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はしがき
業務分掌とか職務権限など、本書で取り上げている規程は、会社規程の体系のうえからは、組識関連規程の一部分ということができる。いわゆる会社規程には、この組織関連規程類のほかに、人事関連規程類や業務運営規程類など、いろいろな規程類が存在するが、これらの中でも、とりわけ重要な位置を占めている会社規程が、ほかならぬ組織関連規程である。
したがって、会社運営を円滑にして、効率のよい業績向上をはかるための会社規程の作成、整備にあたっては、この組織関連規程は、相対的に早い時期から手がけられる。ことに、このことは、企業が一定の規模以上になった場合は、できるだけ速やかに、しかも当該企業体にマッチした組織関連規程の作成、整備が不可欠なのである。
もちろん、企業体の組織の確立と運営は、成文化したルール(会社規程)によらなくとも、全く運営できないということはないけれど、その場合は、どうしても統一性や整合性を欠きやすい。組織は、企業体という生き物にとっては、いわば骨格に値するものであるから、企業運営では、このところが、会社規程によって、しっかりと固められていないと、的確な企業活動はできなくなってしまうのである。
また、組織は企業規模の増減、経営環境の変化に応じて、変更、改善されていくことが肝要となる。この作業を誤まると、組織が実態と遊離してしまい、企業経営を壊滅(倒産)に陥れることになってしまう。
それほどに重要な組織規程であるが、その規程の運営に当たって、関係先がいちばん神経を使い頭をしほるのが、本書で取り上げている業務分掌と職務権限である。
業務分掌と職務権限は、組織の中核部分に関して、その上下、左右、奥行きという、3方面を明確に取り決めるものといえる。これらを、各企業体の実態に即して合理的に定めることによって、企業体が主体的に形づくられることになるからである。
ところで、一般に人は十人十色というが、この言葉は生き物としての企業体にも当てはまるわけで、いうならば”十社十色”といってもよいであろう。このことは、何を意味するかというと、原則的には各社は同じようであるが、実務として細かい面を取り上げると、各社それぞれが微妙に、しかも明確に異なっていることを意味する。
そして、いうまでもなく、この点は組織の確立、すなわち組織運営ルールの作成など運用に当たっても、例外ではないわけである。
業務分掌と職務権限において、とりわけその色合いが濃いといえるであろう。したがって、自社の業務分掌や職務権限等を取り決めるに当たっては、最終的には自社独自の、いうならば完全にオリジナルな規程作成が求められるのである。
ここにおいて、そこへ到達するまでの前段階として、各社の業務分掌と職務権限のケース別の分析と、これらを総合しての原則的、基本的な規程、マニュアルづくりの理解が重要課題となってくるといえる。このプロセスを十分に経ないで、安易に小手先で組織規程づくりをすると、大矢敗を招くことになるのである。本書は、そのような意味において、関係先の参考資料としてまとめたものである。
本書が、各社の組織づくりにおいて多少共お役に立つならばありがたいことである。
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