定期刊行誌

書籍・単行本

セミナー

コンサルティング

会社案内

お問い合わせ

カテゴリー「賃金制度・人事制度」一覧へ 経営書院トップページへ
image
65歳雇用時代の賃金・処遇管理
産労総合研究所・編
B5判(CD-ROM付)・222頁・7,035円(税込)
ISBN978-4-87913-986-3 C 2034

はしがき

2006年4月に改正高年齢者雇用安定法が施行され, 65 歳雇用時代がいよいよスタートしました。 法律の改正にあわせて, とりあえず継続雇用制度の導入に踏み切ったものの, 人事・処遇制度の整備が十分できていない企業がまだまだ多いようです。 また, 今年 2007 年は団塊世代が定年を迎える年でもあります。 バブル崩壊後の人員削減の結果, この世代が培ってきた技能を誰がどのように伝承するのか, 対応ができていない企業も少なくないようです。

一方, 定年年齢と公的年金の受給開始年齢の不一致は, 高齢法の施行の有無にかかわらず, 定年退職者に対して年金受給開始年齢までの “つなぎ就労” を余儀なくさせています。 また, 定年後も継続して就労する高齢者に対しては, 継続雇用給付金や厚生年金の報酬比例分が支給されることから, 多くの企業では, 公的給付の受給を前提とした勤務形態や人事処遇制度を導入しています。

このため, 継続雇用制度を導入した企業の中には, “安価で高レベルの技能を持った労働力が確保できる” ともらす経営者もいますが, 他方で, “こうした人事制度では高齢者を活用しきれない” として, いったん導入した継続雇用制度を早くも見直す企業があらわれており, 高齢者の処遇管理に対する関心が高まっています。
こうした中で, 当研究所に対して, 高齢者と企業の両者にとってよりよい賃金・処遇についてのあり方に関する書籍を刊行してほしいとのご要望が多数よせられています。 そこで, これに応えるべく本書をとりまとめ, 皆さまにお届けすることになりました。

 本書の構成は, 第1部 「解説編」, 第2部 「Q&A 編」, 第3部 「実態編」 および第4部 「資料編」 の4部構成です。

第1部の解説編では, 65 歳雇用時代にあって 「人事諸制度の整備をどう進めるか」 を取り上げました。 ここでは, 65 歳雇用に向けての 「人事制度の再設計プラン」 のあり方と, 60 歳以降の賃金水準の決め方のほか, 再雇用された人の 59 歳時の賃金をもとに, 各種公的給付制度を活用した再雇用後の合理的な賃金の算出法についての解説を掲載しています。

第2部の Q&A 編では, 高齢者雇用における, 法律問題・社会保険・人事処遇の実務のポイントを Q&A 形式で分かりやすく解説します。 法律問題では, 高齢法をめぐる問題のほか, 高齢化対策としての役職定年制, 転籍, 転職準備休暇, 高齢者の賃金・退職金の引き下げや, 副業, 退職後の競業企業への就職など, 幅広い問題を取り上げました (15問)。 また, 社会保険では, 定年前後の健康保険, 雇用保険, 厚生年金に関わる手続きや資格に関わる諸問題, 高年齢者雇用継続給付, 在職老齢年金などをめぐる諸問題を取り上げています (11問), さらに, 人事処遇制度では, 高年齢者の賃金や労働条件の整備, 高齢社員の活用方法, 技能伝承などを取り上げています (15 問)。

第3部の実態編では, 2006 年の高年齢者雇用安定法の施行に各社がどう対応したのか, 産労総合研究所の実態調査結果を紹介しました。 この調査では, 継続雇用の上限年齢と設定基準, 中高年層の賃金減額の取扱い, 役職定年制度, 早期退職優遇制度の内容と運用を一覧表として掲載しています。 さらに企業事例として, 再雇用制度の導入のみならず, すでに再雇用制度を導入していた企業がなぜ定年延長に踏み切ったのか, そして定年制を廃止できる企業の文化・風土とはいかなるものか, 5社の事例をもとに明らかにしました。

第4部の資料編では, 解説や Q&A の中で引用されている経営者団体 (関西, 京都, 兵庫), 厚労省, 東京都の実施した定年後再雇用者の賃金, 継続雇用制度に関する各種の調査資料を収録したほか, 高年齢者雇用安定法の中から企業 (事業主) に関係する条文と, 罰則, 65 歳の雇用への経過措置に関する条文および政令を抜粋して掲載しました。

また, 新たな人事制度や賃金制度を導入したり改訂した場合, 就業規則や関連規程類を整備する必要があります。 こんなときに求められるのがこれら規程類のモデルないしサンプルです。 本書では, 付録 CD‐ROM として 「モデル規程・協定・書式集」 を付けています。 改正法が求めている継続雇用制度 (定年延長, 再雇用, 勤務延長, 定年制廃止など) に対応した就業規則や労使協定書, 申請書, 通知書などの規程や書式類をとりまとめたものです。 お使いのコンピュータの端末にダウンロードすれば, 貴社の実態にあわせて再編集することができます。

