−大学卒・総合職で2,045万円、1.6%下落−
モデル退職金とは、最短年数で進学し、学校卒業後直ちに入社、その後標準的に昇進・昇格した者を対象にして算出した退職金をいう。
モデル退職金統計は、一時金部分と年金部分に分けて表示されるが、水準の検討の際は、これらの合計の退職金総額でみるのが一般的である。
今回の調査結果から定年の場合の退職金の総額でみると、大学卒・総合職が2,045万円(支給月数37.3カ月)、高校卒・総合職1,903万円(支給月数40.3カ月)となっている。これを前回調査の2005年度の結果と単純比較すると、大学卒が1.6%の減少、高校卒が3.3%の増加となった。集計対象に入れ替わりがあるため、厳密に増減を示すものとはいえないが、前回の2005年度調査におけるモデル退職金の水準が調査開始以来最低であり、その前の回の調査(2003年度)では、大学卒が10.3%、高校卒15.1%という大幅な減少であったことを考えると、今回の結果は、退職金をめぐる厳しい状況に変化がないことを示しているといえる。
本調査は、1991年に調査を開始して以来、定年退職金の額は、最初の3回の調査ではわずかながらも上昇がつづいていたが、1997年度の調査で初めてダウンした。その後の1999年度の調査ではその反動もあって上昇したが、2001年度の調査では再びダウンとなった。2003年度の調査で盛り返した結果、1991年度と2003年度の退職金はほぼ同じ水準であった。しかし、前回の2005年度調査で大学卒2,078万円、高校卒1,842万円に落ち込み、今回の調査結果も、2005年度調査の傾向を引き継ぐものとなった。高校卒の定年退職金は、前回調査で初めて2,000万円を下回っており、今回の調査ではこれに対して3.4%の増加となったものの、2,000万円台に回復するには至らなかった(別表1)。
なお、定年モデル退職金は企業規模別の格差も大きい。2007年度の結果も、以下のとおり、1,000人以上企業と299人以下企業の大学卒の定年モデル退職金の格差はほぼ1,000万円となっている。
・1,000人以上大学卒2,671万円高校卒2,479万円
・300〜999人大学卒2,008万円高校卒1,828万円
・299人以下大学卒1,696万円高校卒1,692万円
一方、本調査による製造業と非製造業といったおおまかな区分で業種間の格差をみると、大学卒・総合職の定年退職金は、製造業1,958万円に対して非製造業が2,088万円で、それほど大きい格差にはなっていない。ただし、製造業・非製造業ごとの企業規模別の格差は、全体計と同様に大きくなっている。
なお、大学卒・総合職のモデル定年退職金を退職金制度の形態別にみると、退職一時金のみの企業が2,294万円、退職一時金と年金の併用企業で1,885万円となっており、併用企業における退職金総額に占める年金現価額の割合は55.9%となっている。
また、退職金の算定方法において賃金と切り離すポイント制、あるいは退職時の賃金とは別テーブルで設定している企業の定年退職金は2,041万円となっている。
モデル退職金から、年齢別に算定基礎給に対する退職金総額の比率をみると、勤続30年にあたる年齢で、大学卒47.7倍、高校卒44.1倍となっており、平均としては45〜50倍程度と推定される。
なお、基礎給に対する退職金の比率は、定年退職の場合、大学卒が59.4倍、高校卒53.6倍と大きくなっている。
これは定年退職の場合、特別の定額加算をする例があり、それによって支給率がかさ上げされる結果と判断される。