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2007年度モデル退職金・年金の実態
(産労総合研究所 定期調査)
 大学卒定年モデル退職金は前回調査結果をやや下回る

産労総合研究所では、直近の退職金事情を明らかにすることを目的に、退職金に関係する調査を1991年から隔年で実施しているが、このほど9回目となる2007年度の「モデル退職金・年金調査」の集計がまとまった。今号では、調査からモデル退職金と退職金制度の現状に関する集計結果を紹介する。なお、今回は167社の回答を集計した(総括表1)。
退職金は、各方面から見直しの必要性が指摘されているが、わが国企業では依然として根強く残っており、今回の調査でも97.0%の企業が退職金制度を有している(総括表2)。
低下傾向がつづいている賃金に連動して退職金の水準も低下しつつあることは、各種の退職金関係調査にも表れている。わが国の退職金は企業年金と退職金とが並列で語られることが多いが、その一方の企業年金制度改革が一応のヤマを越えたことで、改めてこれからの退職金の方向について関心が向かうこととなろう。

 2007年度モデル退職金の水準
2007年度 勤続年数別モデル退職金(大学卒)
2007年度 勤続年数別モデル退職金(大学卒)
大学卒 定年モデル退職金の推移
大学卒 定年モデル退職金の推移
総括表1 集計企業の内訳
総括表1 集計企業の内訳
総括表2 退職金制度の有無
総括表2 退職金制度の有無
 1.定年退職金は2005年度結果とほぼ同じ水準
−大学卒・総合職で2,045万円、1.6%下落−
モデル退職金とは、最短年数で進学し、学校卒業後直ちに入社、その後標準的に昇進・昇格した者を対象にして算出した退職金をいう。
モデル退職金統計は、一時金部分と年金部分に分けて表示されるが、水準の検討の際は、これらの合計の退職金総額でみるのが一般的である。

今回の調査結果から定年の場合の退職金の総額でみると、大学卒・総合職が2,045万円(支給月数37.3カ月)、高校卒・総合職1,903万円(支給月数40.3カ月)となっている。これを前回調査の2005年度の結果と単純比較すると、大学卒が1.6%の減少、高校卒が3.3%の増加となった。集計対象に入れ替わりがあるため、厳密に増減を示すものとはいえないが、前回の2005年度調査におけるモデル退職金の水準が調査開始以来最低であり、その前の回の調査(2003年度)では、大学卒が10.3%、高校卒15.1%という大幅な減少であったことを考えると、今回の結果は、退職金をめぐる厳しい状況に変化がないことを示しているといえる。
本調査は、1991年に調査を開始して以来、定年退職金の額は、最初の3回の調査ではわずかながらも上昇がつづいていたが、1997年度の調査で初めてダウンした。その後の1999年度の調査ではその反動もあって上昇したが、2001年度の調査では再びダウンとなった。2003年度の調査で盛り返した結果、1991年度と2003年度の退職金はほぼ同じ水準であった。しかし、前回の2005年度調査で大学卒2,078万円、高校卒1,842万円に落ち込み、今回の調査結果も、2005年度調査の傾向を引き継ぐものとなった。高校卒の定年退職金は、前回調査で初めて2,000万円を下回っており、今回の調査ではこれに対して3.4%の増加となったものの、2,000万円台に回復するには至らなかった(別表1)。
なお、定年モデル退職金は企業規模別の格差も大きい。2007年度の結果も、以下のとおり、1,000人以上企業と299人以下企業の大学卒の定年モデル退職金の格差はほぼ1,000万円となっている。
・1,000人以上大学卒2,671万円高校卒2,479万円
・300〜999人大学卒2,008万円高校卒1,828万円
・299人以下大学卒1,696万円高校卒1,692万円

一方、本調査による製造業と非製造業といったおおまかな区分で業種間の格差をみると、大学卒・総合職の定年退職金は、製造業1,958万円に対して非製造業が2,088万円で、それほど大きい格差にはなっていない。ただし、製造業・非製造業ごとの企業規模別の格差は、全体計と同様に大きくなっている。
なお、大学卒・総合職のモデル定年退職金を退職金制度の形態別にみると、退職一時金のみの企業が2,294万円、退職一時金と年金の併用企業で1,885万円となっており、併用企業における退職金総額に占める年金現価額の割合は55.9%となっている。
また、退職金の算定方法において賃金と切り離すポイント制、あるいは退職時の賃金とは別テーブルで設定している企業の定年退職金は2,041万円となっている。
モデル退職金から、年齢別に算定基礎給に対する退職金総額の比率をみると、勤続30年にあたる年齢で、大学卒47.7倍、高校卒44.1倍となっており、平均としては45〜50倍程度と推定される。
なお、基礎給に対する退職金の比率は、定年退職の場合、大学卒が59.4倍、高校卒53.6倍と大きくなっている。
これは定年退職の場合、特別の定額加算をする例があり、それによって支給率がかさ上げされる結果と判断される。
別表1 定年モデル退職金、支給月数の推移
別表1 定年モデル退職金、支給月数の推移
 2.勤続年数別にみた退職金の増加傾向
−勤続年数間の格差は年々縮小−
勤続年数によって退職金がどの程度増加していくか、これまでの経緯をみたのが別表2である。これをみると、「長期勤続者に有利」といわれてきた退職金制度も様変わりし、勤続年数による格差は年々縮小してきていることがわかる。総合職の勤続3年の退職金1.0とした定年退職金の倍率をみると、2007年度は大学卒が43.98、高校卒が52.72となった。これを1997年と比較すると、この10年間で大学卒は7.88ポイント、高校卒は10.39ポイント、それぞれ縮小していることになる(別表2)。
退職金水準そのものが抑制されるなか、ポイント制などの業績貢献度を重視した退職金制度が普及することで、勤続年数間格差の縮小は、今後もつづくだろう。(賃金事情 編集部)

賃金事情 2008年5月20日号掲載
別表2 勤続年数別にみた退職金の増加傾向(勤続3年=1.0)
別表2 勤続年数別にみた退職金の増加傾向(勤続3年=1.0)
別表2 勤続年数別にみた退職金の増加傾向(勤続3年=1.0)拡大1
別表2 勤続年数別にみた退職金の増加傾向(勤続3年=1.0)拡大1
別表2 勤続年数別にみた退職金の増加傾向(勤続3年=1.0)拡大2
別表2 勤続年数別にみた退職金の増加傾向(勤続3年=1.0)拡大2
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