産労総合研究所
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上司の評価・会社の評価
塩津 真・著
四六判・168頁・定価 1,470円(税込)
ISBN 4-87913-988-7 C2034

はじめに

「評価」はみんなの嫌われ者?

年に一、二度(もしくは、それ以上)決まった時期になると会社から「人事評価」を行うようにとの指示があり、社内に憂鬱な空気が流れます。多くの社員は「評価」という言葉の中に、どうしてもネガティブな響きを感じてしまいます。「他者と比較されて、序列付けされる」「自分の問題点・欠点をほじくり出される」「どうせ上司はわかってないのに」。常に「一番」の評価を受ける人でもない限り、「評価」とはあまり楽しいものではないようです。
  「評価」に対してネガティブな印象を持っているのは、何も評価される側だけではありません。評価する側、つまり管理職達にとっても「人事評価」の時期は憂鬱です。「どんな評価をしたところで、部下たちからは文句を言われる」「上司(二次評価者)からは『評価が甘すぎる』と叱られる」「そうじゃなくても忙しいのに、なんでこんな余計な手間の掛かることをやらせるのか」。評価に対する不満を聞き始めたらキリがありません。「だいたい自分には『人を評価する』なんていう役割は無理なんだ」「評価をさせられるぐらいなら、管理職から降ろしてもらいたい」なんて声さえ聞こえてきます。
「人事評価」を推進する人事部門や経営者側にとっても、文句を言いたいことが一杯です。「みんなは誰のために評価を行っているのかがわかっていない」「みんながちゃんと評価をしてくれないから、人事部門の苦労が絶えないんじゃないか」。まさに、「評価はみんなの嫌われ者」といった様相を呈しています。
それでは、本当は「誰のために」評価を行っているのでしょうか? また、「ちゃんと評価をする」とはどういうことなのでしょうか? 実は、このことをきちんと整理して理解していないところに評価が「嫌われ者」になっている原因があるようです。
本書は、そのような「評価」が、「みんなの嫌われ者」であることから脱し、適正に理解・活用されることを目的に執筆したものです。そして、そのために、「今の時代」における「評価」の意味・内容を「職場におけるマネジメントプロセスとしての評価(上司の評価)」と「社員個々の処遇決定のための評価(会社の評価)」という二つの視点から整理し、構造化して、ご紹介しています。
この本をご覧になる皆さんは、部下を評価する立場の会社の管理職かもしれません。もしくは、会社の中で評価の仕組みを構築する立場の経営者や人事担当者かもしれません。場合によっては、評価をされる側かもしれません。いずれの立場であっても、本書をご一読いただくことで、「なるほど、そういうことだったんだ!」というご感想をお持ちいただき、すっきりとした気持ちで、正しく「評価」の仕組みを構築し、また、取り組んでいただけるようになることを心より祈念いたします。

塩津 真