 先にも記したように, いよいよ団塊の世代の定年退職が始まります。 彼らに支払われる膨大な額の退職金が新たな需要を創出するとして, これをビジネスチャンスととらえる見方もあり, 経済的効果に関するいくつかの試算もあるようです。 しかし, 退職金は彼らの老後の生活資金ですから, 安易に費消するはずはなく, 多くは企業の退職金会計から団塊の世代の老後資金会計へと移動するに止まるものと考えられます。

むしろ, 団塊の世代の大量退職は, このところの労働力不足に拍車をかけています。 中でも製造業での後継者不足, すなわち, 技術や経験が若手に引き継がれず, 日本の 『ものづくり』 が衰退するという,いわゆる技術伝承問題が顕在化しつつあります。改正法への対応などといった消極的な理由ではなく,団塊の世代の活用なくして企業社会の活力が削がれかねないのが現状でしょう。

高齢者を地域や家庭に送り出し, ボランティア活動や地域活動の活性化に役立ってもらうことも重要でしょうが, 高齢者の経験・技能を企業社会の財産とし, 現役で活躍してもらうことも, 同様に重要です。 収入の多寡や地位に拘泥することなく, 仕事を通じて生き甲斐を実現する高齢者に学ぶものは, 決して少なくないはずです。

本書が, 真の意味での高齢者の活用と豊かな老後生活を実現し, さらには “65 歳現役時代から生涯現役時代へ” の一助となることを願ってやみません。

なお, 最後に年末年始のお忙しい時期にもかかわらず, 執筆を賜りました執筆者各位, ならびに貴重なご意見をお寄せいただきましたご愛読者のみなさまに, この場を借りて御礼申し上げます。

2007年3月
編者

ご購入・ご注文はこちら
この書籍のもくじ

第1部
解説編 人事諸制度の整備をどう進めるか

1 65歳雇用に向けた人事制度の設計プラン…10
ヒューマンテック経営研究所 藤原久嗣/新井通世
2 60歳以降の賃金の決め方と再雇用後の賃金シミュレーション…22
ヒューマンテック経営研究所 吉田敬子

第2部
Q&A 編 高齢者の賃金・処遇管理 Q&A

1 法律問題…34
弁護士 渡邊 岳

Q1 高齢者雇用安定法の概要…34
Q2 60歳以降の雇用制度を導入していない場合の雇用義務と再就職の斡旋義務…36
Q3 60歳になる非正規社員への高齢法の適用…38
Q4 継続雇用対象者の基準に関する就業規則の有効期間が経過したら…40
Q5 在宅勤務の再雇用者の労働時間をどう管理するか…42
Q6 収入減を理由とする副業申請を認めなければならないか…44
Q7 病気休業者の再雇用契約の更新を拒否できるか…46
Q8 協調性のない再雇用社員の選考要件の効力…48
Q9 役職定年制の適用に伴う賃金減額は年齢差別か…50
Q10 転籍拒否者への降格処分による賃金の引き下げは可能か…52
Q11 高齢者の賃金・退職金等の引き下げはどの範囲まで許されるか…54
Q12 高齢者の賃金引き下げを伴う労働協約を非組合員や反対者に適用できるか…56
Q13 転職準備休暇取得者の休暇の撤回・復職を認めなければならないか…58
Q14 定年退職者のライバル会社への再就職と競業禁止規定の新設…60
Q15 定年直前に付与された年休の再雇用者の取得と再雇用後の付与日数…62

2 社会保険…64
巨l事・労務 矢萩大輔
巨l事・労務 根本大作

Q1 定年到達時に行う社会保険の手続き…64
Q2 定年後の再雇用と社会保険の手続き・高年齢雇用継続給付…66
Q3 定年退職時の社会保険料と社会保険被保険者資格…68
Q4 傷病手当金受給者の定年退職と再雇用…70
Q5 特定健康保険組合に加入している老齢厚生年金受給者の雇用…72
Q6 年金の繰上げ請求・繰下げ請求…74
Q7 定年退職後の1年契約社員の離職理由と失業給付…76
Q8 家族の扶養と健康保険の加入…78
Q9 60歳から70歳までの公的年金制度の内容…80
Q10 在職老齢年金の仕組み…82
Q11 労働条件の変更に伴う社会保険の取扱い…84

3 人事処遇…86
巨l事・労務 根本大作
巨l事・労務 渋谷康雄
巨l事・労務 金野美香

Q1 60歳以降の賃金制度の見直し…86
Q2 高年齢者雇用アドバイザーの活用…88
Q3 継続雇用定着促進助成金の活用…90
Q4 賃金+高年齢雇用継続給付+在職老齢年金の活用…92
Q5 高齢者の賃金と残業…94
Q6 賃金・賞与・手当・退職金等の総合的検証…96
Q7 定年延長か継続雇用制度か定年制廃止か…98
Q8 高年齢者雇用確保措置と勤務形態…100
Q9 高年齢者雇用と就業規則…102
Q10 高年齢社員の有効活用…104
Q11 次世代社員への技能継承…106
Q12 高年齢社員のモチベーション向上策…108
Q13 退職までの生きがい・働きがいを支援する制度…110
Q14 継続雇用制度のルールづくり…112
Q15 高年齢者中心の会社の創設…114

