部下のやる気を高める目標の決め方

人事

人事制度構築/運用・人事評価
部下のやる気を高める目標の決め方

■野原 茂・著
■A5判・212頁
■税込価格 2,200円
■ISBN 978-4-87913-886-6 C2034
■発行日 2004年5月

はじめに

今日、好むと好まざるとにかかわらず、職場の巾での対話が強く、求められている。それは対話によって上司と部下との相互理解を促し、信頼関係をつくり上げるためである。対話こそささくれだった人間関係の潤滑油となるものであり、とげとげしい感情の鎮静剤である。対話といえば、一見、管理次元としては低いものと思われがちであるが、部下のもつ、さまざまな欲求に、最も直接的にこたえる手段であることを知らなければならない。

「知ってはいるが」とか「思ってはいるが」ではだめである。今までの量的拡大の時代であればそれでもよかった。しかし環境が変わって質的創造の時代といわれる中でそれでは困る。“思い”をまず声にして表わし、さらにそれを文章にして現わすことが求められる。

今日、企業人に必要なのは戦略的ビジョンであり、何がわが社の目的・目標なのか、その中で社員一人ひとりは何をすべきかをはっきりさせるべきで、具体的には使命の明確化から何をすべきかの意思決定である。これまで社員は上司から与えられた仕事を熟なす能力、つまりそれは目標の形成も実行も、従来の延長線上のそれで評価された。しかしこれからは、変化を読みどうあるべきかを形成して到達すべき目標を創造し、斬新な提案のできる能力が評価される時代となった。

仕事は上司から言われたことだけをやるのでは問題で上司に何んでも提言することで創造性も高まる。

この提案、提言の場こそ目標面接なのである。

本書は、第1章で人材マネジメントでの面接と評価の重要性とその関係を、第2章では、人事考課の公平、納得性について、そして第3章では目標面接について詳しく、目標の設定の仕方から効果的な面接の運営までで述べた。

目標面接はそれを制度として整備するのも大切だが、それ以上に目標面接の根底にある考え方やその理念の理解こそ重要である。“対話”を無駄といっていては駄目である。無駄やゆとりの中から新しい発見も期待できる。上司と部下との話し合い、つまり個と個がぶつかり合っての相乗効果で、個では得ら
れない新しい価値を創造する。

今こそ、企業の理念、目標を明確にし、社員の主体性を尊重した目標設定、実行でのフォロー、そして成果の評価のプロセスを確実にし、人事考課にも適正に結びついた目標面接の展開が求められる。

著者紹介

■野原 茂(のはら しげる)・・・企業の実務家時代から楠田丘氏に師事し、日本賃金研究センター主任アドバイザーに転じてからば、楠田理論の普及に務める。著書に「人事効果ハンドブック」「人材評価着眼点シート」など。

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