で比較的自由に執行役員制度を設計し、運用することが可能です。
企業の実態に即して比較的自由に設計・運用できることが執行役員制度のメリットである、という現実的な意見もあります。
しかし、実際に執行役員制度を構築することになると、
・義務と責任をどのように決めればよいか
・職務権限の範囲をどのようにすればよいか
・どのような観点から業績評価を行えばよいか
・選任と退任の基準をどのようにすればよいか
・役位(ランク)を設けるべきか。設けるとすれば、その数はどれくらいとするのが適切か
・報酬、賞与、退職慰労金は、具体的にどのように取り扱えばよいか
など、実務的に難しい点が少なくありません。
本書は、執行役員制度の設計と運用のポイントを実務的観点から、具体的に解説したものです。
実務書は、その性格上、「読みやすさ」が要求されます。読みやすいものとするため、一問一答方式を採用しました。
また、実務性を高めるため、辞令・就任承諾書・業績評価表などの各種書式(フォーマット)や、執行役員制度の実施に関する取締役会議事録の記載例も多数収録しました。
執行役員制度は、企業経営においてきわめて重要な制度ですから、合理的・現実的に設計・運用されることが必要です。制度が合理的・現実的でないと、「経営の効率化」「意思決定の迅速化」など、制度の目的を達成することができません。
本書が、執行役員制度の設計と運用において役に立つことを願って止みません。
なお、筆者は、さきに経営書院から『執行役員規程と作り方』を刊行し、ご好評を頂いています。これは、「執行役員就業規則」「執行役員職務権限規程」「執行役員報酬・賞与規程」「執行役員会規程」など、執行役員制度にかかわる規程の作り方を解説した上で、モデル規程を紹介したものです。
本書が『執行役員規程と作り方』と併せてご利用頂ければ幸いです。
最後に、本書の出版に当たっては、経営書院の皆さんに大変お世話になりました。ここに記して、厚く御礼申し上げます。
2004年 秋
荻原 勝
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