産労総合研究所
最新情報産労総研についてスペシャル情報ライブラリー各種お問合わせ
定期刊行誌・書籍コンサルティングセミナーお知らせ会社案内

経営書院トップへ
一覧へ戻る
改訂12版 就業規則総覧
経営書院・編
B5判・626頁・定価 9,660円(税込)
ISBN978-4-86326-003-0 C2034

はじめに

 企業は,多くの人々が集まって構成する一つの組織体である。しかも,その構成員が共同して生産・販売という行為によって利益を追求するという目的をもった集団である。この集団が行動するには,一つの“よりどころ”になるものが要求される。その“よりどころ”になるものが,「経営におけるよい人間関係」をつくりあげる 「社是および経営方針」「社内諸規程,諸規則」であろう。
  企業における 「社是および経営方針」や 「社内諸規程,諸規則」は,組織を維持・運営するための基本となる制度である。それは,従業員が集団として行動するためには,集団としての秩序が維持されなければならない。それには当然に,経営者も従業員も拘束するルールが設けられ,これを守らなければ組織としての活動が保障されないからである。なかんずく,「就業規則」はこれらの中心的な存在といえよう。就業規則は,労働条件をはじめ,服務規律関係,その他労使の関係を律し,労使双方が守ってその成果を期待するところのものであるからである。
  労働基準法が施行されて,60年近くを経過し,その間,「最低賃金法」をはじめ,「労働安全衛生法」,「労働者災害補償保険法」,「賃金の支払いの確保等に関する法律」「勤労者財産形成促進法」「雇用対策法」「男女雇用機会均等法」「労働者派遣法」「育児・介護休業法」「パート労働法」「高齢者雇用安定法」など,労働者保護法の体系は急速に整備充実されてきており,事業場における,賃金,労働時間,休日,定年等の労働条件も飛躍的に改善されてきた。
  しかしながら,最近の国内外の急激な環境の変化,価値観の転換,従業員の高齢化,従業員の意識の変化に応じて,合理的な企業の運営の対応が迫られている。高度成長経済から安定成長に移行したわが国経済のもとで,企業は今こそ従業員個々の能力を十分発揮させ,企業の社会的責任を認識して,現行の組織や諸制度を見直すチャンスであろう。労務管理の方式も当然にこの中に入ることになる。
  なかんずく,「男女雇用機会均等法改正」「労働基準法改正」ならびに 「育児・介護休業法改正」「パート労働法」等の改正にともない,企業の実情に合った就業規則の見直しが強く要請されているところである。
  労働福祉の面においても,近づく少子化高齢化社会に対応するため,賃金体系のあり方,定年制の延長 (勤務延長・再雇用を含む),労働時間の短縮,週休2日制の普及,年次有給休暇取得促進,育児・介護休業制度,パートタイマー雇用管理の適正など今後一層推進されなければならないと考えられるところである。
  わが国の企業の大半を占める中小企業における,労働条件,労働福祉は,このような流れのなかで大きく改善されつつあるが,大企業ならびに中堅企業のそれと比較すると,まだかなりの格差があることは,諸調査の結果からうかがわれるところである。このことについて,労働条件の二重構造性として諸外国から指摘されていることも事実である。
  企業が正常な業務の運営を維持し,円滑な発展をするためには,労働条件が合理的であるとともに,職場における秩序が維持され,施設が正常に管理されなければならない。そのために経営者がその責任において,これらの事項に留意して適切な処置を講じなければならない。すなわち,従業員に対して一定の基準にのっとった服務が要請され,従業員が遵守すべき行動の基準を定めなければならない。この定めが服務規律であって,後述の就業規則の絶対的必要記載事項並びに相対的必要記載事項であるが,当然就業規則のなかに重要位置を占めることになろう。
  中堅・中小企業における労務管理の近代化,合理化は,経済の安定期において重要性が,ますます増してきている。就業規則及びこれに付属する諸規則の整備,充実は,この面で企業の経済に大きく貢献できるものと考えられる。
  本書の事例は,労働関係法令の改正を踏まえて編集したものである。参考になれば幸いである。