★執筆者プロフィール…116

第3部
実態編 各社は改正高齢法にどう対応したか

1 中高年層の処遇と継続雇用制度の実態に関する調査…118
産労総合研究所調査

□1調査結果の概要
@調査結果解説…118
A調査結果の集計表…128
□2企業別実態一覧
@定年後継続雇用制度の上限年齢と設定基準…138
A中高年層 (40歳代後半〜50歳代) の賃金減額の取扱いと今後の方向…153
B役職定年制度の内容と運用…159
C早期退職優遇制度の内容と運用…171

2 各社の継続雇用制度の導入事例…177

事例1 テンポスバスターズ/定年制廃止…178
労働日数・労働時間とも自分の意思で選択, 変更も可能
事例2 前川製作所/継続雇用制度の見直し…183
「定年は自分で決める」 文化を受け継ぎ, 現在の最高齢者は78歳
事例3 カゴメ/再雇用制度の見直し…187
フルタイム勤務で65歳までの更新が可能
事例4 富士電機ホールディングス/選択的定年延長の見直し…193
2000年に導入した制度を見直し, 選択肢を拡大して柔軟に対応
事例5 イオン/再雇用制度から65歳定年制へ…199
60歳以前と同様の処遇で, 無条件で定年を65歳に引き上げ

第4部
資料編 65歳雇用のための参考資料

1 京阪神地域の定年後再雇用者の賃金……関西経協/京都経協/兵庫経協…204
2 高年齢者雇用確保措置の実施状況……厚生労働省…210
3 大企業, 都内中小企業の再雇用・勤務延長制度の状況……中労委/東京都…212
4 労働政策に関するアンケート調査結果……東京商工会議所…216
5 高年齢者雇用安定法 (抜粋)…217
6 都道府県高年齢者雇用開発協会一覧…222

*付録 CD―ROM モデル規程・協定・書式集
収録した規定類の説明と使い方…224

付録 CD‐ROM モデル規程・協定・書式集
CD‐ROM収録内容の説明と使い方…224
収録規程・協定・書式一覧 定年後の再雇用意向調査
従業員就業規則
嘱託規程
嘱託雇用契約書
パートタイマー就業規則
再雇用に関する労使協定書(1)
再雇用に関する労使協定書(2)−労働協約型
再雇用に関する労使協定書(3)
再雇用に関する労使協定書(4)
再雇用申請書
再雇用通知書
再雇用契約更新通知書
再雇用契約書
再雇用者就業規則
勤務延長に関する労使協定書
勤務延長申請書
勤務延長通知書
勤務延長更新通知書
勤務延長契約書
勤務延長者就業規則
定年延長規程
定年延長に伴う労働条件変更通知書
求職活動支援書
求職活動支援書【記入例】
就業規則 (作成・変更) 届
就業規則の(作成・変更)に関する従業員の意見書
就業規則の(作成・変更)に関する従業員の意見書 【記入例】
労働条件通知書 (一般 有期雇用型)
労働条件通知書 (短時間勤務 有期雇用型)
就業規則・規程関係    従業員就業規則
パートタイマー就業規則
再雇用者就業規則
勤務延長者就業規則
嘱託規程
定年延長規程 (付・労働条件変更通知書)
就業規則 (作成・変更) 届

             就業規則の(作成・変更)に関する従業員の意見書
就業規則の(作成・変更)に関する従業員の意見書【記入例】
労使協定書        再雇用に関する労使協定書(1)
再雇用に関する労使協定書(2)−労働協約型
再雇用に関する労使協定書(3)
再雇用に関する労使協定書(4)
勤務延長に関する労使協定書
嘱託関係
嘱託規程
嘱託雇用契約書
再雇用関係        再雇用に関する労使協定書(1)
再雇用に関する労使協定書(2)−労働協約型
再雇用に関する労使協定書(3)
再雇用に関する労使協定書(4)
再雇用申請書
再雇用通知書
再雇用契約更新通知書
再雇用契約書
再雇用者就業規則
勤務延長関係       勤務延長に関する労使協定書
勤務延長申請書
勤務延長通知書
勤務延長更新通知書
勤務延長契約書
勤務延長者就業規則
定年延長関係       定年延長規程 (付・労働条件変更通知書)
定年延長に伴う労働条件変更通知書
その他          定年後の再雇用意向調査
求職活動支援書
求職活動支援書【記入例】
定年延長に伴う労働条件変更通知書
労働条件通知書 (一般 有期雇用型)
労働条件通知書 (短時間勤務 有期雇用型)

バナー