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経営書院
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これでなっとく!賃金決定のための部門業績評価

河合克彦・著
A5判・230頁・定価 2,310円(税込)
ISBN 4-87913-777-4 C2034

本書が対象としている部門業績評価およびその周辺に関してはいろいろな立場から研究がなされています。
 会計・経理の立場からは部門別損益計算制度の研究が行われています。そこでは部門別の損益をもって部門の業績と考えているように思われます。部門別の揖益が計算されない管理部門の業績にはあまり触れられていません。またこの部門別の損益がどのように個人の業績と結びつくのかもあまり触れられていません。会計・経理の専門家は部門別損益計算を精緻に行うことには強い関心を示しますが、部門別の損益の結果を個人の業績にどのように結びつけるのかになると、あれは人事管理の分野であるとして、それほど関心を示そうとしません。筆者の企業へのコンサルティング経験においても部門別損益計算制度と人事管理制度がしっかり結びついている企業は少ないように思われます。
 経営戦略・経営計画の立場からは経営戦略・経営計画を部門計画に展開して、これの策定、遂行、チェック、次のアクション(いわゆるPDCA)をどのように行うのかの研究はしているのですが、これを個人の業績評価にどのように結びつけるかは十分研究がなされていないように思われます。実際の企業の現場でも経営計画・部門計画の達成度評価と個人の業績評価が結びついていないのをよく見かけます。
 一方、人事管理の専門家は個人の業績評価や能力評価をどのように行うかは研究していますが、部門業績評価についての研究はあまりされていないようです。人事管理の専門家の関心は「個人」にあり「部門」にはあまりないように思われます。あくまで「個人」が基点になっているようです。したがって部門別損益計算制度や経営計画を個人の業績とどのように結びつけるのかはあまり研究がされていません。部門計画を受けて個人目標を設定するということで「目標管理」が経営計画と結びついていますが、あくまで視点は個人にあるように思われます。
 本書で提案する部門業績評価はこれまでバラバラであった「会計・経理の分野」「経営戦略・経営計画の分野」「人事管理の分野」を結びつけようとするものです。そして単に結びつけるだけでなく「部門業績」を「部門目的の達成度合い・実現度合い」と定義して積極的に「部門業続評価」という独自の分野を構築すべきであると位置づけています。
 第2章では管理部門も損益計算をすべきであり、管理部門も売上を立てて、利益を計算すべきであると提案しています。管理部門の改革、効率化が叫ばれながら、なかなかこれに着手できないでいるのが多くの企業の実態ではないでしょうか。わが国ではホワイトカラーの生産性が問題になっております。管理部門もできれば具体的数値に基づいて評価をしたいというのが、部門業績評価に携わる者の長年の願望でもありました。これほどの価値のあるものでありながら、なかなか実際には行われておりません。しかし大競争(メガコンペティション)の時代、いつまでも管理部門を聖域としてその効率化、生産性の向上に手をつけないでおくわけにはいかないと思います。この章では管理部門で損益計算をするには、どのような仕組みで行ったらよいのか、その方法を筆者のコンサルティング経験に基づいて紹介しています。更に管理部門の売上(=稼ぎ高)を、それを構成する個人にまで展開し、個人の稼ぎ高を計算することも「成果」の測定としては有効な方法ではなかろうかと思います。この計算の仕方の詳細については「業績貢献度測定マニュアル(経営者院)河合克彦著 平成12年6月刊」に出ておりますので、興味のある方はお読み下さい。
 第3章は「部門業蹟」を「部門目的の達成度合い・実現度合い」と定義して、その場合の具体的部門業績評価制度構築の方法を筆者のコンサルティング経験に基づいて述べています。そこで紹介されている、いろいろなワークシートは読者がご自分の会社で部門業績評価制度を構築する場合に必ず役立つものと思います。
 第4章は部門業績評価項目の中で、特に説明をしておいた方がよいと思われる「部門重点施策」「定常業務の質と量」「他部門への支援度」「部門利益額目標達成率」「顧客満足度」「顧客クレーム削減率」「売掛金回収率」について詳しく説明しております。部門業績評価に関する問題点がこれでかなりクリアになるのではないかと思います。
 第5章は部門業績評価結果を人事管理にどのように活用していくかを述べております。個人業績評価の要素とするのが基本ですが、その他に賞与に部門業績配分を設定して賞与の原資配分の要素とする場合の具体的な仕方を述べております。また本書の部門業績評価制度は筆者が提唱する「業績貢献度別人事システム」の一つのパーツでもあります。本書の部門業績評価制度の背景をなす人事管理システムを理解しておくことも必要と考え「業続貢献度別人事システム」の槻要をここで述べております。「業績貢献度別人事システム」についてもっと詳しく理解されたい方は「業績貢献度別人事活用マニュアル(経営書院)河合克彦著 平成10年10月刊」をお読み下さい。
 第6章はモデル企業を設定して部門業績評価制度の内容を規程にまとめております。企業の実務家が部門業績評価制度を構築にあたって参考にしていただければ幸いです。
<本書「まえがき」より抜粋>

2001年5月
河合克彦