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はじめに
労使紛争は、全国どこかで絶えることなく起きています。平成16年度の個別労働紛争解決制度における総合相談件数は、823,864件と前年比12.2%も増加しています。このうち労働関係法規上違反を伴わない解雇、労働条件の引き下げ、退職勧奨、出向・配置転換など、いわゆる民事上の個別労働紛争に関するものが、160,166件に上っています。これらの要因は、一つには経済社会の産業構造の変化、二つめには出生率の低下と平均寿命の伸長による急速な少子・高齢化による労働力の変化であります。
産業構造の変化は、正規労働者の削減、パート、派遣などの非正規労働者の雇用が増加しています。少子・高齢化は高齢者を雇用しなければならない現状にきていることです。一方、労働の多様化により一企業で生涯勤めようとする労働者が少なくなってきていることもあり、使用者にとっても労務・人事管理の一層の対策に頭を抱えるところです。
冒頭に述べていますように、労使紛争にかかわる事案が増加していることは、いかに労働条件の管理が必要かを物語るものです。
労働条件の管理を行うための事業場の基本規則は、いうまでもなく就業規則です。就業規則によって、人事、労働時間、賃金、服務規律、退職・解雇などを規定し、事業場は就業規則を適用し、労働者を使用し事業運営を行うものであります。
ところが、就業規則の内容が形式的なものであって、内容的に不十分な就業規則の規定が多くみられ、このため就業規則の適用をめぐって争いが起きるわけです。
今回、就業規則について見直しを図り、事業場の、特に中小企業の方々に適応したものを作成しました。内容的に大まかな規則の箇条もありますが、これを基本として事業場の実情に相応した規則を作成されるようお願いするものです。また高齢化によるために「略称、高齢者法」が改正されましたので、これにかかる規程の作成についても掲載しておきました。わかりやすく、そして直ちに活用できる内容としています。ぜひ活用をお願いするものです。
本書を刊行するに当たり、経営書院の皆さんにお力添をいただきましたことに深く感謝を申し上げる次第です。
平成18年3月
吉川照芳
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