「労働者派遣法見直しに関する連合の考え方」は、次の4つで構成されている。
1. はじめに
2. 労働者派遣をめぐる現状と問題点
3. 労働者派遣法見直しの視点
4. 具体的な項目に関する考え方
ここでは、12項目にわたる「4.具体的な項目に関する考え方」を抜粋して紹介する。
1.制度の枠組み
(1)あるべき方向
・1985年の創設当時の専門的な業務に限定したポジティブリスト方式とする。
・常用型派遣を基本とした制度とする。
(2)当面の対応
・一般業務については、登録型派遣を禁止する。
・専門26業務については、今日的に見て高度に専門的な業務か否かとの観点から見直しを行う。
・一般労働者派遣事業(登録型派遣)の許可要件の厳格化等を行う。
2.期間制限等
派遣先にとって労働者派遣(一般業務)は臨時的・一時的な労働力の需給調整制度であることを堅持し、派遣可能期間の上限は延長しない。また、期間の上限に加えて、労働者派遣の活用に関する事由を限定することも検討する。
3.直接雇用みなし規定の創設
(1)以下の場合について、派遣先の直接雇用とみなす規定を設ける。
1 無許可・無届出事業者から受け入れていた場合
2 許可基準を満たしていない事業者から受け入れていた場合
3 派遣先が特定行為を行い、当該派遣労働者を受け入れた場合
4 偽装請負の場合
5 禁止業務への派遣の場合
(2)一般業務における登録型派遣が禁止されるまでの間は、登録型派遣であって派遣可能期間を超えて受け入れていた場合は派遣先の直接雇用とみなす規定にする。
なお、(1)(2)いずれも、直接雇用後の雇用は期間の定めのない雇用とする。
4.派遣先責任の強化
労働基準法等の使用者責任については、派遣先が就労場所であることから、1 時間外労働に関する責任、2 労働安全衛生管理責任、3 労働災害の補償責任等について、派遣先・派遣元の重複規定とする。
また、社会・労働保険の加入については、派遣元が加入させているか否かを確認することを派遣先に義務づけるとともに、派遣元が社会保険料の納付義務を怠った場合には派遣先が補充責任として連帯債務を負うものとする。派遣元倒産時の未払い賃金については派遣先が賃金の立て替え払いすることを義務づける。
5.派遣労働者の均等・均衡待遇(略)
6.派遣先による特定行為の禁止(略)
7.日雇い派遣に対する規制
「日雇い派遣」「スポット派遣」については、建設業・警備業など禁止業務への派遣や、労働基準法第15条の労働条件の明示や労働者派遣法第34条の就業条件等の明示がなされていないケースも見られることから、実態を速やかに調査し、監督指導を強化して違法なケースを根絶する。短期間の派遣は職業紹介に整理することなども含めて引き続き検討する。
8.派遣先労働組合の関与と労使関係(略)
9.事後チェック機能と罰則の強化(略)
10.許可基準の厳格化など派遣元事業者に対する規制
労働者派遣事業の許可基準について、「専ら派遣」の定義の明確化、貸金業等との兼業禁止、雇用管理や教育訓練等の基準の引き上げ、派遣元責任者の要件の見直し、更新時の審査は実績を評価するなど厳格化する。また、有料職業紹介と労働者派遣事業との均衡が図られるよう、有料職業紹介事業に凖じて、契約単価と賃金の差(マージン)の上限規制を行う。
11.細切れ契約の防止(略)
12.紹介予定派遣制度の改善(略)
(ジャーナリスト 溝上憲文)
賃金事情 2007年11月20日号掲載